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守りたい者がいる ◆0O6axtEvXI



『君達のがんばり、期待しているからね?』

地図で言うならばG-9地点、そこにある道からはずれた茂みの中でハムと万太郎は放送を聞き終えた。

「ムハ~……五人ですか、吾輩たちの知り合いがいなかったのは不幸中の幸いと思うべきか……」
「……許せない!」
「ま、マンタさん落ち着いて!」

草壁タツオへの怒りを露わにする万太郎をハムは慌てて宥める。
確かにハムとてあの放送に嫌悪感を抱かなかったわけではないし、それに対して万太郎が怒るだろうということは予想できた。
とはいえ激情に任せて突っ走ってもらっては困る、先ほどの放送では少ないと言っていたが、それでも殺し合いに積極的な人間がいるということだ、
無策で駆け回ってはあっさりとやられかねない。

「落ち着いてなんていられないよハム! 僕も何人も悪魔超人は見てきたけど、その中でも最悪に近い性格だよあのおっさん!」
「そうやって怒りに任せてはそれこそ相手の思うツボ、深呼吸でもして落ち着いてください」
「ぐ、ぐぬ~~~~~~~!」

拳を、全身を震わせながら万太郎は必死に怒りを堪えようとする。
ハムの言うことは最もだ、怒りは力にもなるが、だからと言ってそれに任せて戦っては勝てるものも勝てなくなってしまう。

「そ、そうだね……ありがとうハム……」
「わかっていただけたようでなにより、さあ、先に進みましょう」
「うん、早くあの火事の場所に行かないと」
「あ、それなんですが」
「へ?」

駆け出そうとする体勢で動きを止め、ハムの方へ向き直る。

「吾輩達はやはり最初の予定通り、北へ向かった方がいいと思うんです」
「ハム……」

その言葉に万太郎は表情を曇らせる。
やはり危険人物がいるかもしれない場所へは行きたくないのか、一緒にいられると思っていた万太郎は肩を落としかけるが、続くハムの言葉に顔をあげる。

「マンタさん、確かあちらの方向にはアシュラマンさんがいましたよね」
「え、うん、そういえばそうだね」
「ならば当然アシュラマンさんもあの火事には気付いているはずです、でしたらあちらはアシュラマンさんに任せ、吾輩達は別の場所を探索した方が効率的だと思うのです」
「う、うーん、そうなのかなぁ……」
「いいですかマンタさん、吾輩は正直な話、この殺し合いを甘く見ていました。放送ではたった五人と言っていましたが、逆に言えば何人も殺し合いに乗った者はいるということです」

饒舌に語りだすハムに、万太郎は少し呆気に取られながらもペースを奪われる。

「危険人物が何人もいるというなら、戦力は分散させ、手分けして無力な参加者たちを守った方がよいと思うんです」
「そっか! すごいやハム! そんなこと考えもしなかったよ!」
「いえいえ、それほどでは」

こちらの言葉に疑いさえ持たず賛同する万太郎に、ハムは内心胸を撫で下ろす。
アシュラマンがいるから火災現場に向かわない、それについては嘘ではない。
だが、それの真に意味するものは別な所にある。

――『さっき死んだ五人の中にはねぇ――――長い付き合いの、仲良しの友達に殺された人もいるんだよ』

草壁タツオのこの言葉は、正義超人の事をよく知らないハムに、アシュラマンへの疑いを持たせるには十分だった。
万太郎の事だ、自分が信頼している相手へは先ほど仮眠を取っていた時のように隙だらけになるだろう。
この場には親友をも殺そうと考える者がいる、もしもアシュラマンも同じような考えを持っていたら?
いや、例えそうでなくとも万太郎が正義超人ということを信じてもらえなかったら? 自分の友人の息子を偽る……怒りを買うには十分すぎる理由だ。
先ほど見た様子では随分と好戦的なようだ、接触するのはリスクが高い。少なくともハムにはそう見えた。
幸い自分は詐欺師として口も頭も回る。万太郎相手ならば行動を制御するのはさほど難しくない。

「よし、それじゃあ急ごう!」
「ええ、この先の街道もしばらくしたら禁止エリアになる……マンタさん、隠れて!」
「うわ!?」

突然ハムが万太郎を引きずり茂みの中へと隠れる。
何事かと問おうとする万太郎の口を塞ぎ、街道の先を指し示す。
無言のままそちらへ視線を向け、一瞬目を見開き小声でハムと相談を始める。

「ゲゲーっ! あ、新手の悪魔超人ー!?」
「しーっ! マンタさん静かに、どちらかと言うと吾輩のようなモンスターでしょう、あんなモンスターは見たことないですが……」

二人の視線の先にいるのは灰色の毛皮を持った巨大な獣。
ニィ、と笑っているのは確かなのだが、楽しんでいるのか、喜んでいるのか、その感情は欠片も読み取れない。
無論殺し合いに乗っているかどうかなど想像がつかない、だがあの巨体から繰り出される攻撃は相当な威力を誇るだろう。
次に二人の目を引いたのはその頭上に乗せられた少年。
気絶しているようだが、死んでいるというわけでもないようだ。
ならばこの獣は誰かを殺す気はないのだろうか? いや、どこか安全な場所へ連れていってから止めを刺す気かもしれない。

「ムハ……どうにも判断がつきませんね、ここはやり過ごして……」
「だめだよ、もし危険な相手だとしたらあの子を助けなきゃ」

予想通りの、ハムとしては望ましくない言葉が返ってくる。
どう転んだとしても、あの少年を保護することになるだろう、しかしほとんど外傷も無く気絶しているということは一撃でやられたか、精神的ショックによって気を失ったということだ。
とても戦力にはなりそうにない、あのモンスターは中々強そうだが、それでもあの巨体では目立ってしかたがないだろう。
だとしたら、やはりどうにか万太郎を言いくるめてやり過ごすのが――

「よし、僕が注意を引くから、ハムは隙をついてあの子を助けてあげて」
「いいですかマンタさん――はい?」
「それじゃ、行くよ!」
「ちょ、ちょっと待ってください!」

ハムが止める間もなく万太郎は茂みから飛び出し、獣――トトロに対して指を突き付ける。

「やい! そこの……そこの、えっと、そこのもふもふ!」

呼び名に困ったのはわかるが、もふもふはないだろうもふもふは。
ハムのそんな考えに気づくはずもなく、万太郎はトトロと対峙する。
万太郎の姿にトトロは歩みを止めたものの、表情一つ変えることなくじっと万太郎を見つめていた。

「う……そ、その男の子をどうする気だ! お前は殺し合いに乗っているのか!?」
(そんな直球で聞いたって本気で答えるはずないでしょう……)

茂みを移動しながら、ハムは呆れたように頭を抑える。
とにかくこうなっては、不本意ではあるがあの少年を救出するしかないだろう。
足手まといを抱えるのは確かにつらいが、この場で万太郎に裏切ったと思われる方が不利になる。
相変わらず動かないトトロの後ろへ回り込み、茂みから飛び出して一気に近づく――――

「――――」

ハムの動きが硬直する。
トトロの目から視線を反らせぬまま。
茂みから飛び出す直前まで、確かに万太郎の方を向いていたはずだ。
だというのに、
目の前のモンスターはハムの瞳をじっと見つめていて、その口を更にニィ、と吊り上げる。

「う、うわ!?」
「ハム!」

その不気味さに思わず悲鳴をあげかけ、万太郎は慌てて駆け寄る。
万太郎の手がトトロに届く直前。

「「……え?」」

トトロは少年――シンジの体をそっと降ろし、ハムの目の前に横たえる。
唖然としている二人を余所に、トトロは表情をそのままに何も告げず立ち去っていく。

「ま、待って! 君は、殺し合いには乗ってないんだね……? なら一緒に行こう! その方が安全だよ!」

万太郎の言葉にトトロは立ち止まり、一度だけ振り返り――
少しだけ目を細めて、再び歩き出す。


「ムハ……な、何だったのでしょう」
「わからない……けど、きっといい人なんだと思う」
「確かにこの少年は無事でしたが……」
「そうじゃないよ、あの……えっと、もふもふと目が合った時、何だかそんな気がしたんだ」
「むむむ……」

【G-09 街道/一日目・朝】
【ハム@モンスターファーム~円盤石の秘密~】
【状態】健康
【持ち物】 ディパック(支給品一式)、不明支給品1~3
【思考】
1.万太郎に同行。でも危なくなったら逃げる。
2.少年(シンジ)をどうにかしたい。
3.頼りになる仲間をスカウトしたい。
4.アシュラマンも後でスカウトしたい。
5.殺し合いについては……。
【備考】
※ゲンキたちと会う前の時代から来たようです。
※アシュラマンをキン肉万太郎と同じ時代から来ていると勘違いしています。
※スタンスは次のかたにお任せします。仲間集めはあくまで生存率アップのためです。

【キン肉万太郎@キン肉マンシリーズ】
【状態】健康
【持ち物】ディパック(支給品一式入り) 、不明支給品1~3
【思考】
1.北へ向かい、危険人物の撃退と弱者の保護。
2.少年(シンジ)を守る。
3.頼りになる仲間をスカウトしたい。
父上(キン肉マン)にはそんなに期待していない。 会いたいけど。
【備考】
※超人オリンピック決勝直前の時代からの参戦です。
※アシュラマンを自分と同じ時代から来ていると勘違いしています。
※悪魔将軍の話題はまだしていません。ぼんやりと覚えています。

【碇シンジ@新世紀エヴァンゲリオン】
【状態】左肘に銃創、疑心暗鬼、憂鬱
【持ち物】コンバットナイフ@涼宮ハルヒの憂鬱、七色煙玉セット@砂ぼうず(赤・黄消費、残り五個)
     小説『k君とs君のkみそテクニック』
【思考】
0.(気絶中)
1.死にたくない。
2.朝比奈みくるに対し強い嫌悪感・敵対心、夏子を含む「大人」全般への疑心。
3.アスカと合流したい。
4.優勝したらカヲル君が――――?


トトロは歩く。
ただ悠然と、もう万太郎たちの方を振り返ることもなく。
先ほどは一切の感情が読めなかった表情を見てると。
少し。
ほんの少しだけ。

喜んでいるように見えた。

【G-09 街道/一日目・朝】

【トトロ@となりのトトロ】
【状態】頭部にでかいタンコブ、左足の付け根に軽い火傷(毛皮が焦げている)、腹部に中ダメージ
【持ち物】デイパック(支給品一式、不明支給品0~2)、古泉の手紙
【思考】
1:誰にも傷ついてほしくない。
2:キョンの保護?古泉からもらった手紙を渡す?
3:???????????????
※どの方向に向かうかは次の書き手さんにお任せします。


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碇シンジがああなったワケ ハム 夏子と、みくる
キン肉万太郎
片道きゃっちぼーる 碇シンジ
トトロ ネオ・ゼクトールの奇妙な遭遇




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