※上記の広告は60日以上更新のないWIKIに表示されています。更新することで広告が下部へ移動します。

やさしさとともに◆EFl5CDAPlM



スバル・ナカジマは走る。森の中を。人を探して。

殺し合いに乗った人ならば、説得し、更生させ、
殺し合いを襲れる一般人がいたなら、必ず守ってみせる。
その行動方針は、ガルル中尉が死んでしまってからも、変えることはない。
いや、むしろ中尉が死んだぶん、中尉に誓った分、強い決意のもとスバルは行動していた。

探したい人間は、たくさんいる。

なのはさん。
自分の上司であり、信じられる教官。
幼い時からの憧れで、強くて、やさしくて、自分にとっての理想であり、目標。
レイジングハートが自分の手にある以上、彼女は丸腰であるし、
自分のように運良く、マッハキャリバーや、フェイトのバルディッシュが見つかる可能性は低い。
必ず再開して、レイジングハートを届けなければ。

ヴィヴィオ。
スカリエッティ一味にさらわれたはずの彼女であるが、
どう考えてもこの殺し合いで生き残れるとは思えない。
今まで生きていられたのだから、運良く優しい誰かに助けてもらっているのかもしれないが、
自分の目で確かめなければ安心できない。

セインの妹であるノーヴェも……まあ、感情はやっぱり納得できないが、
見つけたのなら共に行動するべきだろう。

そして忘れてはならない中尉の知り合いであるケロン軍人である3人。

中尉は、本当の教官の元で、理想を叶えられるよう精進しろといったが、
中尉も、今の自分にとって、尊敬できる存在で、
もはや、自分にとっての、慕える教官だ。
共にいた時間はとても短かったが、彼から教えてもらったことは、
そのわずかな時間に、たくさん詰まっていた。

彼とおなじケロン人で、軍人である彼らには、
中尉の生きざまを知らせる意味でも会いたい。会ってみたい。


(中尉の為にも、私の理想を追い続けるためにも……)

そのためにも疲労を押して、人を探し続ける。

自分の知り合いを、
中尉の知り合いを、
守るべき人を、
殺し合いに乗った、止めるべき人を。




道なき道を進み続けるスバルだったが、その体が突然地面へと傾く。


「……!!」


足もとに感じるデジャブ。そのまま倒れようとする身体。
しかし彼女は、身体が地面に接触する前にレイジングハートを持つ左手を前に突き出し、
転倒する身体をあえて前方に転ばせ、前転し、地面に足がついた瞬間、
即座にその場から飛び去り、木陰に隠れる。


二度同じミスは犯さない。
何が起こっても咄嗟に動けるだけの心の余裕は持ち合わせる。
中尉と一緒にいることで、身についた経験だ。


これはあの時の中尉の仕掛けた罠と同じ。
ということは、この付近に敵がいる可能性は高い。

あの時のようなミスは犯さず、すぐに体勢を立て直し、
同じ場所でたたらを踏むことなく、物陰に隠れることができた。

次に相手はどうでる?
質量兵器で襲ってくるか。
こちらの動きに、相手も動転してくれたか。
それとも、自分がこう動くことも既に読まれているか。


「レイジングハート! 敵は!?」


すぐさま、臨時の相棒になってくれている自分の上司のインテリジェントデバイスに問う。


『落ち着いてください、スバル。』
「……へ?」


臨戦態勢を整えていたスバルだったが、帰ってきた仮の相棒の言葉に、
気の抜けた返事を返さざるを得なかった。


『落ち着いて、あなたが転んだ原因となったものを見てください。』


言われるままに、木陰から慎重に姿を現し、自分がこけた場所へ移動する。
そこにいたのは、見覚えのあるもふもふとした生物。
中尉とともに戦ったリングで、レフェリーをしていた実況中トトロだ。
試合のルールを捻じ曲げたオメガマンに抗議し、
蹴り飛ばされてどこかに行ったが、こんなところまで飛んできていたとは。



『周囲の生命反応はそこにいる、実況中トトロしかありません。』
「…………」


それはつまり、これは敵の襲撃でも何でもなく、

ただスバルが倒れている実況中トトロに躓き、
ありもしない敵の姿に警戒したということだ。


何が心の余裕を持ち合わせるだ。
自分で冷静になったつもりでも、まだ中尉の死が自分を動転させていたようだ。

そもそも、本当に余裕があったのなら、罠とも言えないようなもので転ぶはずはなかったのだし、
レイジングハートに言われるまでもなく、実況中トトロの存在に気付いてもよかったはずだ。

さらに言えば、セイン達と別れて以降、ずっと走りずめで、
タッグマッチを終えたあとも、休むことなんてしなかった。
体力に自信はあるが、流石に疲労もたまっている。
休憩することも考えないと、もしまたオメガマンのような参加者に会ったとき、
対処する体力的、精神的余裕がなくて、殺されましたなんて話になったら、
中尉に立つ瀬がなくなってしまう。

失態は死。慌てて動いてもいいことなどない。少し、頭を冷やす必要もある。
ひとまず、大きく息を吸って、吐く。深呼吸だ。


『……落ち着きましたか?』
「うん、ありがと。レイジングハート」
『You're welcome』
「それで、この子、どうしよう……」

スバルは目の前の生物について思案する。
蹴られた衝撃か、気絶したまま覚まさない目、
蹴られて飛んで行く際、炎がかすめたのか、やや焦げている毛。
『もう試合終わってますよ!!』とかかれたプラカードを持ったままの手。
そしておもわずギュッと抱きしめて、もふもふとしたくなるようなフォルム。

だがその腹に当たる部分には、オメガマンの攻撃をもろにくらったと思える、
強烈な足の跡が付いており、非常に痛々しい。


『状況から、主催者と関係がある可能性は高いですが。』
「うん、それはわかってる……けど」


首輪をつけていないし、実況中トトロのリングのレフェリーであり、実況であり、観客であるという
立場を考えても、この殺し合いの主催者と何らかの関係があることは明白だ。
中尉もこの子を主催者の廻し者だと考えていたし。


それに、名前から参加者の名簿の中にいるトトロとの関係も気になる。
家族か何かだろう。きっと。
もしかしたら、トトロの方も、この子のことを探しているかもしれない。


この子がどうして主催者に従っているかは分からないが、
試合のルールにそって動き、
ルールを乱そうとしたオメガマンを止めようとした彼が、
悪い奴には見えない。


仮に悪い奴だったとしても、
このような場所で気絶しているこの子を放っておけるはずがない。
この子を放っておくことは、私の理想に反する。


「なんにせよ、この子の治療をしてからだね」
『All right』


故にスバルは実況中トトロをどうするかということを保留にすることにした。
この子が何を想って主催者に協力しているのか分からない。
その話を聞くためにも、この子が目を覚ますまで、この子の安全を守る。
それが今の私にできる、役割だ。そう考えよう。


「この子の怪我を治すためにも、休憩するためにも、ちゃんとした場所に行きたいけど…」


これからどうするか、もう一度考えてみる。

セイン達との決めごと通り、自分は東を回って、仲間を探す。それは変わりない。
だが街道を通ろうにも、途中の道は間もなく禁止エリアで封鎖され、進めなくなる。

そうなると、河と思われる場所を通らなければ、北には行けなくなる。
泳いで渡るという方法もあるが、後の影響を考えればできれば避けたい。

となれば、山道になるが北西に進んで採掘場、山小屋、ゴルフ場と進んでいったほうがいいだろう。
モールに人がいるかもしれないが、今の時間を考えると既に移動している可能性が高い。


スバルはデイバッグを開けると、そこに中トトロを半分入れる。
中トトロの顔だけが外に出るようにすると、それを背負い、再び走り出した。

【G-7 獣道/一日目・昼前】

【スバル・ナカジマ@魔法少女リリカルなのはStrikerS】
【状態】疲労(大)、ところどころに擦り傷、軽い火傷
【装備】メリケンサック@キン肉マン、レイジングハート・エクセリオン@魔法少女リリカルなのはStrikerS
【持ち物】 支給品一式×2、 砂漠アイテムセットA(アラミド日傘・零式ヘルメット・砂漠マント)@砂ぼうず、
     ガルルの遺文、スリングショットの弾×6、中トトロ(状態:気絶)
【思考】
0:ひとまずは採掘場を目指し、休息をとる。
1:中トトロの扱いは保留。ただし治療はしてあげたい。
2:人殺しはしない。なのは、ヴィヴィオと合流する
3:山を通って、人を探しつつ北の市街地に向かう (ケロン人優先)
4:セインにわだかまり
5:トトロが気になる
※参戦時期は第19話「ゆりかご」の聖王の揺り籠が起動する前です
※ガルルの遺文はケロン文字で書かれている為、ケロン人以外には読めません。
 以下の要項が書かれています。
 1:ガルルのスバルへの評価と安全性の保障
 2:ケロロ、タママ、ドロロへのスバルに対する協力要請

※中トトロの傷の程度は次の書き手にお任せします

時系列順で読む



投下順で読む


根深き種の溝を越えて (前編) スバル・ナカジマ 採掘場のヒロイン
中トトロ




| 新しいページ | 編集 | 差分 | 編集履歴 | ページ名変更 | アップロード | 検索 | ページ一覧 | タグ | RSS | ご利用ガイド | 管理者に問合せ |
@wiki - 無料レンタルウィキサービス | プライバシーポリシー