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彼の心乱せ魔将(後編)◆2XEqsKa.CM





私の発言に、古泉は大層驚いているようだった。
素早く朝比奈みくるから離れ、後ずさる。
この反応を見るだけでも、この男の動揺が読めると言うもの。
私が朝比奈みくるを殺そうとするとは考えられても、自分が仲間を殺せと命じられるとは考えていなかったらしい。
悪魔である私にとっては仲間を殺すことなど何も感じないが、超人ですらない古泉にとっては一大事と言うわけか。
だが、これをやってもらわなければ、古泉は私にとって"使える"領域にまで到底達しない。
仲間を平然と見捨て、自分の利益のためだけに生きる。それが悪魔だ。
アシュラマンを失った今、私には六騎士の欠員を埋めるための悪魔超人が必要。

それにしてもアシュラマンのやつめ、なんたる不敬。
超人墓場に行く前に私の前に顔を出すのが礼儀ではないのか!?
まあ、死んだ者の事などどうでもいいから、それは許してやるとしよう。

古泉はガイバーの殖装によって、既に人間の域を越えはしている。
もちろんノーヴェも候補に入っている。ノーヴェは聞けば生まれてそう時間の立っていない、子供のようなものだという。
古泉にせよノーヴェにせよ、これからの育成方針が将来を決めるわけだ。
古泉に関しては、無論奴自身に言った涼宮ハルヒ関連の懸念も解決しなければならない。
KSK団とか言う涼宮が奴に吹き込んだ謎の概念……これだけは、今叩き潰す必要があるだろう。
このゲームにおける何らかの重要な儀式を狙ってそういう物を設立した、とも思えるからな。
涼宮ハルヒが、死後に古泉の精神に直接介入したのはブタ面云々で裏付けが取れている。
そもそも古泉の妄想であれば、こんな面倒な事をせずにすむのだがな。まあ、念のためだ。


「何も驚くことはあるまい。お前のお仲間もやったことだろう? 」

「……! 」

「将軍! てっめぇ……! 」


ノーヴェが血気ばんで私に噛み付いてくる。
ワンパターンな奴だ。こいつを製造した里親の底の浅さが知れるという物よ。
だが、出来の悪い娘ほど可愛いという言葉もある。
こいつの教育は後回しだ。今は古泉に専念するとするか。
私はノーヴェを完全に無視し、古泉を更に責め立てる。

「古泉。お前はどういうわけか知らんが自分を偽って生きている。恐らくはこの島に来る前からだろうな。
 表情が作り物なのだ、お前はな。そこに付け込まれて、KSK団などという世迷言に惑わされたのだ」

「……いえ、僕は僕自身の意思で、KSK団を……」

「心にも無いことを言うな、古泉。お前は頭がいい男だ。本当はとっくに気付いているのではないか? 」

「何に、ですか」

「"お前に"だ、古泉。もっと言えば、歪められたお前に、だ。
 お前は猫の皮を被っているつもりが虱に寄生され、内側から肉質を変えられた哀れな狗だ。
 友情などと言う毒を何時まで飲み続けるつもりだ? いつまで騙される快感に酔っているのだ、お前は」

「……」

「涼宮ハルヒはもういない。いたとしても、この私が消してやる。私にとっては涼宮某などどうでもいい存在よ。
 お前の方がよほど、価値のある人間だ。それを思い知れ。思い知らせろ。一皮……剥けてみろ、古泉。
 涼宮と決別するのだ! 私が、お前の新しい神になってやろうではないか! 」

古泉の表情が、徐々に私好みに加工されていく。
ノーヴェからは見えていないだろうが、実によろしい。友情だの信頼だのを切り捨てた、真実の表情。
だが、その変化はすぐに止まる。……涼宮ハルヒの介入か? 友達思いで結構な事だ。

「将軍……僕はたとえあなたの仰る通り偽りの自分であっても、それを曲げるつもりはありません。
 歪んでいようと偽っていようと、僕は今ここでKSK団の成功を望んでいる、それは事実ですから」

「つまり、私の言うことは聞けない、と? 」

「はい。申し訳ありませんが」

「そうか……」


私は古泉にゆっくりと近づく。
ノーヴェがなにやら喚いているが、無視。
朝比奈みくるの脇に放り投げた自分のディバッグを引っつかみ、中からユニット・リムーバーを取り出して装着。
立ち上がって、水平にリムーバーを取り付けた腕を伸ばす。
リムーバーの先は、古泉に向いている。


「残念だ」

「……」



本当に残念だ。
こんな荒療治をしなくては、ならないとはな。
私はリムーバーを大上段に抱え、振り下ろした。


「ぷ、ぎゃっ」


カエルを叩き潰したような音が聞こえた。
朝比奈みくるの最期の声だ。
リムーバーで粉々に砕かれた朝比奈みくるの頭をチラリと見遣る。
仰向けに寝ていたせいか、美女といって差し支えなかった顔が見るも無惨に破壊されていた。
こういうギャップを楽しむ趣味はないが、鼻が口の奥辺りまでねじ込まれているのはなかなか面白い。
首輪は無傷か。やはり相当頑丈に作られているのだな。
古泉はまだ何が起きたのか理解していない。目を白黒させる直前、と言ったところか。
私はリムーバーに付いた脳漿と涙液と血を振り落とし、そのままの勢いでリムーバーを朝比奈みくるの腹部に突き刺した。
リムーバーの先端周りの総面積が朝比奈みくるの腹よりやや広い為、刺さるというよりは千切るといった感じか。
片肺側の皮と背骨で辛うじて繋がった朝比奈みくるを持ち上げ、リムーバーを起動させる。


散華。


生前は可憐な花であったその朝比奈みくるは、展開したリムーバーに伸ばされ、引き千切られ、数多の肉片と化した。
血の雨と臓腑の槍が、私を、古泉を、ノーヴェに降り注ぐ。
私は比較的大きい肉片と割れた頭部を拾って、中身を全て出した朝比奈みくるのディバッグに詰め、しっかりと閉じた。
べたり、と古泉の頬に肉片が張り付き、滴り落ちて僅かに開いた口の中に入る。
ノーヴェを見ると、放心したように、自分の体にへばり付く血と肉とヘドロを眺めていた。
この様子では、人間が死ぬのを間近で見るのは初めてのようだな。
古泉も同様らしく、気を失いそうな顔で私を唖然と見ていた。
感情を爆発させてからでは扱い辛い。私は古泉が言葉を発する一瞬前まで待ち、機先を制する。

「そんな顔をするな、古泉よ。悪魔はたとえ目の前で肉親が死んでも、戦い続けるのだぞ」



「――――は、悪魔じゃ――――」


聞き慣れない一人称で、始めて見る表情で、始めて触れる口調で、古泉が呟く。
私はその反応に満足し、言葉を重ねた。

「悪魔ではないか。ならばお前はなんだ。 そんな顔をする今のお前は、確かに悪魔ではないだろう。
 死者の為に生きるのか。死者を想って生きるのか。そんなお前は亡霊だ。何度でも言ってやる、亡霊なのだ。
 お前は亡霊だ。死者に縛られ、死者を振り返り、死者の意を汲む。KSK団々長? いいや違う。お前は、唯の――――」

亡霊、だ。
その言葉を聞き、古泉は静かに俯いた。
まあ……仕込みはこんなところだろう。
あとは古泉次第、か。
心配ではあるが、この男は強かだ。私の思うとおりに強くなるに違いない。
私はノーヴェに視線を飛ばし、行くぞ、と首で指示する。
ノーヴェは怯えたような表情だった。
強気だった先程までの性格は成りを顰め、あたふたしながら古泉を気にする。
古泉に近づき、言葉を交わそうとする。

「こ……」

「今僕に話しかけないで下さい。僕は――仮面を付け続けていられる、自信がない」

「う……」


古泉は、ノーヴェに対してはいつもどおりの口調で言った。
だが、その表情を真正面から見たノーヴェは会話を断念し、そそくさとその場を離れる。
私に着いてきたくはないようだったが、他に行き場が無いと判断したのか、少し離れて後を着いてきた。

木々の中に分け入り、ふと古泉に今後の指示を出していなかったことを思い出す。
振り返ってノーヴェに先に行くよう指で促し、古泉に叫ぶ。

「古泉! あの小僧の話ではモールにまだ仲間が残っていたらしい! お前はモールに行って、様子を見て来い。
 有能そうなものがいればリングまで連れてきても構わん。だが、下らん仲間意識にはもう期待せん事だな」

「……はい」

「私を失望させるなよ、古泉。亡霊から、悪魔になって見せろ」


それだけ言うと、私はノーヴェを追って森に入る。
さて……ウォーズマンとの対決を、楽しみに待つとするか。


ロビンマスクの仮面を付けて、炎で朝比奈さんの痕跡を全て消した。
別に碇シンジが戻って来た時のことを考えたわけではない。
ただ、自分が肉片と血を見るのが嫌になっただけだ。
森に燃え移らないように配慮しながら全ての痕跡を消すまで、五分とかからなかった。
ふと、視界に朝比奈さんの物だと思われる首輪が入る。
見れば、内側には「mikuru」とローマ字で書かれていた。

「これは何かの役に立つかもしれませんね。持って置きましょう」

自分の口から聞こえる声が、無感情だな、と思った。
一体自分は、何故こんな目にあっているのか。
涼宮ハルヒの遺志を継いだだけだというのに。
悪魔将軍のせいだとは思いたかったが、それだけとは思えなかった。
彼の言い分にも、一理はあった。真実を射ていないともいえないだろう。
自分は、本当は何がしたいのか。
それを考えさせられる機会を与えられただけだ。
だが、今、この口から出る言葉だけは。

「……畜生」

涼宮ハルヒにも、悪魔将軍にも、止められない。
そう思った。


【朝比奈みくる@涼宮ハルヒの憂鬱 死亡確認】
【残り37人】

【D-07 森/一日目・昼過ぎ】

【古泉一樹@涼宮ハルヒの憂鬱】
【状態】、ガイバー状態、精神的疲労(極大)、強い迷い
【装備】 ガイバーユニットⅡ
【持ち物】ロビンマスクの仮面(歪んでいる)@キン肉マン、ロビンマスクの鎧@キン肉マン、デジタルカメラ@涼宮ハルヒの憂鬱、ケーブル10本セット@現実、
     ハルヒのギター@涼宮ハルヒの憂鬱、デイパック、基本セット一式、考察を書き記したメモ用紙
     基本セット(食料を三人分消費) 、スタームルガー レッドホーク(4/6)@砂ぼうず、.44マグナム弾30発、
     コンバットナイフ@涼宮ハルヒの憂鬱、七色煙玉セット@砂ぼうず(赤・黄・青消費、残り四個)
     高性能指向性マイク@現実
【思考】
0.  ど  う  す  れ  ば  い  い  ん  だ  。
1.団長命令に従い、キョンを止め、参加者を殺し合いから救う?
2.モールを探索して他の参加者を捜し、団員を増やす?
3.地図中央部分に主催につながる「何か」があるのではないかと推測。機を見て探索したい。
4.みくる、キョンの妹と合流は一時保留? 朝倉涼子は警戒。
5.午後6時に、採掘所でキョンと合流? 時間を前倒しして接触するか検討中。
6.長門有希の意思が気になる。デジタルカメラの中身をよく確かめたい。
7.悪魔将軍とは今後も情報交換を行う?


※ガイバーに殖装することが可能になりました。使える能力はガイバーⅢと同一です
※悪魔将軍が殺し合いに乗っている事を認識しています。
※ほんの僅かながら、自分の『超能力』が使用できる事に気付きました。
※『超能力』を使用するごとに、精神的に疲労を感じます。
※ノーヴェの知り合いと世界観について、軽く把握しました。
※悪魔将軍から知っている超人と超人の可能性がある参加者について話を聞いています。
※メモ用紙には地図から読み取れる「中央に近づけたくない意志」についてのみ記されています(文中参照)。
 禁止エリアについてとそこから発展した長門の意思に関する考察は書かれていません。
※ロビンマスクの仮面による火炎放射には軽度な精神的な疲労を伴いますが、仮面さえ被れば誰にでも使用できます。


「……ムハ~。逃げ切れたようですな」

「……ええ」

ハムと夏子は、追っ手が来ないことを確認し、ジェットエッジの機動を止めた。
なんともいえない空気が二人を覆い、会話をなくす。
仲間を見捨てて逃げた――その現実が、重く圧し掛かっているかのように。

「すべては我輩の独断です。夏子さんはお気になさらぬよう」

「いえ……的確な判断だったわ。私でも同じことをしていたでしょう。でも……」

「でも? 」

「やり切れない、わね」

「……ムハ。まったくです。しかし、奴等はみくるさんに用があった様子でした。生きている可能性もありますぞ」

「シンジ君が、私達を売ったのかしら」

「みくるさんだけが標的だったようですがな。まあ、被害を被ったのは我々全員ですが」

「……甘すぎたのね、私は。まだ」

「お気になさらず」


ハムは表面上は落ち込む夏子を励ましていたが、内心では至極冷静だった。

(……こりゃ、しばらく立ち直れそうにありませんなぁ……いいお仲間でしたが、あるいはお別れすることも……)

ハムが周囲を見渡す。
ゴルフ場のようだった。

(期せずして、市街地には近づけましたが……みくるさんがいなくなっては……)

悩むハム。
彼はどのように動くのだろうか。
今だ、未定である。



【B-08 ゴルフ場/一日目・昼過ぎ】

【川口夏子@砂ぼうず】
【状態】疲労(中)、落ち込み
【持ち物】デイパック、基本セット(水は補充済み) 、ビニール紐@現実(少し消費)、コルトSAA(5/6)@現実、.45ACL弾(18/18)、夏子とみくるのメモ
【思考】
0.何をしてでも生き残る。終盤までは徒党を組みたい。
1.シンジとみくるに対して申し訳ない気持ち。みくるのことが心配。
2.市街地に向かいパソコンとシンジの知り合い(特にアスカ)を探す。
3.ハムを少し警戒。
4.力が欲しい。
5.水野灌太と会ったら――――
6.シンジに会ったら、ケジメをつける

【備考】
※主催者が監視をしている事に気がつきました。
※みくるの持っている情報を教えられましたが、全て理解できてはいません。
※万太郎に渡したメモには「18時にB-06の公民館」と合流場所が書かれています。

【ハム@モンスターファーム~円盤石の秘密~】
【状態】疲労(中)、少しの擦り傷
【持ち物】 基本セット(ペットボトル1本、食料半分消費)、ジェットエッジ@魔法少女リリカルなのはStrikerS
【思考】
1.夏子達に同行し、市街地に向かう。でも危なくなったら逃げる。
2.頼りになる仲間をスカウトしたい。
3.シンジの知り合い(特にアスカ)を探し彼の説得と保護を依頼する。
4.殺し合いについては……。

【備考】
※ゲンキたちと会う前の時代から来たようです。
※アシュラマンをキン肉万太郎と同じ時代から来ていたと勘違いしています。
※スタンスは次のかたにお任せします。仲間集めはあくまで生存率アップのためです。


「ハァッ……ハァッ……」
息遣いが、森に響く。
走るのは、碇シンジ。
彼は後悔していた。
浅はかに朝比奈みくるを疑ったことを、今まで彼女にしてきた行為を。


(ごめんなさい……みくるさん、ごめんなさい……)


ならば、彼は彼女を助けるため、悪魔との契約を遂行するのだろうか。


(ごめんなさい……みくるさん、ごめんなさい……! )


否。

彼は後悔以上に、恐怖していた。
死に直面し、"生きたい"と願ったシンジは、再びあの恐怖に立ち向かうことなどできなかった。
疾走は、逃走。
悪魔将軍の事を、忘れたかった。

「みんな、みんな怖いんだよ……僕には無理なんだよ……ごめんなさい……ごめんなさい……」

誰にも聞こえない謝罪。
シンジは、贖罪を放棄し、走り続ける。
みっともなく生きる為に、美しく。


【E-06 森/一日目・昼過ぎ】


【碇シンジ@新世紀エヴァンゲリオン】
【状態】疲労(大)、左肘に銃創、恐慌状態
【持ち物】デイパック、基本セット(水は小川で補充済み)
     護身用トウガラシスプレー@現実、木の枝、ポケットに石を数個
【思考】
0.悪魔将軍から逃げる。
1.死にたくない。独りになりたくないが、誰も信用できない。
2.すべての人間への疑心と恐怖。
3.アスカと合流したい?
4.優勝したらカヲル君が――――?
5.もう超人には関わりたくない



【備考】
※現在地の正確な位置は判っていませんがE-07かE-08のどちらかだろうと思っています。
※聞き逃していた禁止エリアの情報を知りました。
※地図の裏面には「18時にB-06の公民館で待ち合わせ、無理の場合B-07のデパートへ」と走り書きされています。




「……あの小僧のディバッグに私が預けた食料を入れてやっていたな、ノーヴェ」

「わりいかよ。どうせ食わねえんだ、かまわねえだろ」

「そうだな。……まだ落ち込んでいるのか? 」

「るっせえな……セインが死んだんだ、当たり前だろ。チンク姉になんていやいいんだよ……」

悪魔将軍とノーヴェは、森の中を方向もはっきりさせずに歩いていた。
ノーヴェの気晴らしの為の行動である。
10分ほど歩けば、動転したノーヴェも随分と落ち着いていた。
その代わりに、一度は飲み込んだ姉妹の死を、深く考えてしまうことになったが。
目の前で無惨に古泉の仲間を殺した悪魔将軍への怒りを、飲み込むように。
悪魔将軍との幾度もの手合わせで、ノーヴェは自分の怒りを少しづつ制御出来るようになっていた。
何も考えず、闇雲にかかっていくことの無意味さを、知ったというべきか。
あるいは……矛先を変える知恵を付けた、か。

「セインを殺した奴は、絶対に許さねえ……あたしが、この手で殺してやる」

「そやつの居場所は私があと1人適当な奴を殺せば、放送時の参加者の位置で大体予測できるだろうな」

「……いいよ。自分で探すさ」

「しかし、相手がお前の上位機種だったらどうするのだ? スバル何とか……と言ったか」

「上位機種って言うんじゃねえ。一度負けただけだ。あいつだろうがエースオブエースだろうが関係ねえ。
 セインの敵は、あたしが討つ。だから、てめえについてきてやってんだ。強くなる為にな」

「ふん……殊勝な心がけだな。いいだろう。リングに着いたら、とっておきの悪魔技を仕込んでやる。地獄の九所封じをな」

「チッ……ゼクトールの野郎も、タイプゼロセカンドも、主催者も、どいつもこいつも、蹴り倒してやる。見てやがれ……! 」

悪魔将軍は適当に相槌を打ちながら、一冊の本を読んでいた。
シンジが落としたものなのだが、男と男が絡み合う官能小説だ。
暗号でも隠されているのかとじっくり探したが、一見何も無い。
興味を無くし、本を放り投げる悪魔将軍。
本はノーヴェの顔面にぶち当たり、ノーヴェの機嫌を一回り悪くする。
ノーヴェは本を手でキャッチして、異臭に気付いた。

「なにしやがる……そういや、なんでみくるの……アレを、持ち歩いてんだ、てめえ? 」

「あの小僧が頑張って第三回放送までにウォーズマンを探し出して来たときに――――」

悪魔将軍の表情のない仮面が、ニヤリ、と歪んだ気がした。

「返すものが無くては、可哀想ではないか」

「……てめえも、いつか蹴っ飛ばす」

ノーヴェが、不快感を露わにして、悪魔将軍を睨みつける。
だが……彼女は、気付いていないのだろうか。
悪魔将軍に対して、僅かに、僅かに抱いている、感情に。
それは――憧憬、とも呼べるもの。
気付いているのだろうか。
ノーヴェの下腹部に眠る何かが。
悪魔将軍という『絶対悪』に、共鳴しているのだと。




古泉と別れて十数分。
ノーヴェの為に森をぶらぶらして気分転換を図っているが、まったく退屈だ。
ノーヴェの単純な言葉に適当に相槌を打ちながら、私はこのゲームの真実について心を巡らせていた。


(監視――盗聴。ないはずがない。だが、それはどういう手段だ? )


定点カメラ。
否。
かなり島を歩き回ったが、そんな物はまるで見当たらなかった。


首輪に備えられている。
否。
カメラがついていればいかに極小でも気付く。
ノーヴェや古泉の首輪を四方から見たが、それらしき物は無かった。
盗聴器は、どうか分からないが。


参加者、あるいは現地生物の中に主催者の回し者がいる。
それなりに、可能性はある。
黒幕が涼宮ハルヒだった場合でも、そうでない場合でもだ。
古泉から聞いた長門の能力ならば、生物の目をカメラとして改造することも可能だろう。
参加者全員の体自体が監視、盗聴の道具とされている可能性もあるが、そうならば反逆はかなり難しい。
希望的観測は好きではないが、監視と盗聴に適した生物が"偵察員"に選ばれているとすれば……。
それは、どういった生物だろうか。



『ヴォオオオオオオオオオーーーーーーーーーーーー!!!! 』


「な、なんだぁ!? ってうおっ! ありゃあ……」

「古泉の言っていた……むう……MO・NO・NO・KE……」


怪物の声が、私とノーヴェに届いた。
周りを見渡せば、それは山小屋の前にいるようだ。
凄い勢いでジャンプし、山小屋を揺らしている。
怪物の周りには、ぞろぞろと他の怪物が。

「……」

巨体。
超人でも驚くほどに巨体。
あの大きさならば、島のかなり広い範囲を見渡せるだろう。

「……」

俊敏そうな、狼。
島のあちこちを駆け回っても、ほとんど疲れることはあるまい。

「……」

竜。
巨獣のカバーしきれない場所を、見渡せるだろう。


なるほど。そういうことか、主催者共よ。
確かにあれほど監視に適したチームはいまい。
目立ちすぎるのが難点だがな。

「えーと……どうするんだ、接触……すんのか? 」

「いや、まだだ。奴等とまみえるのは……恐らくは、このゲームの終盤も終盤だろうな」

「うん。あたしもぶっちゃけあんまり関わりたくねえ」

悪魔将軍は、踵を返す。
意外な収穫を胸に。
来る、収穫を楽しみに。



【D-7 森/一日目・昼過ぎ】
【悪魔将軍@キン肉マン】
【状態】疲労(小)
【持ち物】 ユニット・リムーバー@強殖装甲ガイバー、ワルサーWA2000(5/6)、ワルサーWA2000用箱型弾倉×3、
     黄金のマスク型プロジェクター@キン肉マン、ディパック(支給品一式、食料ゼロ)、
     朝比奈みくるの死体(一部)入りディバッグ
【思考】
0.他の「マップに記載されていない施設・特設リング・仕掛け」を探しに、主に島の南側を中心に回ってみる。(古泉が戻るまで保留)
1.古泉とノーヴェを立派な悪魔超人にする。
2.湖畔のリングでノーヴェを鍛える。
3.強い奴は利用(市街地等に誘導)、弱い奴は殺害、正義超人は自分の手で殺す(キン肉マンは特に念入りに殺す)、但し主催者に迫る者は殺すとは限らない。
4.殺し合いを主催者達も混ぜ、更に発展させる。
5.強者であるなのはに興味
6.シンジがウォーズマンを連れてくるのを待つ

※涼宮ハルヒがこの一件の黒幕ではないかと考えています。
※トトロたちを主催者達の監視カメラ代わりだと思っています。(真偽は不明)



【ノーヴェ@魔法少女リリカルなのはStrikerS】
【状態】 魔力消費(小)、不機嫌
【持ち物】 小説『k君とs君のkみそテクニック』
【思考】
0.仲間を探し、主催者を蹴っ飛ばしに行く。
1.ヴィヴィオは見つけたら捕まえる。
2.とりあえずは悪魔将軍を利用して強くなる。
3.親友を裏切り、妹を殺そうとするキョンを蹴り飛ばしたい
4.タイプゼロセカンド、ゼクトール、いずれは悪魔将軍も蹴っ飛ばす。
5.ジェットエッジ欲しい

※悪魔将軍が殺し合いに乗っている事を認識しています。
※フェイトを殺した悪魔将軍の実力に一目置いています。
※名簿を見たため、知りあいについて把握しました。
※第一放送の内容(死亡者と禁止エリア)について、古泉から聞いたので把握しました。
※古泉のハルヒを除く知り合いについて、簡単に理解しました。
※参戦時期は原作の第18話~第21話の間と思われます。





『ヴォーーーーーーーーーー!!!!! 』

巨獣、よ。
あなたは怒って、いる、のか、悲しんで。いるのか。
巨獣トトロ。よ、あなた、は、なぜ、暴れて。いるのか。
恐れて。いる、ぞ、恐れ。ているぞ。
足元の小さい。友達も。
空を。飛、ぶ友、達も。
助。言者、も。


何をそ、んなに、猛っている。
義憤か、興。奮か、劣。情か。
あなたは何を。見て。いるのか。
その暗。黒の瞳で。
その大きな瞳。で。
何を、見て、い、るの。か

何を。何を?何を、何を、何を何。を誰、に?。
カナ、ブンの、私に。は、わか、らない。

そ、れ。


は。

あな、たの、目に、映っ、ている、。もの。は、




何?







【D-7/山小屋前/一日目・昼過ぎ】
【名前】トトロ@となりのトトロ
【状態】頭部にでかいたんこぶ、左足の付け根に軽い火傷(毛皮が焦げている)、腹部に中ダメージ 、???
【持ち物】ディパック(支給品一式)、スイカ×5@新世紀エヴァンゲリオン、古泉の手紙
     フリードリヒ@魔法少女リリカルなのはStrikerS、ケリュケイオン@魔法少女リリカルなのはStrikerS
     円盤石x(2/3)+αセット@モンスターファーム~円盤石の秘密~、ライガー@モンスターファーム~円盤石の秘密~
【思考】
1:誰にも傷ついてほしくない
2:キョンの保護?古泉の手紙を渡す?
3:????????????????



※ケリュケイオンは現在の状況が理解できていません
※D-7の山小屋に再生の神殿が登場しました。ただしこれ以上は合体しか行えません。
※少なくともあと二つ、どこかに再生の神殿が隠されているようです。



時系列順で読む


投下順で読む


悪魔と戦闘機人と学生と(後編) 悪魔将軍 復讐者と悪魔の出会い
ノーヴェ
古泉一樹 古泉一樹の戸惑
少年いずくんぞ獣人の志を知らんや 朝比奈みくる GAME OVER
川口夏子 情報を制する者はゲームを制す?(前編)
ハム
碇シンジ Dies irae / まいご
キングもふもふはなかまをよんだ! トトロ





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