ヴェロ ◆40jGqg6Boc



二回目の定時放送。
無機質な音声によって行われた、簡潔過ぎる内容。
読み上げられた内容――12名の参加者の名前、追加された禁止エリアの二点。
どちらも参加者にとっては重要な事柄。
命を落とす可能性――禁止エリアを知る事で、その確率を少しは下げる事が出来る。
そして12名の男女の名前――新たな死者/神に見放された者達/物言わぬ脱落者達。

何を思っただろう。
彼ら彼女らは死の間際に一体何を。
答えの出ない疑問。
否、答える者も答えられる者も居ない――所詮、意味を持たない問いかけ。
そう、必要ないのだ。
理由を知りたいと思えども、知ったところでそれをどうする事も出来ない。
死に絶えた者はもう戻っては来ない。
覆せない自然の定理。

死者の事を振り返る暇があれば、先ず己の状況を打開する。
油断は出来ない――死と隣り合わせのため、用心に越した事はない。
彼もそう考え、振舞うつもりだった。
冷静に、極めて冷静に――心を静めて。
赤い戦士――彼を簡単に称するならその表現で事足りる。
仮面ライダー/力と技の戦士/V3――彼の名は仮面ライダーV3。
この殺し合いでもかなりの実力者である彼は一台のバイクを走らせていた。



そう――ある男と出会うまでは。



「――グッ!」

赤い影が地面に倒れ込む。
背中からしたたかに打ちつける。
辛うじて受け身を取り、同時に白いマフラーが塵を纏う。
黄緑色の複眼、赤と白の仮面の異形――V3がくぐもった声をもらす。
言葉の次に飛び出たものは――赤い雫。
鮮血が自身を汚す――明確な合図/擦り減った証拠――V3の命の灯が、確実に。
見ればV3の全身には不規則な傷痕が見える。
打撲痕/弾痕――V3と対峙する者により刻まれた産物。


「強い……ガハァッ!!」


一声。
再び後方にV3の体躯が吹き飛ぶ――其処に長く伸びたものを残して。
それはV3の身体を蹴り飛ばした張本人。
今現在、V3と戦闘を行っている者が叩きこませた右足。
そう、彼は――一眠りすらも許されない存在。
エリート空挺部隊員/証人保護プログラム所属構成員/委任事件捜査官――かつての、今の肩書き。


そして一つの――“虚無”


「ディムズデイル、ボイルド……!」


V3が吐いた言葉――ディムズデイル・ボイルド。
それが彼の名前だった。

◇     ◇     ◇



「久しぶりだな、ボイルド」

PDAをチンクに預けてしまったため、放送を聞き逃してしまったがそれどころではない。
V3は言葉を口にする――対象は目の前の男。
真っ黒なコート。少し汚れが見えるが大した差異はない。
以前戦った時と何も変わらない。
強靭な四肢にも欠損はない――男/ボイルドがこの殺し合いを順調に生き抜いた証。
ボイルドの反応を油断なく窺うV3。
返ってきた言葉。それもまたあの時と良く似た問いかけ。

「……ウフコックを見なかったか?金色の――」
「知らんな」

介入。ボイルドの言葉の流れを押し止める。
まるで自分との再会よりも、ウフコックという存在の方へ気が向いている様子。
お前など眼中にない――冷たい視線がそう言っているように感じた。
良い気はしない。
しかし、同時にV3は思う――何者だ、ウフコックとは――と。
以前の会話で得た情報――金色の鼠/様々な武器に変わる/想像しがたい存在。
ボイルドが欲する理由。やはり己の武器として利用するためか。
そこにはどんな関係が待っているのか。
一方的に使役するのか/互いに身を預け手を取り合うのか――疑問が過る。
ぐるぐると一瞬の間に――永遠とも取れるような時間の中で。V3は思考を張り巡らす。
その答えを探ろうと次の言葉を紡ごうと口を動かす――が、遅い。

「そうか、ならいい」

既にボイルドの両腕には黒光りする銃が握られている。
弾けるような音――咄嗟に身を飛ばす赤い影――V3は後ろへ跳び退く。
想定内の事態/最悪の状況/半ば決まりきっていたような展開――V3は小さな舌うちをうつ。
やはりこうなったか。
再び地に降り立ったV3はそう思いながら、眼前を見る――銃口と視線が合う。
冷たい――酷く冷徹なものに見える窪みの先にはボイルドの表情。
依然、V3は気づかない。ゆっくりとボイルドが口を開く。

「始めよう、化け物(モンスター)……化け物同士の戦いを」

以前とは違う何かを――ボイルドの瞳が映し出していた事に。

◇     ◇     ◇

ボイルドは感触を確かめる。
両の銃のグリップを掴むように握る。
今しがた力を込めて放った右足による蹴り――結果はV3の身体を後方へ飛ばした。
十分な手応え。既に何発かの拳骨や銃弾は加えている。
更に追撃と言わんばかりに左の引き金を絞る――銃弾が躍るように飛び出す。
螺旋状に進む二つの塊――眼が回ってしまいそうな回転。
弾丸の軌道を眼で追う最中、ボイルドは感知する。
V3――己と相対する者が呟いた言葉。
“デイムズデイル・ボイルド”――己の名前/何故この場で呟く必要があるのか――わからない。
同時に何故か胸の奥底で疼くものが一つ――その理由もまた理解出来ない。
どうでもいい――強引に結論づけ、再び戦場の空気に身を晒す。
横っ跳びに銃弾を避け、そのままスクラップの山に飛び込むV3を追う。
そこでボイルドはまた気づく。戦いの場がゴミ処分場へ移った事を。
V3の目的の一つの達成の瞬間。ボイルドに知る由はないが知っていても同じ事だっただろう。
今のボイルドにとって、戦場の変化などどうでも良かったのだから。

油断はない。
しかし、ボイルドは自分の反応が遅れていると感じる。
再び引き金に掛けた指に力を――そんな事はない、誰かにそう言うように。
だが、不思議と自信が湧かない。本当にそう言えるのかが。
段々と否定の感情すらも薄れゆく――それがどうした、と――逆に開き直る程に。
目の前に広がる現実に意識を戻す。
銃弾が散乱したゴミくずを宙へ散らす。V3は容易に近づけない。
デザートイーグル、ハカイダーショットの弾幕がV3を容赦なく狙う。
その事がV3の侵攻を防ぐ――わかっている、ボイルドにはわかりきっている。
故に彼は興味を見せない。

否、その事実を隠れ蓑にしてボイルドは目の前に事に対し、気を逸らす――自分が今、抱いている葛藤を。
再び意識の波が逆流する。現実をかけ離れ、己の世界とも言うべき海に身を委ねる。
自分が未だに振り解けない。事実という鎖の呪縛が焦げ付きとなり、忘れられない。
V3と戦っているのではない。
ボイルドは戦っていた――数十分前に聞いたあの名前が現実であるという、覆せない事実に対して。
二挺の銃を握り、たった一人で。

(ルーン=バロット……)

声には出さない。
心の奥底で静かに呟く――ルーン=バロット/放送で呼ばれた名前。
年端もいかない少女/自分のフロートを喰い開けた存在/ウフコックの新たな使い手。
そして――自分の同族とも言えた――地に舞い降りた天使。
そう、天使だ――最期の最期に、自分に眠りを与えてくれた少女。
悲しい――自分はそう思っているのだろうか。
ボイルドは己に問いかけ――いつまでも答えが出なかった。

ビジョンが浮かぶ。
過去の記憶が脳裏にフラッシュバックする。
薄れゆく意識の中、あの時、視覚した彼女は確かに頷いた。
ウフコックの抜け殻/以前、彼が変身(ターン)した銃を携え――虚無を振りまくために存在した自分。
対するバロット――ユニバーサルウェポン/紛れもないウフコック自身/かつて温もりを与えてくれた鼠と共に。
懐かしさのようなものを噛み締める。同時に思い出す。バロットの事を。
バロットもまた、以前の己と同じくウフコックの力に溺れた。
しかし、克服。再びウフコックとの道を選んだ。
彼との関係を崩す事なく――かつての自分には為し得なかった事。
再びウフコックを手にし、/ドス黒い感情をぶつけきるまで/思うままに――それは以前の己。
殺戮に身を任せたい衝動に負けた自分では無理だった。
確かな落胆――バロットと自分との共通項がなくなった瞬間。
もう一つ――バロットを“一度殺した”男/シェル・セプティノス/かつての己の雇い主。

だが、バロットは彼を殺そうとはしなかった。
きっと煮え切らぬ想いを抱えていたにも関わらずに――やはり自分とは違った。
大きな落胆。しかし、ボイルドは確信を持つ。

再び意識をあの瞬間へ――最後の戦場であった筈の戦い/バロットとの最後のダンス。
自分に対し、磁気干渉能力(スナーク)で挑むバロット――モンスター。
最高の兵器/金の卵/ウフコックを操り、全てを感覚する存在――持ちすぎた力。
自分と同じく手に余る力を持った存在。故に密かな期待。
漸く出会えた仲間。自分に充実感を与えてくれた同族――奇妙な高揚感があった。
血液が沸騰するかのような感情。不思議と悪くはない。寧ろ――良かった。
銃を撃つ/フロートを行使する/スナークが襲い来る/――動作の一つ一つに対して、湧き上がった確かな実感。
永らく忘れていたあの想い――充実感が己を支配した。
バロットとの戦い、あれこそが自分の終着点――絶大な自信により裏付けられた判断。
あれ以上の場所はなかった。

だから、自分はあの時告げたのだ。
眠りすらも奪われた自分を漸く眠らせてくれたバロットに――感謝の意を。
今でもあの言葉には偽りはない。
最高のパートナーに思えたウフコックとバロット。
かつて自分が居た立場に、しっかりと組み合ったバロットを――羨ましいとさえも思った。
そう、だから同時に思った。
彼女さえ居なければ/この場で先に手に入れれば、自分が立てるかもしれない。
もう一度、ウフコックを使う――いや、濫用出来る立ち位置に。
そう思った、思った筈だった。

(――なんだ?)

しかし、ボイルドは疑問を抱く。
バロットの死により、確実にそれが現実味を帯びた現状にも関わらずに。
舞い降りたチャンス/もう一度ウフコックをこの手に――望みが変わる事はない。
だが、何かが足りない。果てしなく、同時に直ぐ近くに答えがあるような感覚。
たとえウフコックを力づくで手にしたとしても。
何か、ぽっかりと穴が空いた喪失感。
ごっそりと何かが抜け落ちたようなこの感覚を――本当に埋められるのか。
――わからない、思わず己自身に疑問符を投げ掛ける程に、疑問の根は深い。
それどころか自分が何故こんな事を考えているのかも――理解出来ない。
答えを探すかのように周囲を見渡す――否。
視覚の完了を認識すると共に腰を落とす。
瞬間、ボイルドは声を聞いた。


「トオオオオオーッ!」


V3への次なる対応を求められる、合図を。


◇     ◇     ◇


同時に視線を向ける。
確かに聞こえた叫びの発信源――V3の姿をボイルドは確認。
銃弾の雨を掻い潜り、此方へ向かってくる。
残骸がまばらに散った地を蹴り飛ばし、距離を詰めてくる。
疾走――ではなく、寧ろ飛び掛かってくる様にV3が動く。
同時に右腕を振り上げて、渾身の一撃を打てる体制を取って――V3とボイルドの目線が再び合う。
見えない火花。もしそんなものがあればきっと彼ら二人の間で生まれたことだろう。
一瞬にしか過ぎない時間でも十分だった。
互いの視界に映る男――今、自分が闘わなければならない相手を確認する。
表情には見せない。無言の合図――どちらかが倒れるまで
程度の差はあれどV3とボイルドの意思は相似したものだ。
やがてV3の右拳が空をきって走る。

「――V3パンチッ!」

V3が叫ぶ。右の拳を力の限り叩きつける――V3パンチ。
白いグローブに覆われた拳がボイルドの顔面へ飛び込む。
対するボイルドは動きを見せない。只、ボイルドは――イメージした。
己の四肢、そして脳に移植された禁忌の技術。
楽園――一部の人間からそう呼ばれた機関/ボイルドに新たなキャリアを齎した力。
両の銃の銃身を下げ、その力の発現に神経と集中を注ぐ。
容易い動作――V3パンチに遅れる事なく絶妙なタイミングで放つ。

「……無駄だ」

呟くのはボイルド。
V3パンチを悠然と眺めて言葉を零すボイルドの周囲に“何か”が浮かび上がる。
実際に目に見える形はない。言うなれば不可視の――盾。
そう、盾だ。重力を操作し己の都合の良いものを造り出す。
重力装置――“フロート”によって生じた障壁がV3の拳を受け止めた。

以前の戦闘でV3の力は良く知っている。
結論――出来るだけ、近接戦闘行為は避ける。故にフロートは防御に専念。
衝撃が走る。水面に小石を投げて広がりゆく波の動きのように――余すことなく盾の上を駆ける。
遂にはV3パンチの侵攻を完全に押し殺し、盾は衝撃を受け流す。
咄嗟にボイルドは腕を突き出す――右腕、大口径の銃/ハカイダーショットを握った腕がV3を向く。
至近距離/逃げる距離はないクロスレンジ/絶対の一撃を撃てる状況。ボイルドは見逃さない。
しかし、V3に驚いた様子は見えない。
何故ならV3は既に知っている――フロートの力を、その強大さを。
故に予想出来た。デストロンを始めとした数々の組織と戦った経験を糧に。
V3は――跳んだ。

「そこだ!」

同時。ハカイダーショットの銃口が向いた瞬間――V3の姿は最早其処に居ない。
片腕を支えにして、V3の躯体は宙に浮いている。
V3パンチを突き刺した腕。伸ばした右腕をフロートの壁へ向かって開く。
幾重にも覆われた重力の膜を剥ぎ取るように――力強く掴む。
同時に身を捩じる。潜り込ませるように、寸分の狂いもなく冷静に。
両脚を向けて蹴り込む――とある一点を狙い打つように。
両腕で身体を支え、反動を利用してV3が狙うは一つの穴だ。
絶大的な力を誇るフロートの唯一の弱点――銃撃の際に生じる歪。
フロートが干渉しない部分が生じたと共に、V3は両脚を叩き込む。
挙動は速い――ハカイダーショットの引き金が引かれるよりも、より速く。
握りしめたボイルドの右腕ごと蹴りつけ、ハカイダーショットは彼の腕から離れる。
フロートによる再展開は間に合わず。カランと、たった今まで持っていた銃が転がる音を聞く。
電撃ような痛みをボイルドは感知――僅かに表情が歪む。その変化に隠された真意は未だ闇の中に隠れる。
完全に勢いが乗っていなかったとはいえ、改造人間が放った蹴撃――強烈な一撃。
ハカイダーショットが衝撃を幾分吸収したにも関わらず、その感覚は依然とこびりつく。
格闘戦ではV3の方に利があると判断したのだろう。以前の戦闘によるボイルドの推察。
痛み/悔しさ――それらを考える間もなく、ボイルドは後ろへ身を飛ばした。
V3の追撃の拳を今度こそフロートの盾で防ぎながら――疑似重力。自らに備わった力で己の身を動かす。
自身の身体に絶えず掛かる重力の向きを操作――左腕を翳し、V3が掴んだフロートの一部を弱めながら。
ボイルドは距離を取る。デザートイーグルの銃口が真っ直ぐV3の方へ向く。

「止まらない、この程度では」

ボイルドから言葉が洩れる。
引き金を引くといった、既に慣れきってしまった行為を行うように――極々自然に。
デザートイーグルの銃弾が発射――後続が続き、計三発の弾丸が飛ぶ。
フロートの壁による支えを失い、着地したV3。三つの銃弾と向き合う。何らかの動作を求められる。
一瞬。悠長に考えている時間はない。V3が右腕を薙ぐ――真横に、力強く。
弾け飛ぶ音が響き、地面を跳ねる/黒々とした銃弾が奏でるリズム/静かな音が生まれる。
時を同じくしてV3の右腕からも零れる――それは小さな赤い群集。銃弾が擦れた事による裂傷。
右腕の勢いに引っ張られ、V3の周囲一帯所々に赤い粒が広がる。

だが、気には留めない。V3もそしてボイルドさえも。驚きといったものはこれっぽちも顔を見せない。
V3が己の腕一本で銃弾を薙ぎ払った事が、さも当然であるかのように振舞っていた。
再び双方は互いの顔を見る。
この殺し合いがなければ出会う事はなかった両者――運命のようなものを感じる。
そんなつまらない感想を抱く程、甘い感情は共に持ち合わせていない。
決着をつける――譲れない想いをぶつけ合う事だけが唯一の望み。
互いに一歩も動かない最中、やがて口を開く。

「どうした、モンスター。見せてみろ、お前の力を」

低く響く声。それは意外にもV3ではなく、ボイルドの方。
口数は多い方ではない。かつての事件を境目に感情の殆どを失ったボイルド――故に解せない。
ボイルドにとってV3は倒すべき存在でしかない。
よって意味がない。V3と必要以上の言葉を交わす事になんら有用性は見出せない。
ボイルド自身も疑問に感じている。しかし、構わず声を発する。
重力操作を行えば自分の手元に戻すことぐらい造作ではないだろう。
だが、それもまたボイルドは行わない――ハカイダーショットは未だに持ち主の手の中にない。
行動の理由――不明、わからない。ボイルド自身またしてもわからない。
只、ボイルドは自分が、半ば反射的に言葉を紡いだ事だけを確かに感じた。
V3との距離が離れた瞬間――言いようのない感覚を襲った。
何かを失う――以前、経験した事があるような錯覚が頭から離れない。
正体を探る。V3の動向に気を配りながらボイルドは思考を走らせる。
しかし、答えが出る間もなくボイルドの意識に中断が訪れる。
一瞬――ほんの一瞬、聞こえた理解し難い言葉によって。
そう。声の主は一人の赤き戦士。声高らかに叫んだ人物。
男の名は――


「言われるまでもない……ボイルドッ!」


力と技の戦士こと仮面ライダーV3。
再びV3が地を蹴って駆け出す。
デザートイーグルを撃つボイルド――V3は速度を緩めずに突っ切る。
ボイルドの正確な射撃が容赦なくV3の各部分を抉る。
が、V3は止まらない。確かな痛みを感じているであろうにも関わらず。
対するボイルド――固く閉じられた口元が不意に綻ぶ。
だが、ボイルドは何も発さない。今度は只の一言も。
後ろへ歩を進めながら、ボイルドは再び手に取る――疑似重力による操作。
ふわり、とハカイダーショットが宙に浮き、吸い込まれるようにボイルドの左腕へ。
フロートの一部を姿勢補助に回し、新たな虚無の象徴を――銃弾を捻り出す。
大口径の銃弾が喰らいつくように、V3の眼前に迫りゆく。
徐に右腕を掲げたV3の身体に着弾する――瞬間、火花が散った。


「V3電熱チョップ!!」


V3の腰に巻かれたベルト――ダブルタイフーンが光を放つ。
同時に右腕にも輝きが灯り、V3はその腕を振り抜く。
生じた火花は電熱チョップと銃弾がぶつかり合ったものによるもの。
砕け散った鉛玉の破片がV3の全身を打つ。
右腕に残留する痛みを振り払うように、V3は再び走り出し――やがて大きく跳躍した。
軽く脚を折り曲げ、右脚の狙いを振り絞る。
それは仮面ライダーという名を持ちし者の証明とも言える一つの技。



「V3キイイイイイイイイイック!!」


その名はV3キック――V3が持つ誇りの一片。
右脚を振り下ろすように、ボイルドに向かって飛び蹴りを放つ。
ボイルドの対処。冷静にフロートの壁で受け止める。
既にV3キックを押し止める事には成功している。
あの時と同じようにやれば間違いはない――ボイルドの密かな確信。
よって防御よりも反撃の方へボイルドは気を傾けた。
しかし、ボイルドは己の予想が違えた事に勘づく。

「これは……」
「どうした、ボイルド? 何を驚いている……俺のV3キックが以前と違う事なら驚く事じゃない。
何故なら俺は仮面ライダーだ。背負うもののためにどこまでも強くなれる……不自然なコトなど――何もない!」


その通りだ。
フロートの壁に突き刺さる形を取ったV3キックの勢いは以前とは違う。
いや、厳密に言えばV3キック自体は変わっていないのかもしれない。
明らかに違っているもの――ボイルドは一際大きく両眼を見開く。
伸びきったV3の脚の先に映るのは蜻蛉を模した仮面。
ボイルドは感じ取る。
仮面越しにでさえも、何か大きな意思で自分に働きかけてくる――そう思える程に。
V3の存在がボイルドには大きなものに見えていた。


「ボイルド、俺は負けるわけにいかん。
死んでいった者達のためにも、仲間達のためにも……そしてこれから俺が救える者達のためにも……!
だから今、この場で力づくでもお前の眼を覚まさせてやる!」


V3キックとフロートの盾が均衡する。互いに譲らない力。
それらはまるでV3とボイルドのぶつかり合う意思を示すかのように。
強く伸ばされたV3キックが重力の壁に喰らいつく。


「そのためなら俺は何度でも立ってみせる! お前の魂を再び呼び覚ますまでは……死んではやれん!
それが俺の、仮面ライダーV3のプライドだッ!!」


あの時叫んだ言葉。
ボイルドへ叫んだ言葉をV3は再び紡ぎ――V3キックに全力を注ぐ。
黄緑色の複眼の輝きは失せてはいない。
ダブルタイフーンの回転が加速する――勢いはV3の意思との直結を感じさせる。
生まれるものは強烈な衝撃。今まで不可視の盾が遮ってきた威力。
しかし、ボイルドのフロートも完全なものではなく、この場では制限も掛っている。
故に除々に/確実に/加速度的に――染み渡っていた。
そう、十分過ぎる程に行き届いている――打ち破るためには。
やがて終りが訪れる。V3キックが進みだす。遮るものはなくなったためだ。
フロートの盾をV3キックは完全に砕き、V3の身体がボイルドに飛び込む。
蹴り込んだ場所は胸板。勢いを削がれたといえ、胸部を起点にボイルドの身体に衝撃が走った。
思わずボイルドは後ずさる。いける――V3はその結論を下し、V3は次なる技を繰り出そうとする。
V3反転キック。この状況で更なる追撃を加えれれば――そんな時、V3の身体が急にガクンと下がった。
何が起きた――視覚による感知よりも先にV3は理解を終える。
己の右足が、ボイルドの太い腕によってしっかりと捕えられた事実を知った。
そしてV3は見た――のっぺりとしたボイルドの顔が視界に映る。
その表情に変化が、予想だにしなかったものが浮かんでいる事にV3は大きく驚く。


「――――好奇心(キュリオス)」


意味が通らない言葉。そしてボイルドが浮かべる――笑顔の真意がV3には計り知れない。
驚きのあまり思わず硬直するV3。ボイルドが動く。左腕を突き出す。
依然として握られたものは――ハカイダーショット。ボイルドの意思は明白。
V3の判断は早い――硬直した身体のコントロールを取り戻す。
しかし、V3は動けない。ボイルドの重力操作――V3の身体に掛かる重力の向きを変え、彼の動きを制限している。
一気に勝負をつけるつもりか。V3の全身に今まで以上の緊張が駆ける。
かといって何もしないわけにもいかない。
思うように動かせない身体に指令を送り、打開策を模索する。
が、ボイルドはV3の抵抗に気を留める様子は見せない。
只――重々しく自らの口を開き始めた。


「漸くわかった……俺はお前に抱いていた。キュリオス……お前は俺の渇きを満たしてくれる、俺の人生から価値観を見出す……。
そうだ、お前と戦えば俺は思い出す。忘れていた充実感が蘇る。同時に俺は確信出来る」


唐突に紡がれ始めるは言葉の群れ。
まるで並び立てた煉瓦が何かの拍子で、全てが崩壊するように責め立てる。
寡黙なボイルドらしくない行為。きっと彼自身もそう思っているのかもしれない。
しかし、言葉の奔流は止まらない。訝しげな様子を見せるV3にそれらをぶつける。
――爆発。枯渇しきった感情の波が荒れ狂い、暴力的な渦を造り出す。
きっかけはなんだっただろうか。きっとあれのせいだろう――ルーン=バロット。
彼女の喪失/最早再会はあり得ない。
先程感じたものは正真正銘、バロットの死に対しての拭いきれない喪失感に間違いなかった。
重要なファクター――そう、バロットの存在はボイルドにとって重要だった。
漸く自分に眠り――安らぎの時を齎してくれたバロット。ボイルドは望んでいた。再び彼女と対峙する事を。
もう一度、彼女に断ち切らせてほしかった。しかし、もう叶わない――故に暴走を起こす。
最高の、これ以上ない形――充実感を噛み締められる終結を渇望する想い。
それだけが今のボイルドの意識全域に干渉する。


「やはり俺はずっとこうしていたかった――と。ルーン=バロット、そしてお前のような存在との戦い。
それこそが全てだ、行き着くべき終着点がそこにある。俺はあの場所をもう一度目指す。
約束の地(グラウンドゼロ)――そのためには俺は止まらない、止まれない」


再びウフコックを手に出来るかもしれない。
その願いも、あの時の確かな充実感が酷く甘美なものに感じられる。
別にウフコックを諦めたわけではない。
だが――終わったのだ、自分の人生はあの瞬間に。それをバロットの喪失で鮮明に思い出した。
最高の形で、もう一片の後悔もないと思える感覚に身を委ねて。
バロットとウフコックを待つ未来を案じながら、心安らかに死ねた。
あれ以上望むものは何もない。だから――これ以上動き続ける意味もない。
魂を思い出す事もない。新たなキャリアも必要ない。世界に新たな価値を見出す理由もない。
只――還ろう。約束の地へ、自分が消えた、消えるべきだったあの場所へ。
やがてハカイダーショットを放り出し、空いた腕で拳を模る。
また始まってしまった人生を――充実した形で終わらせるためにも、



「俺は戦い続ける」



一撃。
重々しい一撃をV3の右足に奮う。
V3が声にならない声を洩らす。



「全てを虚無で塗り潰す。俺の全存在を賭けて、眼に映る者は対象となる」



更に一撃。脚を掴んだ腕を引き、V3の身体を手繰り寄せる。
がら空きになった鳩尾に叩き込む。情は見られない。
只、この場での全ての参加者の殺害を口にする。
何か言おうとしたV3に更なる一撃を放り込む。
V3の血反吐を、あまりにも冷めた表情を浮かべながらその身に浴びる。



「止まるコトはない。誰かが、仮面ライダー……お前のようなモンスターが俺を止めるまでは、何があろうとも」



一撃、もう一撃。強烈な拳を同じ部位に打ち込む。
拳がいやに熱い。しかし、不愉快さはない。
ボイルドは手ごたえを感じると共に理解する。
自分の歯車がどこかで崩れてしまっている――いや、元に戻り始めている事に。
自分が驚くほど素直に、己の望みを口にしている。
その事を鮮明に。拳と暴虐に満ちた笑みが全てを物語っていた。
更にV3の身体をこちらに寄せ、彼の黄緑色の複眼を覗く。
まるで何人にも映る自分自身を見つめるように――ボイルドはなにかを頼むように紡ぐ。
自身の最期の望みを。



「だから……止めて見せろ。貴様の言う魂とやらで、この虚無を止めて見せろ。そして俺の人生を……終わらせてくれ。
あの少女とウフコックがやってくれたようにあの時の感覚を、充実感を俺にくれ。
それさえあれば、俺という虚無はここから消える。今度こそ俺に完全な終止符を打て」


――言った。言ってしまった。
今ならわかる。何故自分がV3との戦いを先延ばしに、まるで時間を掛けるように戦っていたのかを。
確かめたかった。おぼろげな推測を確信に変えたかった。V3が自分にとって――重要な存在である事を。
そして見極めは終わる。結果は申し分ない。


やはり考えは正しかった――V3はやってくれる。
フロートの壁を打ち破れる。V3なら必ず――強い確信。
この自分を止められる――満足のいく死を与えてくれる。
ボイルドは希望にも似た強い思いを秘め、V3を見やる。
しかし、V3は碌な反応を見せない。
とどめと言わんばかりの拳でV3の顎を砕いたためだろう。
だが、ボイルドの胸中には安堵のようなものが広がった。
きっと聞こえただろう。不思議な自信が湧きあがる。。
やがてボイルドはV3の身体を両手で担ぎ、力強く前方へ投げつける――同時に疑似重力を展開。
V3の身体が更に遠くへ飛んでいき、再びボイルドは操作した。
左腕に握られたものは一挺の銃――ハカイダーショット。
腕を掲げ、銃身を向けて、狙いを付ける――そして引く。
一発の銃声が響く。銃弾が、V3の腹部辺りに虚無という名の傷が刻みこむ。
やがてV3は背中からスクラップの山に倒れ込む。
V3がそれっきり動く事はなかった。



◇     ◇     ◇



ボイルドが歩く。
いつも通りのっぺりとした、何の色も見せない無表情を浮かべて。
V3は死んだだろうか。
確認はしていない。だが、死んで欲しくはないという思いが確かにあった。
何故なら、彼なら自分を倒してくれるかもしれないのだから――今度こそ。
ウフコックを手にしたバロットの代わりを務めてくれる。
そう願うようにボイルドはふと立ち止まる。
目の前に映るもの――それはサイクロン号/V3が今まで乗っていたバイク。
PDAを操作。シリアルナンバーを記録し終え、ボイルドは一号ライダーの愛車に跨る。
目的――全ての参加者の殺害。その先に待つべき場所――約束の地への到達。
当初の目的地、修理工場へボイルドはサイクロン号を走りだす。
風が顔面を、全身を打つ感覚の中ボイルドには一つの声がどこから聞こえた。


――ハローモンスター


女の声。
忘れることは出来ない。虚無に満たされたメモリーにも色褪せることはない。
視線を回すが周囲には何もない。実際に聞こえたわけではない事は明白だ。
しかし、ボイルドは確かにそう聞いた――聞こえたと思った。



「ハロー――」


ボイルドは答える。意味はない事であるにも関わらずに。
同時にボイルドが造り出す表情――笑っている
笑みにも取れるような歪みが再び零れる。
故に誰に向けたわけでもない言葉――否、それは自身に向けた言葉だったのかもしれない。
そう。今から多くの命を刈り取るために、充実した人生を再び手にするために戦場へ身を委ねる自分に。
ボイルドは小さな言葉を送る。



「――モンスター」



女と同じ言葉を、感情の籠らない声で。
一人、ぼそりと呟く様に。


【H-2 路上/一日目 日中】
【ディムズデイル・ボイルド@マルドゥックシリーズ】
[状態]:中程度の疲労、全身に中~小程度のダメージ、胸部に中程度の打撲 、右腕に痺れ
[装備]:デザートイーグル(7/7)@魔法先生ネギま! 、弾倉(0/7)×1+(0/7)×1 (弾頭に魔法による特殊加工が施されています)
    ハカイダーショット@人造人間キカイダー(14発消費) サイクロン号@仮面ライダーSPIRITS
[道具]:支給品一式、ネコミミとネコにゃん棒@究極超人あ~る
    ヴィルマの投げナイフ@からくりサーカス×2(チンクの支給品)
    ドラスの腕、PDA×2(ボイルド、タチコマ)
[思考・状況]
基本:ウフコックを取り戻し、満足のいく戦場で散る。
1:充実した人生を与えてくれそうな参加者と戦い、己の死に場所を見つける。
2:南下。
3:ウフコックを濫用させないため、参加者をすべて殺す。
4:バロットの死体を確認する。
5:ウフコックがいないか参加者の支給品を確認する。
6:クロとミーのコンビに興味あり。



[備考]
※ウフコックがこの場のどこかにいると結論付けています。
※ドラスの腕を武器として使うことを検討中
※“擬似重力(フロート)”を最大出力で展開し続けると、ある時急激に出力が落ち出し、一定時間使用が出来なくなります。
※上記の制限を認識しました。
※ミーへの伝言を預かりました。「さっさと帰らないと剛が飢え死ぬぞ」です。
※制限に関してある程度把握しました。


◇     ◇     ◇

エリアH-1。V3――変身が解除され、風見志郎が力なく倒れ伏している。
仰向けに天に昇った太陽を見上げている。
ボイルドの拳を何度も受け、ハカイダーショットの銃弾を右肩に貰った。
強烈な威力。右肩の負傷は酷い。しかし、動けない。
周囲を赤い血液で汚しながら、志郎はぴくりとも動かない。


(俺は、負けた……か…………)


完全な敗北。
一度目はチンクの助けがあったとはいえ、あれも敗北に違いはない。
これで二度目だ――情けない。自分自身を殴り飛ばしてやりたい衝動に駆られる。
だが、そんな事は二の次だ。
あいつを、止めてくれと言ったボイルドを止めなければならない。
そしてボイルドを――■■■■■■■にする。
その想いを糧に志郎は全身に力を込め、必死に立ち上がろうとする。
しかし、想いは虚しく、思うように身体が言う事を聞いてはくれない。
こんな程度か。お前はこんなものだったのか――そう思った時、志郎はふと考えた。
自分が今倒れている場所、スクラップ置き場は一体――どんな意味を持っていたか。
不意に全てを思い出す。
此処は、この地は――あいつが眠っている場所だ。


(そうだ、村雨……凱の話ではあいつはここで…………)


村雨良。仮面ライダーZXの姿を思い出す。
最初に顔を合わせた時――復讐心で塗り固まった時とは違う。
この殺し合いに呼ばれる直前、村雨は強くなった。
仮面ライダーとして、そして一人の人間としても、まさに10号ライダーに相応しい男だった。
そんな村雨が眠る地でどうして自分はこんな無様な姿を見せられるか。
口には出せないだろうが、少なからず落胆の意を村雨は隠せないだろう。

(ふっ……堪らんな。あいつは命を賭けたというのに……先輩の俺がこんなコトではな……!)


思わず不敵な笑みを志郎は零す。
今までの自分が心底馬鹿らしく思えてくる。
こんな傷がどうした。
右肩に穴があいたとしても、幾ら血が流れようが未だ戦える
今の自分を証明してくれる力が、二人の先輩に貰ったこの身体は未だ潰れていない。
そう思えば驚くほどに身体が楽になった。
志郎は除々に力を込め――一気に身体を起こし、両膝に腕を立て掛ける。
やがて上身体を上げ、両の足でしっかりと立ち上がる。

瞬間、再び血反吐を盛大に周囲に散らすが気にする事はない。
今ので打ち止めだ。もうこれで動ける/戦える/目的を果たせる。
V3ホッパーを――いや、するまでもない。ボイルドの行先は見ていた。
南の方。恐らく人が居るであろうスクラップ工場へ向かうのだろう――させはしない。
必ず自分が止める。奴の魂を呼び戻す。
何故なら自分には未だ奥の手がある。
既に“それは”一度使った。本来ならあの時、自分は終わっていた。
故に心置きなく使える――目的のためには。
仮面ライダーV3 26の秘密の中でも知る者は数少ない、最後の一つ。
その名は――


(俺にも命を賭ける時が来たようだな……すまん、チンク。やはり約束は……守れそうにはない)


V3火柱キック。
それは己の命と引き換えに放つ、最後の技。



【H-1 スクラップ置き場/一日目 日中】



【風見志郎@仮面ライダーSPIRITS】
[状態]:両拳に負傷(小)、右肩に弾痕、頭部と胸部と左肩に弾痕(塞がっている)、右碗、右肘に負傷(中)、腹部に強い痛み、固い決意、
    村雨の死に悲しみ、敬介を倒す決意、
[装備]:
[道具]:無し
[思考・状況]
基本:殺し合いを破壊し、シグマを倒す。
1:ボイルドを追う。
2:いずれ、修理工場2階で見つけた隠し通路を調査する。
3:本郷、ギンガ、エックス、T-800(名前は知らない)と合流。スバル、メガトロンは警戒。
4:殺し合いに乗った危険人物には容赦しない。
5:敬介は暴走状態にあると判断。正気に戻せないのなら、倒す。
6:可能ならば、ボイルドを仮面ライダーにしたい。そのためには、危険は辞さない覚悟。
7:弱者の保護。
8:日付が変わる頃、スクラップ工場へ向かう。
[備考]
※チンク、凱、ドラス(スバルに関すること以外)、ゼロと情報交換をしました。
※参戦時期は大首領の門に火柱キックを仕掛ける直前です(原作13巻)。また身体とダブルタイフーンは元通り修復されています。
※なんとなくチンクを村雨、そして昔の自分に重ねている節があります。
※液体金属が参加者に擬態している可能性に気づきました。
※ゼロを襲い、ノーヴェ、メカ沢、ロボを殺したのは敬介本人だと確信しました。
※修理工場の2階に隠し通路と、謎のメッセージを発見しました。
※ドラスへの荒療治は、やり過ぎだったと反省中。
※ボイルドの言うウフコックに興味


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114:大切なものを喪う悲しみ(前編) 風見志郎 127:真っ黒焦げの凶暴な卵(1)
108:究極の虚無をもたらす者 ボイルド 127:真っ黒焦げの凶暴な卵(1)





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