あ~る君の作戦?の巻 ◆qRv35OWHJE



「川だ」
R・田中一郎は銃を背負って立ち尽くした。
彼はしばらく真っ直ぐに進もうと思っていたのだ。
別に真っ直ぐに進む必要はないのだが、彼はどうも思考の並列処理が苦手。
一度決めたら誰かのツッコミが入るまでそのまま行動する。
つまり真っ直ぐ進む→川があったという単純な変化でも、
立ち止まって熟考しないと先に進めないというわけだ。
「うーむ」
彼は小一時間も悩んだあとにやおら手を打ち、支給品のひとつを取り出す。
NIKU・Q・マックス―――ミー君用の強化装備である。
「おお」
それはR・田中一郎の足にぴったりフィットし、彼に強力な跳躍力と水上を疾走する力を与える。
「おおおお」
脆弱な一般人と大差ないはずのR・田中一郎が、森の木の頂点まで飛び上がった。
「あはははははははは!」
R・田中一郎はまるで新しいおもちゃを与えられた子供のようにジャンプを繰り返す。
100回ほど飛び跳ねるとようやく飽きたのか、静かになり、
こんどはそろりそろりと川の水の上に足を乗せた。
本来は沈む筈の足が、NIKU・Q・マックスの力でしっかと水面を捉える。
「おお」
R・田中一郎は試すように足を上下させる。
「おおおお」
何回上下させても沈まない事にひとしきり感動すると、一歩一歩足を前に進めた。
「やあ、これはありがたい」
その足の回転を一歩一歩加速し、R・田中一郎は川の上を勢い良く走り始める。
「あははははははははははは!!」
この奇声に特に意味はない。彼の単純な頭脳が、疾走の歓びを全身全霊で表現しただけのことだった。
そしてその声に反応したものがいた。
草薙素子。彼女は北方向に向かっていた。何をするにしても、まずは施設。
あのシグマとかいう男が用意したギミックに辿りつかないとどうしようもない。
おそらくは壊し合いとやらを促進させるための有用な武器や、
悪意を撒き散らす為に悪用できる設備が存分に用意されているのだろう。
そして、それに紛れて、この舞台を維持する為にどうしても必要な重要施設も―――
惨劇を防ぎ、またこの舞台そのものを壊す為に必要なのはまず情報収集、そして他者との接触。
弱者が寄り添うような「群れ」ではなく、スタンドプレーを任せられるような仲間に出会えればなお幸いだ。
そのためにも、施設が多く、活発な交流……あるいは交戦が行われるであろう場所に向かう必要がある。
そのような思考を巡らせながら川に差し掛かろうとした、ちょうどその時。

「あははははははははははは!!」(神よ……!)

奇声を発しながら川の上を疾走する、R・田中一郎。
彼は速度を落とすことなく、一瞬で素子の傍らを通り過ぎる。
「あれは……何だ?」
銃を提げながら疾走するその速さからして、かなり強化された身体であることは間違いない。
それに、その向かう先。彼がこのまま歩を進めたとすると……
「湖……いや、湖の中の小島、その建造物か」
湖の中の小島、そこに意味ありげに建てられている一軒の建造物。
銃を持ち、そこに篭って近づく敵を討つという作戦を遂行するだけならば、またとない立地条件だ。
そのような発想が出来る人間であり、それを果たす力と武器を有し、その上少し錯乱しているようで―――
「厄介な事ね」
今の武装は、先ほどの『黒い服の男』を相手にするには心許ない。と言うか、武装らしい武装はたった一つ。
説明書きに≪『万能道具存在・金の卵』が封印されている瓶≫とだけ記された封魔の瓶。
「鬼が出るか、蛇が出るか。リスクがある以上、できれば使わないで済ませたい処だけど」
『黒い服の男』を相手にするなら、せめて銃火器の一つぐらいは用意しておきたいところだ。
その為にも、このエリアを早く抜ける必要があるだろう。

そして彼女は、森の中に消える。
攻性なる意思は、未だ殻の中で目覚めを待っていた。

【G-7 川沿い/一日目・黎明】
【草薙素子@攻殻機動隊】
[状態]:健康 光学迷彩使用中
[装備]:ロジャー・スミスの腕時計@THEビッグオー
    封魔の瓶@魔法先生ネギま!
[道具]:支給品一式、不明支給品(本人確認済み)
[思考・状況]
基本思考:脱出およびシグマの拘束、もしくは破壊
1:シグマに関する情報を持った参加者と接触する(当面はエックス、ゼロが目標)。
2:その他の参加者にも、可能であれば協力を要請する(含タチコマ)。
3:機会があれば、PDAを解析したい。
4:施設の多い場所を目指す

※ S.A.C. 2nd GIG序盤からの参戦です。
※ 光学迷彩の使用に制限が課せられているかについては、後の書き手氏にお任せします。
※ 「ロジャー・スミスの腕時計」でビッグオーを呼び出すことはできません。
※『黒い服の男』に警戒心を抱きました。

【支給品紹介】

【ロジャー・スミスの腕時計@THEビッグオー】
「THEビッグオー」の主人公、ロジャー・スミスが所持する腕時計。
ミサイル等にロックオンされていることを感知できるセンサー(1話参照)や、ワイヤーロープを発射する機構(8話他参照)を内蔵している。
ワイヤーは一見か細いが、大人二人分の重量を支えられるほどの強度がある。
本来のメイン機能は巨大ロボット・ビッグオーを呼び出す通信機だが、この機能は使用不可とする。

【封魔の瓶@魔法先生ネギま!】
『万能道具存在・金の卵』が封印されています。
説明書きには、≪『万能道具存在・金の卵』が封印されている瓶≫とだけ書かれています。
『万能道具存在・金の卵』の封印を解いた後、
魔力を持つ人が≪LAGENA SIGNATORIA≫と唱えることができれば、
人間を超えた存在を封じる事も可能かもしれません。
開封は誰でも可能です。

「おお」
R・田中一郎は、「川の上を走る」という意味のない目的に囚われて走り続けた。
その目的が果たせなくなった時。
湖にたどりつき、湖の小島に建物を発見した時、ようやく動きを止めて考え込む。
「ふむ」
彼はその建物をじっと見つめると、何かを理解したように呟いた。
「奥が深い」
別に本当に奥が深いなどと思ったわけではない。
彼は「このような場合こう反応すればいい」という経験則に従ったに過ぎない。
適当と思われる言葉を本当に適当に口にしただけなのだ。
彼はそろそろと島に上陸し、建物の様子をうかがう。
「では、失礼しますよ」
『ゲーム』の気安さからか、R・田中一郎は特に遠慮することなく建物に上がりこんで、中を徘徊する。
「おお、これはこれは」
そして、彼が侵入した最初の部屋には。彼に馴染みの一揃い、米びつと炊飯器が鎮座ましましていた。
それを発見した彼の脳裏に、光画部の仲間達の顔が浮かぶ。
(あ~る君、えらいっ!)
(少しは気がきくようになったではないか)
(おかずがいるな)
ゲームで動き回れば、おなかがすくじゃないか。
おなかがすいたら、ごはんを食べなきゃならないじゃないか。
「やあ、これもありがたいですね」
米びつの中には、相当量の米「標準米」が備蓄されているようだ。
おそらく『ゲーム』を運営する人が用意してくれていたのだろう。
水を入れ、米をとぎ、炊飯器のスイッチを入れる。
炊飯器の電子音を確認したR・田中一郎は、窓から湖を見つめてぽつりと言った。
「今日のゲームが終るまでに、一人ぐらい殺さなきゃ」
R・田中一郎はのそのそと動き出して、湖を渡る。
彼はまだ、『ゲーム』の夢から覚めてはいなかった。

【F-7 湖/一日目・黎明】
【R・田中一郎@究極超人あ~る】
[状態]:健康
[装備]:グロスフスMG42(予備弾数不明:本人も未確認だが、まだ十分あると認識)
    NIKU・Q・マックス@サイボーグクロちゃん
[道具]:支給品一式、不明支給品(確認済み)
[思考・状況]
基本思考:事件をゲームと勘違い。最後の一人を目指す。誰も死なないと思っている。
1:他のプレーヤーを探して攻撃。
2:今日のゲームが終ったらごはんを食べに湖の小島へ帰る。皆も誘う。

※原作3巻終了時からの登場です。
※この事件を3巻冒頭のサバイバルゲームのようなものだと勘違いしています。
※建物の詳細は不明です。標準米はまだ残っています。

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015:本件は拉致事件であってゲームではない R・田中一郎 046:ゲームを大いに盛り上げるためのあ~る君の計画 の巻
030:Ghost On The Edge Of Real 草薙素子 062:アナタノナキガラヲ…





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