ロクノベ小説保管庫 第一章31~41話

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第30話「トルネード一家、その後」
―――αとの戦闘から30分後のナハトムジーク号の格納庫―――
「兄さン!どうしたんでス!?その傷ハ!!」
ディグアウトを終え、ナハトムジークに帰った後に
リュウを迎えに行ったタイガーが悲鳴に近い声を上げた。
無理も無いだろう。空賊としてもディグアウターとしても超超一流、
アーマーについた傷と言えば三ヶ月ほど前に
S級遺跡に入ったときにかすり傷程度の傷を負っただけであった、
そんな兄が所々に傷を負って帰ってきたのだ。驚かないほうが不自然だろう。
「いや、大丈夫だよ、傷自体はそんなに深くねえ。だが・・・」
リュウがタイガーを安心させるように言った後、意味ありげに間を置いた。
「ここはいっちょ褌を締めなおしたほうがいい。」
リュウが厳しい目付きで言った―――


第31話「収集」
「タイガー、緊急会議を開く。いつものメンバーを全員会議室に
 集合させろ。進路は北。サルファーボトム号に向けて全速で行け!」
そう言った後、俺は先に行ってる。といってリュウは
格納庫の隅にあるエレベーターで会議室に向かった。
「聞きましたネ、テシター達!」
そう言ってタイガーはミフォラス号の整備をしているテシター達に向かって言った。
「は、はい!」X十数人
整備をしていたテシター達がいっせいに返事した。
「私ハ無線デこのことヲ知らせますかラ、整備が終わったラ来るんですヨ!!」
そう言ってタイガーは無線室(各階に1つある)に入って館内放送を始めた。
『緊急収集!緊急収集!緊急会議を開きまス。いつものメンバーハ
 至急会議室に集合されたシ!繰り返しまス!至急会議室に集合されたシ!!』
そう言って通信を切った後、タイガーも会議室へ向かった。

一方開発室
「緊急収集じゃとお!?一体何があったんじゃあ!?
 ええい、こうしてはおれん!テシター!後は任したぞぉ!!」
そう言ってパンサーは作りかけの武器をテシターに任せて開発室を後にした。

一方作戦室(いろいろな作戦や、戦闘時の合図などを考える部屋)
「緊急収集?一体何事だ・・・」
そう言ってウルフが席を立つ。
「すまないが、後を頼んだぞ・・・」
そう言い残してウルフは会議室に向かった。

そうして、ナハトムジーク号会議室にて、緊急会議が開かれた―――

第32話「緊急会議」
―――会議室
会議室では、リュウが赤いマントを羽織って座っていた。
最初は所々空席があった椅子がだんだんと埋まって行き、
10分も経った頃には椅子はすべて埋まっていた。
「よし、皆集まったな。」
空席が無い事を確認しながらリュウが言った。
と、ウルフがリュウの変化に気付き、声をかける。
「ん?兄貴、どうしたんだ?マントなんか羽織って・・・」
ウルフがいつもはリュウの右肩に掛けられているマントが
体一杯に羽織られているのを見て不審に思ったようだ。
「ああ、丁度これの事について話そうと思っていたんだが・・・」
そう言いながらリュウはマントをまた右肩に掛け直した。
そうすると必然的にリュウのアーマーがみんなの目に映った―――



第33話「アーマーの傷」
「なっ!?」「なんじゃと!?」「に、兄ちゃん、それ・・・!?」「き、傷だらけです~」X10
「そ、その傷は!?」「な、なんと・・・」「ウッキー!?」
静かだった会議室が一斉に騒がしくなる。それを制するようにリュウが言う。
「静かにしろい!こんな傷で騒ぐな!!」
その一喝で騒がしかった会議場が一斉に静かになった。
「良いか、お前等も知っての通り、このアーマーはこの地球上で
 最も硬くて最も軽い金属、セラミカルチタンで出来ている。
 傷は大した事は無いとは言え、銃弾すら跳ね返しちまうこの
 アーマーにこんだけの傷をつけられたんだ。緊急収集の理由は、大体わかったな?」
そのリュウの説明に、皆無意識に頷いた。
「それで、今までの装備では後々きつくなると思う。で、
 お前等・・・特にウルフ達には、どのようにすれば今までより丈夫な
 アーマーが作れるか研究して貰いたいてえ!無論金に糸目はつけねえ!
 そこの嬢ちゃんも手伝ってくれても構わねえから、急いで研究に向かってくれ!」
急げ、ウルフ!とリュウガ渇を入れると同時にやれやれ、と言いながら
ウルフと1、2人のテシター達が部屋を出て行った。
「ん?嬢ちゃんは行か無えのか?」
まだ席に着いたままのロールにリュウが声をかけた。
「え、私も行っていいんですか!?」
ロールが嬉々とした表情で言い返した。
「ああ、さっきそう言ったろ?」
リュウがロールに言った。
「有難う御座います!」
そう言ってロールが出て行こうとしたが、リュウが呼び止める。
「おい、嬢ちゃん、開発室の場所知ってんのか?」
「あ・・・」


「サルファーボトム号到着」
「全く・・・タイガー、案内してやんな。」
そう言うとリュウは席を立ち、会議室を出た。
「ア、どこヘ?」
ロールを連れて部屋を出ようとしたタイガーがリュウを呼び止めた。
それに気付いたリュウが言う。
「ああ、そろそろだと思ってな・・・」
「そろそロ?」
タイガーが首をかしげたまさにその瞬間、船内放送を表す
「ピンポンパンポーン」と言う音と共にテシターの声が響き渡った。
『リュウ様、ロック様、サルファーボトム号に付近に着きました。ミフォラス号で出て下さい。
 繰り返します。サルファーボトム号付近に着きました。ミフォラス号で出て下さい。』
「な?」
その放送が終えると同時に、リュウがタイガー達にウインクした。
「さてと、おい、ロック!」
リュウがまだ会議室の椅子に座ってぼうっとしているロックに向かって言った。
「は、はい!?なんですか!?」
ロックがハッ、と我に返って返事をする。
「封印の鍵を持って格納庫にきな。他の奴等は俺たちが戻るまで自由に行動してて良いぜ。」
そう言ってリュウは走り出した。
「あ、ちょっと、待って下さいよ!」
ロックも急いで後を追った。
「・・・・・」
なんだかとり残されたタイガーたちがお互いの顔を見合う。
「サ、さてト。何処かラ見ていきますカ?」
「・・・じゃあ、開発室から。」
「・・・了解しましタ。」
そう言って開発室に向かうタイガー達の背中は、何処と無く淋しそうだった―――



「ボーン一家、その後」
―リュウ達との戦闘から30分後のゲゼルシャフト号の格納庫―
「α!どうした!?」
「3号!何があったの!?」
ドラッへ改から降りて来たαの様子を見て迎えに来たγとトロンは仰天した。
αのアーマーは所々穴があき、体は血で真っ赤に染まっている。
その姿を見て驚かない者が居たとすれば、
よほど度胸の据わった者か、よほど鈍感か、どちらかだろう。
「とにかく医務室へ!3号!あなたも付いて来て!!」
トロンが的確な指示をコブン達に送る。
「しっかりしろ!α!大丈夫か!?」
γがαに肩を貸しながら傷の具合を調べる。
血は止まっているようだが、出血した量が
凄まじく多かった事をαの血まみれのアーマーが物語っていた。
「は、はい、大丈夫ですよ・・・」
αが少し顔を青くしながらγに言った。
その瞬間。αは気を失った―――


「αの容態」
「α!α!?ちくしょう!!大丈夫な訳無いだろうが!おいでこっぱち!医務室は何処だ!?」
γが焦った様子でαに言い返す。
「でこっぱちじゃないって言ってるでしょ!今担架が来たわ!早く乗せて!」
「おう!」
コブン達が運んできた担架にすばやくαを乗せる。
「医務室に急いで!」
トロンが叫ぶと同時に、コブン達は担架を担いで医務室に向かった。
γもそれを追う。トロンも後を追った。3号もそれに続く。
―ゲゼルシャフト号・医務室
「う~ん。出血した量は多いようですが、血も止まってますし、
 2、3日安静にしていれば問題は無いでしょう。しかしひどい傷ですね~。」
αの診察を終えたコブン5号が眉をしかめながら言った。
「ようするに、αは大丈夫なんだな?」
γが心配そうに言う。
「ええ、大丈夫です~。」
コブンがそう言うと同時に、γはホッと溜息をつきながらゆっくりと胸を撫で下ろした―――


第37話「心当たり」
バンッ!!

「α!!」
勢い良く医務室のドアを開け、Ωが入ってきた。
「Ω!!」
γが振り向きながら叫んだ。良く見ると
ベータもΩの後ろに心配そうな表情で立っていた。
「αは大丈夫なのか?」
Ωが少し焦ったような声でγに言う。
「ああ、2、3日安静にしなきゃいけねえらしいが、命に別状はねえってよ。」
γがαの容態を手っ取り早く説明した。
「そうか・・良かった・・・」
Ωが表情を和らげながら言った。
「でも、誰が、こんな事、できる?」
Ωの後ろに立っていたβがΩに問い掛けるように言った。
「α、強い、相手、もっと強い、そんな奴、俺、知らない。」
βがさらに続けていった。
「まさか・・・」
トロンがあごに手を当てながら呟いた。
Ωがそれに気付いたのか、トロンに聞く。
「まさか、だと?貴様、心当たりがあるのか?」
トロンは頷きながら言った。
「ええ、はっきりとした証拠は無いけど、あの子達しか考えられないわ・・・」
γがいらついたような様子でトロンに詰め寄った。
「だー!もう!はっきりしやがれよ!でこっぱち!!」
その言葉にトロンが素早く反応した。
「私はでこっぱちじゃないって言ってるでしょ!!」
「でこっぱちだからでこっぱちだって言ってんだろぉが!このでこっぱち!!」
「きーっ!なぁんですってえ!?」
γがトロンに言い返す。トロンも負けじと応戦する。
そんな言い合いがこの後延々10分は繰り返されたという―――



第38話「10分後」
「はぁ、はぁ、はぁ・・・」
γが肩で息をしながらトロンを睨み付ける。
「ぜぇ、ぜぇ、ぜぇ・・・」
トロンも負けじと睨み返す。
「けッ、口の減らねえ奴だな。」
γが吐き捨てるように言った。
「ふん、その言葉、そのままあんたにお返しするわ。」
トロンも思いっきり悪意を込めた声で言った。
「なんだと!」
「なによ!!」
と、また言い合いが続けられようとした所でΩが何かを取り出した!―――


第39話「ツッコミ」
「いい加減にせんか貴様らぁ!!」

ばしん!!ばしん!!

「いってぇ!」
「あいたっ!」
乾いた音と共にγとトロンが揃って小さな悲鳴をあげた。
「何すんだよΩ!」
「そーよ!痛いじゃないの!」
γとトロンがそろって文句を言い出す。そこにΩが言う。
「黙れ!二人揃ってギャーギャーと!本来の目的を見失いおって!!」
まったく・・・とΩが溜息をついた所でγがΩの持っている物に気付いた。
「おい、Ω。なんだそれ?」
γが聞いたΩの右手には、厚紙を幾重にも折って作った
大きな扇子のような物が握られていた。
「ん?ああ、これか?なにやらαが買ってきおってな。
 何でも、人を叩く時に使う者だと言っていたが・・・」
Ωが自分の持っている物を見ながら言った。
「ふ~ん。」
γが感心したような声で言った。
「ま、それはいいとして、本題に戻るぞ。」
「ん?ああ。そうだな。」
そうΩが切り出した所で言い合いは終わった。

だが・・一体誰が気付いていただろうか・・・
Ωの持っていたそれは、「ニホン」の芸人が愛用する
「ハリセン」だったことを・・・

そして
  
  
  
  
  
会話に置いていかれたβの存在に!!


第40話「心当たりPart2」
「ところで、女。心当たりがあるんだな?αを倒した奴に。」
Ωがトロンに再度問い掛ける。
「ええ。確かな証拠があるわけじゃないけど、たぶん間違いないわ。」
トロンがΩに言った。
「で、誰なんだ?そいつらは?」
γが横から口をはさむ。それに構わずトロンが続ける。
「1人はロック・ヴォルナット。認めたくないけど、一流のディグアウターよ。
 他の奴らは、トルネード一家とか言ったかしら。
 α、だったっけ?その子をやったのも、多分彼らだわ。」
そこまでトロンが言うと、Ωが顎に手を当てて考え出した。
「ロック・ヴォルナット・・・どこかで聞いたような・・・?」
と、そこへβが新聞を突き出しながら言った―――


第41話「最強同盟」
「それ、こいつら、違うか?」
「なに?」
Ωがβの差し出した夕刊に目を通す。
「あ、もう届いてたの、それ。」
トロンが夕刊が(ちなみにFAXで)届いた事に気付き、Ωの隣から覗き込む。
さすが『近代戦の基本は情報』と豪語しているだけあって、
朝、夕しっかりと新聞を取っているようだ。(それもなかなか情報の質が高い)
その夕刊をΩが声を出しながら読み出した。
「なになに・・・
『青い少年トルネード一家と同盟!? 最強のディグアウトチームここに結成!!』
 だと?ふん、確かにこいつらに間違いないようだな。」
Ωに広げられた夕刊には、でかでかと一面トップで
リュウとロックが握手している写真が載せられていた。
「αをやったのはこの2人のどちらか、と言う訳か。」
(だが、この2人、どこかで見たことがあるような・・・)
と、Ωが思案にふけっていた時、各部屋に備え付けのスピーカーからコブンの声が響き渡った。
『トロンさま、αさま、βさま、γさま、ボンさま。
 ティーゼルさまが作戦会議を開きま~す。至急会議室に来てくださ~い。』
そう言って、ブツン。という音と共にコブンの声は途絶えた。
「会議室か。しょうがない、行くわよ。」
トロンがそう言って部屋を出た。
「けっ、めんどくせえなあ。」
γが文句を言いながらトロンに続く。
「γ、文句、言う、良くない。」
βがγをなだめながら続く。
「コブン、αを頼んだぞ。」
Ωがコブン5号に向けて言いながら、医務室を後にした。
「は~い、わかりました~。」
と、コブン5号の間延びした声が廊下に響き渡った時には、
皆医務室を後にしていた―――