もしも℃-uteの岡井ちゃんが本当に男の子だったら

なっきぃ編 4

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okaishonen

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 カチューシャを買った後、私たちはぐったりするまでずっと遊びまわった。
休みの日にこれだけ騒いだのはどれくらい振りになるんだろう。
ちっさーに誘われなければ、私は今日も今日で家で小説を読んだり、メールに嫌なことを打ち込んで終わっていたと思う。
だから、今日はちっさーに感謝しないといけない。

「ちっさー、ありがとうね。今日はうんと楽しかった」
「僕こそ、遊びにつきあってくれてありがとう。なっきぃと一緒で楽しかったよ」
「キュフフ、もう二人してありがとうなんて。そうだ、せっかく来たんだし、お土産を買っていこうよ」
「うん、そうだね。メンバーにも買っていこう」

 私たちはお土産屋さんに寄って、今日いないメンバーの分のお土産まで買うことにした。
二人して全員のお土産を買ってもよかったのだけど、お金のこともあるので分担することになった。
私はもうお土産を買ってあげたいメンバーの目星はついていて、中でもみーたんの分は譲りたくない。
みーたんは私にとっては℃-uteでのお姉ちゃん的存在なのだ。
お土産を差し出して受け取ったみーたんの顔を想像するだけで、ウキウキしてきちゃう。
何をあげたら、みーたんは喜ぶんだろうな。
指を折って、誰に買おうか悩んでいるちっさーに、ちょっと今のところの予定を聞いてみよう。
被るのはよくないし、今なら変更が利くしね。

「ちっさーは誰の分を買うか決めた?」
「うん、僕は舞ちゃんと舞美ちゃん。それから愛理の分を買うよ」

 ちっさーは舞ちゃんは確実に出るのはわかっていたけど、まさかみーたんの名前が出るとは思わなかった。
何でちっさーがみーたんの分のお土産を買う気になったのかな?
ちっさーがみーたんを私みたくお姉ちゃんとして慕っているのは知っている。
それでも、ちっさーがお土産を買うほどの仲だったとは思えない。

「なっきぃは誰の分を買おうと思ってたの?」
「私はぁ~えりかちゃんと栞菜、それから・・・みーたんの分も」
「なっきぃも?」

 私はみーたんのお土産を買っていくことはいくらちっさーでも譲りたくないので、そこはきちんと主張しておく。
そうでもしないと、ちっさーにみーたんのお土産を買われてしまう。

「ちっさーはお小遣いが私より少ないだろうし、みーたんの分は私が買っておいてあげる」
「いいって。舞美ちゃんの分は僕が買うって。誕生日近いし、いいプレゼントになるしさ」
「そっか、みーたん誕生日近いんだ。じゃ、じゃあ、余計に私が買ってあげなきゃ」
「えぇ~僕だけが買ってプレゼントあげた方がよかったのに」

 どっちが買うかで私たちは結構言い合いになり、日が暮れてからようやく決着がついた。
結論は、誕生日プレゼントなんだし二人とも買えばいい、という誰でもわかることだった。

「早くこうしていればよかったね。そうすれば、こんな時間にならずに電車に乗れたのにね」
「もぉ~ちっさーのせいだよ。頑固なんだから」
「そんなに怒らなくたっていいじゃん。プレゼントは数じゃないけど、多い方が舞美ちゃん大喜びだよ」
「うぅ~ん、みーたんが喜んでくれればいいな。とくに私のプレゼント」

 すぐそこにまで迫ったみーたんの誕生日に、これを渡したら喜んでくれるといいなぁと心配でもあった。
だから、みーたんが誕生日に私が渡したプレゼントを目にして、笑っていたから喜んでくれていると思っていた。

「なっきぃ~ありがとう。大事にするね」
「うん。みーたんが気に入ってくれてよかった。キュフフ」

 なのに、みーたんがお礼を返したのは私じゃなくて、ちっさーだった。
ちっさーの十四歳の誕生日前日にあったファンクラブイベント後で、ちっさーはみーたんから可愛いお財布をもらっていた。
何でなの?
てっきり、みーたんは私を選んでくれると思ったのに、ちっさーを選ぶ理由がわからない。
私にはちっさーだけがお礼をもらう理由が、数学の方程式以上に理解不能だった。

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