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「みぃたんと舞ちゃんのどっちを好きなのかわからないか」
「うん、どっちが好きなんだかさっぱりわからなくて・・・二人とも大事な人だし、一人に決めるのは辛くて」
「とは言ってもねぇ~どっちかに決めないと相手に悪いと思うな。私も相談に乗ってあげるって偉そうに言っちゃったけど、これは答えられないな」
「だよね。僕もわかってるんだ。曖昧なままではいられないんだって。かと言って、決められないんだよ」
「私がその立場でも同じかも。結局みぃたんか舞ちゃんかを選んでもがどっちかが傷つくことになるんだもん」

 なっきぃが言う通り、舞美ちゃんと舞ちゃんのどちらを選んでも、どちらかが傷つくんだろう。
僕にとって、舞ちゃんも舞美ちゃんも大好きだから、苦手な数学の問題を解くよりも二人のうちどちらが好きかはっきり決めろ、と言われる方がよほど難しい問題だ。
こんな問題にぶつかったとき、本来なら僕自身の力で切り開かなくてはいけないんだ。
だけど、もう僕の胸にしまいこんでいられないくらい、苦しみは大きくなっていて、なっきぃからの申し出は渡りに船だった。

「もぅそんな暗い顔しないで。千聖に暗い顔は似合わないよ。悩んでたってわかんないことは時間が解決してくれるよ」
「時間が解決って、このまま悩んでいろってこと?」
「答えが出せないことにずっと縛られるよりは、毎日を一生懸命に生きるの。遠回りにみえても、それが一番答えに繋がる近道と思うから」
「ふぅ~ん、そっか。そういうもんなんだ」
「そうそう、ずっと悩んでいればいいってものでもないんだって。案外、答えはもう決まっているかもよ。ただ、自分が答えに気づいてあげてないだけ」

 散々苦しんだのに、答えはもう決まっているって言うのか!?
益々僕には理解不能な内容に、なっきぃの顔をしげしげと覗きこんだ。
なっきぃはじっと不思議そうな顔でみつめる僕と目があうと、くすっと笑いだした。

「なんてね、私も千聖と同じ立場ならどうするか考えたとき、まだ決めないで先伸ばしにすると思ったの。答えは決まってるんだもん。きっかけさえあれば動けるよ」

 きっかけ、か。
きっかけだけなら今までにもあったかもしれないのに、どうして僕がこれだけ苦しむ前に何もなかったのだろう。

「千聖の場合はたまには大いに悩むことも大事かもね。普段は何事にも悩んでいなさそうだから」
「はいはい。どうせ脳みそがすっからかんですよぉ~だ」
「すぐ開き直る。そんなところはまだ子供だね」
「こっちからしたら、なっきぃが大人になっててショックだよ。誕生日だって四ヶ月しか違わないのに・・・って、あぁ~!!」
「叫んじゃってどうしちゃったの?」
「いっけね、忘れてた。誕生日おめでとうって言い忘れてた。それにプレゼント用意してないや」
「そうだ、私の誕生日なのに千聖君からは何ももらってないんでしたっけね。どうしようかしら?」

 なっきぃはおすましポーズにアヒル口で、僕をじっとみつめて視線を外してくれない。
表情からして本気で怒っているようにはみえないし、なっきぃは僕をからかっているのだろうか?

焦らされるのは好きじゃないから、なっきぃに考える間を与えずに何がほしいか聞いてみた。

「ほら、早く早く。何がほしいか言ってみて」
「えぇ~こっちが考えだしてからろくに時間も経ってないのに焦らせる気なんだ。ん~とねぇ~とくに欲しいものはないかな」
「マジで!?」
「マジで。だってね、今こうして千聖と一緒にいられることが何よりも嬉しいの。プレゼントって言うならこの時間がプレゼントだよ」
「なっきぃもキザだね。僕が女の子だったらイチコロだよ。一緒にいられることが何よりも嬉しいとかさ」
「褒められてるんだか、からかわれるんだかさっぱりわかんない」

 なっきぃが笑顔がまだまだ子供っぽくて、僕は一人安心してしまう。
なっきぃは今年の春で高校生になるだけあって、大人の意見が聞けた気がした。
いつの間にこんなにも大人になったのかな、なっきぃってば。
僕や愛理、舞ちゃんを置いて一人先を行かないでほしいな。
キューティーガールズの二人だって、来年には高校生の仲間入りをするんだからさ。

「あっ、そうだ、強いてプレゼントを言うなら今日くらい大人しく千聖に湯船に浸かってほしいことかな。よぉし、カウントしていくよ」
「嫌だよ、記録作る為にお風呂入るわけじゃないんだから、もう出るよ」
「そうはさせない。落ち着きなさい。汚いと舞ちゃんにもみぃたんにも嫌われちゃうんだから」
「OKOK!! 1・2・3・4・・・」

 カウントを楽しそうにやるなっきぃ、もう湯船から出たくてウズウズする僕。
まだまだ僕らには賑やかな雰囲気が合うようだ。
何はともあれ、なっきぃ、お誕生日おめでとう!!

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