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おしかけ弟子:前編

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匿名ユーザー

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だれでも歓迎! 編集
321 :名無しさん@ピンキー 2010/05/14(金) 22:55:53 ID: eaJv/7cW
    投下します。エロ少な目です。


    【おしかけ弟子:前編】

    相手の拳をかわした俺はがら空きになった相手の顎に正拳を叩き込む。
    ゴガッ!!
    骨が折れたような鈍い音がして目の前の男が膝を崩す。俺は構えをといてコーナーに戻る。
    恐らくこれで決まりで、立ち上がってくることもないだろう。
    「ワーン、ツー、スリー…」
    審判がカウントを取っている。客席の連中の顔が見えるが、どちらに賭けている奴も興奮している。当たり前か。
    「うがっ…ぐっ…」
    相手は俺の予想に反して口の端から血を流しながら、カウント8で立ち上がり会場を大歓声が包んだ。

    「よおカトー、今日も楽勝じゃねぇか」
    試合後審判のロンが話しかけてくる。
    「楽勝?一歩間違ってたら俺が負けてたさ」
    「あんたいつもそれだな日本人のケンソンってやつかい?」
    「…さあな」
    とりあえず適当に生返事を返す。
    「それにしてもあんたのカラテはスゲエよな。今日の相手だって結構表で名の売れたチャンプだったんだぜ?」
    俺は空手家じゃないんだが、説明してもおそらくロンは分かってくれないだろう。
    「まーこれからも頑張ってくれよお前と、チェンの二枚看板でここは持っているからな」
    「ああ、ロンも酒はほどほどにしろよ」
    そう言って俺は会場を後にした。
    もうこの非合法の賭け格闘場で闘いはじめて1年半近くなる。
    就活に失敗して親父とも喧嘩し、日本を飛び出して放浪した挙句結局この○国に落ち着いた。
    とはいっても飢え死にしそうになって、酒場で喧嘩していた所をあのロンに誘われた訳なんだが。
    「…結局親父に救われてるわけか」
    あれだけ嫌だった稽古のおかげで今生きていられるのは皮肉なもんだ。

322 :名無しさん@ピンキー 2010/05/14(金) 22:58:13 ID: eaJv/7cW
    そんな事を考えながら住処へと足を運ぶ。日本の家に比べれば大した事ないかもしれんがここじゃ平均的だ。
    「んっ…?」
    ドアノブに触れると身体が強張る。鍵が開いている上にこの気配は誰かいるようだ。物盗りか?
    十分に警戒しながらドアを開け、家の中に体を入れた。
    「お帰りなさい師匠!」
    「…はぁ?」
    正直驚いた。玄関には男の子供がちょこんと土下座をしていたのだから。
    「だ、誰だ?お前?」
    「申し遅れました僕の名前はフォンといいます。師匠に弟子入りしたくてやってきました!」
    「弟子入りだと?……なんで家の中にいんだよ」
    「鍵が開いていましたのでだれか、不審な輩が入らぬように玄関で待ってました。…お気に触ったのならすいません」
    俺はお前が不審な輩だろ…という言葉を飲み込んだ。試合前の自分のヌケサクぶりが恨めしい。
    「おい、フォンとかいったな。顔を上げろよ」
    「はい!」
    土下座をしていた少年が顔を上げる。歳は12~13という所かまだあどけなさが残る顔立ちだが中々の美形といえるだろう。
    身体の方に目をやると身長は低いし、体つきはギリギリ華奢ではないという所か。格闘技向きの体格とも思えんが。
    「なんで…俺の所に来た?ムエタイでもやりゃあいいだろ」
    「いえ僕は師匠の強さに憧れたんです。あの無駄のない動きと強烈な一撃!ムエタイなんか比べ物になりません!」
    少年は目を輝かせてまくし立てる。よっぽど俺を買いかぶっているようだ。
    「あのなぁ俺は単なる非合法の賭け試合のファイターだ。弟子なんか取る訳ないだろさっさと親のところに帰れ」
    「いえ帰りません!それに僕には親なんかいないんです。なんでもしますからお願いします!」
    本当かよ、それにしても目は真剣そのものだ。嘘ではないのだろう。
    「ったく…なら一晩中俺が起きるまでそこで正座してろ、それが出来たら考えてやる。俺は寝るけどビデオカメラ置いておくからズルは出来ないぞ」
    「本当ですか…僕、頑張ります!」
    途端にパッと明るくなる少年の表情。こいつ本当に分かってんのか?
    「はいはいそれじゃあ頑張ってね」
    そう言って俺は奥に引っ込みビデオカメラを取り出しセットする。後はもうシャワーを浴びて寝るだけだ。
    「お休みなさい師匠」
    少年の挨拶を無視して俺はシャワー室に入った。朝まで8時間弱はある耐えられるはずがない。

    朝日の眩しさで目を覚まし、時計に目をやる。やはりあれから8時間が過ぎていた。
    どうせもう逃げ帰ったか正座を解いてしまっているだろう。そう思いながら玄関へと足を運ぶ。
    「…やっぱりな」
    案の定少年は仰向けになってすやすやと寝息を立てていた。元々が無理な注文だったのだから当然だ。
    「しばらく寝かしといてやるか」
    叩き起こして追い出すのも気が引けるのでベッドに寝かしてやる。起きてから帰らせれば良いだろう。
    あれだけの熱意があれば俺なんぞより、いずれ良い指導者にめぐり合えるだろう。
    そんな事を思いながら俺はセットしておいたカメラに目をやる。どれ何時間持ったのか見てやるか。
    「……マジかよ」
    俺はカメラの映像を見ながら自然と驚嘆の声を出していた。
    モニター越しの少年は何時間たっても正座を崩していなかった。しかし楽勝という雰囲気ではなく半分を超えた頃から明らかに苦しそうな顔だ。
    それでも歯を食いしばり脂汗を流しながら必死に耐えていたが、ついに限界が来たのか倒れこむ。時間は俺が起きる1時間前だった。
    「バカかこいつは!」
    自分で言い出しておいて勝手だが、呆れるほどの一途さだ。たかが俺に師事して貰うために膝や足を壊す気か?

323 :名無しさん@ピンキー 2010/05/14(金) 23:01:35 ID: eaJv/7cW
    「おい、おい起きろ」
    寝ているの少年のふっくらとした頬をぺちぺちとやって起す。
    「……あ、師匠…僕寝ちゃってたんですね。……すいませんこんな根性のない奴不合格ですよね」
    と心から悲しそうな声と顔で言う。落ち度などあろう筈もないのに。
    「そんな事より足、大丈夫か?」
    「ええ、少し痛いけど大丈夫だと思います」
    「そうか…良かった」
    心から安堵している自分が少し可笑しい。
    「飯……喰うか?腹減ってんだろ?」
    「でも…」
    「いいから喰えよ。弟子に飯ぐらい喰わせなきゃならんだろ」
    言ってて恥ずかしくなるような台詞を吐いて顔が紅潮してるのがわかる。
    「ええっ!?…本当なんですか?…嘘じゃないですよね……」
    なんちゅう顔しやがる。喜色満面とはこの事だろう。
    「嘘言ったってしょうがねぇだろ。その代わり家事とかお前もやれよ」
    「ありがとう…ありがとうございます!」
    俺の言い訳めいた言葉も耳に入っていないのか、目の前の少年は何時までも礼を言い続けた。

    その日の晩俺は下半身への違和感で目を覚ました。
    「ん…フォン?何をやっている?」
    気が付くと床で寝ていたはずのフォンが俺のベッドに潜り込み、ちょうど股間の位置に顔を埋めている。舐めているのだ俺自身を。
    「あっ師匠」
    ペニスから口を離し答えるフォン。
    「あっ師匠じゃねぇ。何やってんだよ」
    「……師匠にご奉仕しようかと」
    なにがご奉仕だ…が完全に勃起している分身を見ると説得力がない。
    「冗談はよせよ」
    「冗談なんかじゃないです…なんでもするって言ったじゃないですか…」
    そう言って俺のものを舐め上げ始める。裏スジから尿道にいたるまで、男の喜ぶ“ツボ”を理解した舐め方だ。
    巧い。俺だって経験がないわけじゃないからわかる。この舌づかいはそれで喰っていたもののそれだ。
    「く…よせっ…ああっ」
    俺のチンポからはガマン汁が溢れて、フォンの唾液と混ざりてらてらと光沢になる。
    「師匠…僕頑張りますから」
    「頑張るってお前…ううっあ」
    今度は小さい口で懸命に亀頭を咥えると、含みきれないくせに唇と舌の同時攻撃を仕掛け、俺の体を快感が支配する。こいつ一体…。
    「ひひょうでひて、でひてくだひゃい」
    正直頭の中は疑問で一杯だったが、限界だった。俺はフォンの口内に精を吐き出すしかなかった。
    「師匠溜まってらしたんですね」
    「……うるせぇバカガキ」
    吐き出すかと思ったがフォンは巧く精液を受け止め、余すとこなく飲み込んでしまった。やっぱりプロとしか思えない。
    「フォン…お前のここに来る前何をしてたんだ?」
    「へ…?」
    小さい体がビクンと揺れる。どうやら聞かれたくないことのようだ。
    「言いたくない事なら言わなくていいけどな」
    「……言ったら師匠は僕のこと嫌いになりませんか?」
    「知り合ったばかりで嫌いもクソもあるかよ」
    「…分かりました……師匠のお考えどおり、僕は体を売っていました」
    フォンは粛々と話し始めた。

324 :名無しさん@ピンキー 2010/05/14(金) 23:03:38 ID: eaJv/7cW
    お父さんもお母さんも僕が物心付いた時にはいなかった。でも僕はお兄ちゃんがいたから寂しいなんて思ったことはなかった。
    「フォン飯足りるか?」
    「熱があるじゃないか!」
    「フォン寒くないか?寒いなら兄ちゃんの布団を着ろ」
    お兄ちゃんは優しかった。いっつも僕のことばかり気にしている。僕はそんなお兄ちゃんが大好きだった。
    でもお兄ちゃんは無理をしていたんだ。あの年でキツイ肉体労働ばかりしていたんだから当然だ。しかも僕を食べさせる為に。
    「お兄ちゃん…少しお仕事減らしてよ!僕も働くからさ」
    9歳ぐらいの時にそう言った事がある。毎日どろどろになって帰ってくるお兄ちゃんだけに働かせるのはもういやだった。
    「なーに生意気言ってんだ。お前みたいなチビ何処も雇ってくんねーよ」
    そう言っても笑いながら頭をゴシゴシと撫でてくれたけど、僕は心配だったいつかお兄ちゃん壊れてしまうんじゃないかって…。
    その心配は当たった。ある日お兄ちゃんは顔を真っ青にして帰ってきたんだ。
    「お兄ちゃん大丈夫!?」
    「だ…大丈夫さ…心配す……」
    そう言い掛けてお兄ちゃんは倒れた。病名は思い出せないけど、酷い病気だった。
    お医者さんの所になんとか連れて行ったけど、告げられたのは命にかかわるという事と治療には僕にとって莫大にお金が必要という事。
    それを聞いたら目の前が真っ白になった気がして、お兄ちゃんが死んじゃうと思うと膝が震えて涙が止まらなかった。
    けれど何もしないわけにはいかないから、僕はあるお店に頼み込んで僕自身を売った。ご主人は「ウチの最年少だ」って笑ってたっけ。
    初めての時は体がバラバラになるかと思った。お客さんは気を使ってくれたけど、お尻が持つわけがなくて色々な所から血が溢れた。
    「処女みたいだね」
    なんてお客さんの言葉も耳に入らないくらい、僕は泣きじゃくるしかない。お客さんはそんな僕を見て益々興奮する。
    初仕事の後もまだ体の中に、何かが入っている感覚が続いて眠れなかったのを良く憶えている。それからもお客さんをとる度に、槍で串刺しにされてるような苦痛を味わった。
    でもそんな痛みも病院で、苦しんでいるお兄ちゃんを想像したら耐える事ができた。その内言いたくもない卑猥な言葉やおねだりも自然と言葉になる。
    「おじさんのおチンポ…気持ち良いよぅ……もっとちょうだぁい…」
    「よしよし…もっと苛めてあげるからね」
    「とっても似合うねその服」
    「女の子の格好すると、おちんちん硬くなっちゃうよぉ…」
    「縛られると君はもっと可愛いね」
    「もっと縛ってお仕置きしてくださぃ…」
    思い出すだけで胸が苦しくなる。決して消えることはない肉人形だった日々。
    それでもそうやって、僕がお兄ちゃんの命を繋げられていることが嬉しかった。ようやくお兄ちゃんに恩返しできていたんだ。あの日までは。
    「フォン……ごめんな兄ちゃんもう…」
    「いやだぁ!お兄ちゃん死なないでぇ!僕を一人にしないでよぉ!!」
    突然病院から呼び出されて、駆けつけると一時間もせずお兄ちゃんは逝ってしまった。
    なんであんなに良い人が死んじゃうの?お店に来る様な人たちは長生きするのに?そんな考えばかりが頭に浮んでいた。
    そしてとうとう僕は一人になった。残ったのはお店への借金だけ。お兄ちゃんが死んだ日も帰りに、お客さんを取らされた。あの日はおしっこを飲んだっけ。
    でももうどうでもよかった。毎日お尻を犯されていつか病気にかかって死ねば良い。お兄ちゃんもいない世界に未練もなくなっていたから。
    そんな絶望し続けていたある日僕はお客さんから、格闘技の賭け試合の事を知らされてお供した。僕はまるで興味がなかったけど。
    「死ねぇーぶっ殺せー!」
    「立て!立たなきゃ俺はオシマイだ!!」
    そんな叫びが響く会場は選手とお金を賭けている人たちの熱気に包まれている。
    僕はたまたま手元にあったお金と、お客さんからのお小遣いが手元にあったから誰かに賭けようとしていた。
    でもその時は格闘技の知識なんてなかったから決められず、ウロウロしていると今日がデビュー戦だって人が入ってくる。
    「カトーウタカーシ!!」
    そんな名前がコールされて、日本人だと分かったがオッズは相手が有利だった。だってデビュー戦の上に体格が全然違ったんだもの。
    一緒に来たお客さんも「アイツは止めときな」って言っていた。
    でも僕はその日本人の選手が気になって仕方がなかった。だってその人はお兄ちゃんそっくりだったんだもん。
    そして気が付くと僕は手元の金を全部その人にベットしていたんだ。

325 :名無しさん@ピンキー 2010/05/14(金) 23:06:47 ID: eaJv/7cW
    フォンの話に俺は聞き入っていた。その境遇は日本で生きてきた俺にはうかがい知れる物ではない。
    「…そしたら師匠は見事に相手を倒してくれて、僕はそのお金で自由になれたんです。……あの時の師匠は僕にとって神様に見えました」
    「……そんな事があったのか。でも自由になったのになんで俺の所に?」
    「自由にはなれたけど僕はそれから、どうすれば良いのか分からなかったんです。だからこの1年半は目標もない日々でした。」
    「それで俺の弟子か」
    「…はい。師匠みたいになりたいなって思って……」
    デビュー戦のことなど憶えていないが、こいつにとっては俺が世界最強の男に見えたのだろう。無理もない。
    「でも僕ってバカですね…お兄ちゃんとか師匠に依存しないと、まともに生きられないんだから……」
    そう言うフォンの目には涙が溜まっている。俺はなんと言葉をかけたら良いのか分からない。
    しかしこの年で誰かに依存してない子供などいるものか。兄に似た格闘家に弟子入りしたくなる気持ちも理解できる。
    「師匠…こんな僕ですけど嫌わないで下さい……」
    「フォン」
    できるだけ優しく声をかけたつもりだが。
    「は、はい」
    「明日からしごくぞ。覚悟しておけ」
    「は……はい!お願いします!!」
    (弟子か…悪くないかもな)
    そう思いながら笑顔で喜ぶ少年を見て、俺も釣られて笑った。

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