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THP (テトラヒドロピラニル) 基

詳しい本                                                                 Greene's PROTECTIVE GROUPS in ORGANIC SYNTHESIS p.59
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水酸基に対する保護基で,塩基や求核剤に対して安定。
酸を用いて簡単に外す事ができる手軽な保護基。

  • 保護基の反応性 (◎:反応する ○:反応性がある ×:反応しない △:特殊な反応をする)
塩基 酸化 還元 求核剤 ヒドリド
0.1 N HCl (pH 1) 0.1 N NaOH (pH 12) CrO3, Py H2, Pd RLi LAH 150 ℃
× × × × × ×


実験プロトコル

  • 保護
Brenady, K. F. et al. J. Org. Chem. 1979, 44, 1438.

酸性 禁水

DHP, TsOH, CH2Cl2, 20 ℃, 1.5 h, 100%

  • 脱保護
Brenady, K. F. et al. J. Org. Chem. 1979, 44, 1438.

酸性

DHP, TsOH, CH2Cl2, 20 ℃, 1.5 h, 100%

Tips


問題                                                                 THP保護反応を行ったところ,2つの生成物が得られた。
回答                                                                 原料に不斉中心がある場合,おそらく両方とも目的物.分ける必要はないが,系が複雑化することを覚悟しなければならない.

  • 概要
 1級アルコールに対して,アセタール型保護基であるTHP基で保護しようと考えた.Dihydropyraneを用いてTHP化反応を行ったところ,2つの化合物が生成した.これをシリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて単離精製し,各種スペクトルデータを測定した.すると,どちらの化合物も目的物らしい.また,二つの化合物のプロトンNMRデータが非常に類似していた.どちらが目的物なのか決める方法はあるか.

  • 原因
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 THP基の1'位炭素は不斉炭素である.その為,単純にTHP化反応を行うと,R体,S体の両方が生成する.この二つの生成物はどちらも目的物であるから,分けて扱う必要がない場合が多い.
 原料が不斉中心を持たない場合,生成した目的物二つはエナンチオマーの関係となり,上記の単純なシリカゲルカラムクロマトグラフィーでは分離されない.
 原料が不斉中心を持つ場合,生成物はジアステレオマーとなり,クロマトの条件によっては分離される.

  • 解決法

 二つの生成物がジアステレオマーである場合,分離は不必要.ただし,二つのジアステレオマー混合物として続く反応に用いる場合,解析や精製が複雑になることを覚悟しなければならない.それを避けるためには,ジアステレオマーを分離してそれぞれ別々に反応を進めればよいが,非常に非効率.
 不斉中心を持つ化合物に対してTHP保護基を使うことは,系の複雑化につながるため,避けたほうが無難.
 どうしてもアセタール型の保護基を用いなければならない場合,代替できるものとして,MOM,SEMなどの保護基がある.これらは不斉中心を生じないため,効率的.