「14」(2008/08/11 (月) 16:57:01) の最新版変更点
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舞美ちゃんが好きという気持ちと愛理との秘密の関係を抱えたまま、僕の活動は今年あとわずかとなった。
『都会っ子純情』のイベントも終わり、今年はレコード大賞で終わって、来年のハロプロでのコンサートに備えるだけだ。
そう思っていた僕らが突然事務所に呼ばれ、ぞろぞろと十三人が集まった。
僕らからしたら、どうして呼ばれたかわからず不安だらけの中、ついにその発表が行われた。
「今年の紅白の出場が決定しました」
一瞬、何のことだかわからなかった。
僕は聴き間違いでもしたのかと隣の舞ちゃんをみてみると、さすがの舞ちゃんも驚いた顔をしている。
他の子の顔をみても、驚くばかりで皆が皆、嘘でしょって信じられなさそうだ。
当然だよ、毎年バックダンサーで参加してきた紅白に歌手として参加するんだから。
僕らは今までこのステージに立つことを夢見て、バックダンサーをしてきたっていっても過言じゃない。
始まりはモーニング娘。だったけど、今は僕には℃-ute以上のグループはない。
だから、℃-uteで出られることは最高のプレゼントだ。
クリスマスプレゼントにはちょっと遅いし、お年玉にはちょっと早いプレゼント。
今、グアムにいる舞美ちゃんも喜んでるといいなぁ。
「ちさと~泣いた後は何でそんな顔してるわけ?」
「え!?そんな顔ってどんな顔?」
「遠いところを見る目してた。紅白のステージに上がれるから浮かれてるってわけ?」
「う、う~ん・・・そんなとこかな」
「慌てることないじゃん。いつからちさとは舞に隠し事するようになったの?」
「い、い、いやだなぁ。僕は舞ちゃんに嘘ついたり隠し事はしてないつもりだよ。今だってそうだよ」
「ちさとは舞のなんだから、他の女の子の事は考えたらダメだからね」
いつもはとても力強く聞こえるこの台詞も、今日は寂しく聞こえたのは気のせいだったのかな。
僕らの間に開いていく心の温度が、舞ちゃんを栞菜に向かわせ、僕をより舞美ちゃんに向かわせていった。
もうあの頃みたいに無邪気にはしゃぎ回る二人には戻れないのかな、舞ちゃん。
写真に写る僕らの笑顔をみていると、涙がとまらない。
ごめんよ、舞ちゃん・・・僕も君が好きでした・・・
舞ちゃんを好きなのは本当なのに、それでも僕の心にはいつも舞美ちゃんの笑顔が消えなかった。
愛理に相談したいけど、この前キスをお礼にしたことを考えると、それ以上を要求されそうで怖い。
僕はまた誰にも打ち明けられないまま、モヤモヤしなくちゃいけないのかと思っていた。
そんな時、中島早貴ことなっきぃに僕は癒されに話しかけたりした。
それは僕が活動を続ける中で望んだ別ユニットで一緒に参加することになったことがきっかけだった。
「ちっさー、今日はどうしたの?せっかくの紅白の発表があったばかりなのに」
「うん・・・舞ちゃんと最近うまく接することができなくて、今日も微妙な雰囲気だった」
「そっか。舞ちゃんはちっさーを独占できなくて辛いんじゃないのかな。最近は愛理とかみぃたんとよくいるし」
「小学生の頃よりは一緒にいる時間は減った気がする。前はもっと楽だったんだ。一緒にいても」
「今はそうでもないってこと?」
「うん」
ユニット名は『アテナ&ロビケロッツ』といって、モーニング娘。の新垣さんを中心にしたユニットだ。
僕はその中のメンバーとして、なっきぃと活動を開始したばかりだった。
ユニットに参加する、といわれたのは夏になるから何ヶ月も前になる。
なっきぃは僕の予感通り、僕が男の子だって事に気づいていたけど、あれは夢だと言い聞かせていたらしい。
あれは僕らがまだフットサルの練習に力を入れていた頃、そのロッカーでの事。
僕が練習から汗だくになって戻り、着替えを済まそうとした時にあの詰め物を取る場面を見てしまったそうだ。
それ以来、僕の様子をちらちらと窺っていたみたいで、今回一緒になって参加ということで打ち明けてくれた。
なっきぃにバレていそうだなって思っていたから、抵抗なく僕も頷いた。
なっきぃは見た目以上にしっかり者のお姉さんだから、僕が男の子だからって脅す的な事はしない。
だからなんだろうな、僕はなっきぃにはすんなりと甘えることができた。
恥ずかしい話だけど、あれだけ舞美ちゃんに甘えていいよと言われているのに、意識して甘えられない。
その点、なっきぃは包容力っていうのかな、があるのを感じて甘えやすい。
「ちっさー、もう膝枕はしてあげるって言ってないでしょ~」
「いいじゃんか、なっきぃの膝枕が一番好きなんだ。柔らかくて温かいし」
「もぉ~いつからこんなに私に甘えるようになっちゃったのぉ~キュフフ」
なっきぃは呆れたみたいに言っても、僕が太股に頭をのせても怒らない。
キュフフって独特な笑い方をして、温かい目で見守るように膝枕から見上げる僕をみつめてくる。
キスを何回かしてきた僕は、なっきぃのあの唇がメンバーの中で誰よりもエッチな形をしているなとふと思った。
こんな時に何て馬鹿な事を考えるんだろう、と自分に渇を入れたのにその考えは消えてくれない。
なっきぃが微笑むと三日月になるあの口元に吸い寄せられそうになる。
そして、僕はあろうことかなっきぃだったらキスをしても許してくれそうだ、とも考えるようになっていた。
「ちっさー、さっきからずっと私の顔みてるけど、どうかしたの?」
「う、ううん・・・何でもないよ。気にしないで」
「そうやって隠し事はよくないよ。言ってみなよ~口に汚れがついてるとかなら教えてくれないと困るし」
「大丈夫、なっきぃの口が汚れてるなんてありえないから」
「そんなのわからないじゃない。私だって食べれば口が汚れることなんてしょっちゅうあるんだし。キュフフ」
そういう意味じゃないんだ、なっきぃ。
僕みたいな誰とでもキスできちゃうような人間と君の唇じゃ清らかさが違うんだよ。
いくら愛理に迫られたからってキスできちゃう人間って変だって、自分でも思うのに拒否できない。
この前、ディープキスをした時なんてとうとう愛理とのキスでおちんちんが反応してしまうし。
僕の心がどんどん男の子としてのエッチな部分を強くしていくと、℃-uteにはいられなくなりそうな気がする。
僕はまだ℃-uteにいたいのに、体はそれを拒むように男の子になっていく。
「ねぇ、なっきぃ・・・寝てもいいかな?」
「いいよ。少ししたら撮影開始するから起こすけどね」
「ありがとう」
少しの間寝て忘れてしまおう、今考えたなっきぃにキスしたいって妄想を。
じゃないと、これ以上みていたらキスをしてしまいそうだった。
ゆっくりと目を瞑り、眠くないのに眠ったふりだけでもしておこう。
いいや、今日ばっかりは眠気がきてくれないと困るかもしれないな、目を瞑っただけじゃ起きているから。
メンバー相手に妄想ばかりするようになるなんて、我ながら酷い奴だ。
「なっきぃ・・・」
「ちっさー?」
「落ち着くまで頭撫でてもらってもいい?」
「甘えん坊さん。しょうがないな~」
なっきぃ、今だけでもいいから甘えさせて。
こうでもしないと、僕は君に変な妄想ばかりしてしまいそうだから。
舞美ちゃんが好きという気持ちと愛理との秘密の関係を抱えたまま、僕の活動は今年あとわずかとなった。
『都会っ子純情』のイベントも終わり、今年はレコード大賞で終わって、来年のハロプロでのコンサートに備えるだけだ。
そう思っていた僕らが突然事務所に呼ばれ、ぞろぞろと十三人が集まった。
僕らからしたら、どうして呼ばれたかわからず不安だらけの中、ついにその発表が行われた。
「今年の紅白の出場が決定しました」
一瞬、何のことだかわからなかった。
僕は聴き間違いでもしたのかと隣の舞ちゃんをみてみると、さすがの舞ちゃんも驚いた顔をしている。
他の子の顔をみても、驚くばかりで皆が皆、嘘でしょって信じられなさそうだ。
当然だよ、毎年バックダンサーで参加してきた紅白に歌手として参加するんだから。
僕らは今までこのステージに立つことを夢見て、バックダンサーをしてきたっていっても過言じゃない。
始まりはモーニング娘。だったけど、今は僕には℃-ute以上のグループはない。
だから、℃-uteで出られることは最高のプレゼントだ。
クリスマスプレゼントにはちょっと遅いし、お年玉にはちょっと早いプレゼント。
今、グアムにいる舞美ちゃんも喜んでるといいなぁ。
「ちさと~泣いた後は何でそんな顔してるわけ?」
「え!?そんな顔ってどんな顔?」
「遠いところを見る目してた。紅白のステージに上がれるから浮かれてるってわけ?」
「う、う~ん・・・そんなとこかな」
「慌てることないじゃん。いつからちさとは舞に隠し事するようになったの?」
「い、い、いやだなぁ。僕は舞ちゃんに嘘ついたり隠し事はしてないつもりだよ。今だってそうだよ」
「ちさとは舞のなんだから、他の女の子の事は考えたらダメだからね」
いつもはとても力強く聞こえるこの台詞も、今日は寂しく聞こえたのは気のせいだったのかな。
僕らの間に開いていく心の温度が、舞ちゃんを栞菜に向かわせ、僕をより舞美ちゃんに向かわせていった。
もうあの頃みたいに無邪気にはしゃぎ回る二人には戻れないのかな、舞ちゃん。
写真に写る僕らの笑顔をみていると、涙がとまらない。
ごめんよ、舞ちゃん・・・僕も君が好きでした・・・
舞ちゃんを好きなのは本当なのに、それでも僕の心にはいつも舞美ちゃんの笑顔が消えなかった。
愛理に相談したいけど、この前キスをお礼にしたことを考えると、それ以上を要求されそうで怖い。
僕はまた誰にも打ち明けられないまま、モヤモヤしなくちゃいけないのかと思っていた。
そんな時、中島早貴ことなっきぃに僕は癒されに話しかけたりした。
それは僕が活動を続ける中で望んだ別ユニットで一緒に参加することになったことがきっかけだった。
「ちっさー、今日はどうしたの?せっかくの紅白の発表があったばかりなのに」
「うん・・・舞ちゃんと最近うまく接することができなくて、今日も微妙な雰囲気だった」
「そっか。舞ちゃんはちっさーを独占できなくて辛いんじゃないのかな。最近は愛理とかみぃたんとよくいるし」
「小学生の頃よりは一緒にいる時間は減った気がする。前はもっと楽だったんだ。一緒にいても」
「今はそうでもないってこと?」
「うん」
ユニット名は『アテナ&ロビケロッツ』といって、モーニング娘。の新垣さんを中心にしたユニットだ。
僕はその中のメンバーとして、なっきぃと活動を開始したばかりだった。
ユニットに参加する、といわれたのは夏になるから何ヶ月も前になる。
なっきぃは僕の予感通り、僕が男の子だって事に気づいていたけど、あれは夢だと言い聞かせていたらしい。
あれは僕らがまだフットサルの練習に力を入れていた頃、そのロッカーでの事。
僕が練習から汗だくになって戻り、着替えを済まそうとした時にあの詰め物を取る場面を見てしまったそうだ。
それ以来、僕の様子をちらちらと窺っていたみたいで、今回一緒になって参加ということで打ち明けてくれた。
なっきぃにバレていそうだなって思っていたから、抵抗なく僕も頷いた。
なっきぃは見た目以上にしっかり者のお姉さんだから、僕が男の子だからって脅す的な事はしない。
だからなんだろうな、僕はなっきぃにはすんなりと甘えることができた。
恥ずかしい話だけど、あれだけ舞美ちゃんに甘えていいよと言われているのに、意識して甘えられない。
その点、なっきぃは包容力っていうのかな、があるのを感じて甘えやすい。
「ちっさー、もう膝枕はしてあげるって言ってないでしょ~」
「いいじゃんか、なっきぃの膝枕が一番好きなんだ。柔らかくて温かいし」
「もぉ~いつからこんなに私に甘えるようになっちゃったのぉ~キュフフ」
なっきぃは呆れたみたいに言っても、僕が太股に頭をのせても怒らない。
キュフフって独特な笑い方をして、温かい目で見守るように膝枕から見上げる僕をみつめてくる。
キスを何回かしてきた僕は、なっきぃのあの唇がメンバーの中で誰よりもエッチな形をしているなとふと思った。
こんな時に何て馬鹿な事を考えるんだろう、と自分に渇を入れたのにその考えは消えてくれない。
なっきぃが微笑むと三日月になるあの口元に吸い寄せられそうになる。
そして、僕はあろうことかなっきぃだったらキスをしても許してくれそうだ、とも考えるようになっていた。
「ちっさー、さっきからずっと私の顔みてるけど、どうかしたの?」
「う、ううん・・・何でもないよ。気にしないで」
「そうやって隠し事はよくないよ。言ってみなよ~口に汚れがついてるとかなら教えてくれないと困るし」
「大丈夫、なっきぃの口が汚れてるなんてありえないから」
「そんなのわからないじゃない。私だって食べれば口が汚れることなんてしょっちゅうあるんだし。キュフフ」
そういう意味じゃないんだ、なっきぃ。
僕みたいな誰とでもキスできちゃうような人間と君の唇じゃ清らかさが違うんだよ。
いくら愛理に迫られたからってキスできちゃう人間って変だって、自分でも思うのに拒否できない。
この前、ディープキスをした時なんてとうとう愛理とのキスでおちんちんが反応してしまうし。
僕の心がどんどん男の子としてのエッチな部分を強くしていくと、℃-uteにはいられなくなりそうな気がする。
僕はまだ℃-uteにいたいのに、体はそれを拒むように男の子になっていく。
「ねぇ、なっきぃ・・・寝てもいいかな?」
「いいよ。少ししたら撮影開始するから起こすけどね」
「ありがとう」
少しの間寝て忘れてしまおう、今考えたなっきぃにキスしたいって妄想を。
じゃないと、これ以上みていたらキスをしてしまいそうだった。
ゆっくりと目を瞑り、眠くないのに眠ったふりだけでもしておこう。
いいや、今日ばっかりは眠気がきてくれないと困るかもしれないな、目を瞑っただけじゃ起きているから。
メンバー相手に妄想ばかりするようになるなんて、我ながら酷い奴だ。
「なっきぃ・・・」
「ちっさー?」
「落ち着くまで頭撫でてもらってもいい?」
「甘えん坊さん。しょうがないな~」
なっきぃ、今だけでもいいから甘えさせて。
こうでもしないと、僕は君に変な妄想ばかりしてしまいそうだから。
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