「15」(2008/08/11 (月) 16:57:36) の最新版変更点
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僕は今、ラジオのブースに入り、愛理の隣に座って向かいの席に座る舞美ちゃんの話を聞いている。
この秋からえりかちゃんと舞美ちゃんでやっていたラジオに、僕と愛理が交代して出演することになった。
詳しい事情はよくわからないのだけれど、今まで夜更かしして聞いていたラジオを今度は自分がやることになるのは不思議だった。
それまでは舞美ちゃんの声が聞けるからとラジオにじっと耳をすませ、どんな事も聞き逃さないようにしていた。
えりかちゃんと舞美ちゃんのかけあいが面白くて、つい笑い声をもらして隣で寝ていた妹や弟を起こしたこともあった。
そんな時は決まって、お母さんに怒られたんだ、『録音でもしておいてあげるから早く寝なさい』って。
もう怒られてラジオを聴くこともないんだと思うと、ちょっぴり寂しくもあったけれどそれ以上に嬉しい。
ブースに入れば、目の前に大好きな舞美ちゃんがいるんだから当然だよ。
舞美ちゃんはいっつも無意識に天然な発言をするから、僕も愛理も面白くてそこをいじりたくなってしまう。
そうすると、『皆も同じでしょ』と同意を求めることがあって、その度に僕らは否定した。
否定をしたら、『えぇ~』とか『うそぉ~』と騒ぐ姿をみていると、本当に幸せな気分になれる。
えりかちゃんには悪いとは思いつつも、僕はラジオのお仕事が出来て最高の気分だ。
「ちっさー、ラジオが始まってからは最高の笑顔だよ。いいことあった?」
「え、や、やだなぁ~そんなの聞かなくてもわかるだろ。何で聞くのさ」
「ん~ラジオは面白いよね。私もえりがいなくなって寂しかったけど、二人と話してるとそんなの吹っ飛んじゃう」
「えへへへ、そうかなぁ。でもね、僕がラジオが面白いのは舞美ちゃんの発言が笑えるからだよ」
「何でよぉ~普通でしょ。別に変なこと言ってないよ」
舞美ちゃんはすぐに顔を赤くして慌てるから、からかわれやすい僕でもついからかってしまう。
悪いくせとはわかっていても未だにやめられない僕は、告白する前とこんなとこは進歩していない。
からかうことは出来ても、少しでも男らしく振舞うことが出来ていないのが悔しい。
せっかく告白したのにこれじゃ台無しな気がするな。
「でもさ、ちっさーはそれでいいと思うよ。告白したからって意識して行動されるよりは舞美ちゃんも接しやすいよ」
「そ、そうかなぁ。僕としては男らしくしたいんだけど、照れちゃってからかっちゃうんだよ」
「今のままでいいんだって。無理して好きになってもらおうとしても、うまくはいかないよ」
「わからないな。自分ではカッコイイ僕をみてほしいはずなのに」
「大丈夫、急がなくても舞美ちゃんは君をみてくれてるから。この間もメールくれたんだけど、ちっさーカッコよくなったかもって」
「う、う、嘘だあぁぁぁ。だ、だ、だって、舞美ちゃんはそんな事ちっとも言ってくれないよ」
「君にすんなり言うわけないじゃないか~舞美ちゃんだって照れ屋なんだぞ」
何だかんだで結局、僕はまたも愛理に恋の相談に乗ってもらっている。
都合がいいとは思うけれど、なっきぃには舞美ちゃんが好きだとは言えずにいる。
なっきぃも言えば相談に乗ってくれるのはわかってるんだ、ただ、メンバー皆に筒抜けになるのが怖い。
特に舞ちゃんに知られるのだけはどうしてもさけたい。
そうなると、やっぱり頼れるのは愛理だけになってしまう。
「この後、紅白あるのにそんなんじゃダメじゃない。まだ返事をもらうには早いと思うよ」
「うん、そうだね。これからだよね」
「そうそう。そんなに私に怯えなくてもいいから。お礼だっていって、迫らないから安心しなよ」
「う・・・」
「わかってるぞ、君の考えそうなことは。私もお礼がしてもらいたい時は人の出入りが多い場所は選らないから」
「うん・・・でも、そのお礼制度はどうにかならないの?」
「だって~」
どうやら愛理はお礼ばっかりはやめてくれそうにないみたいだ。
半分諦めてはいたけれど、これで完全に諦めなくてはいけない。
でも、愛理にはお世話になっているわけだし、愛理の好奇心につきあうのも仕方ないのかもしれない。
「ちっさー、本番頑張ろう。ね」
そうだった、今日は待ちに待った紅白の日だ。
前の日に取ったレコード大賞の最優秀新人賞、あれの余韻を残したままのステージになる。
レコード大賞に出られるだけでも名誉なのに、僕らはつんく♂さんも予想していなかった新人賞までもらった。
あの時、僕らは七人でやってきた中で最高の日になったね、って皆で話した。
僕なんか涙もろいからボロボロ泣いてしまったのに、舞ちゃんだけは他のメンバーも泣く中で泣かないでいた。
強いよな、舞ちゃんって。
でも、恋愛の事になるとそうもいかなくなるのかもな、と僕はふと考えた。
紅白出場が発表された日の顔、あれはすごく切なそうだった。
「また余計な事考えてるでしょ。今はステージに集中してね」
「気持ちの切り替えって思ったよりもずっと難しいよ。でも、やらないとなんだもんね」
「そうだよ、紅白で今年は終わるんだから」
僕らメンバーたちだけじゃなく、事務所の人もうちの家族もファンの人たち、皆が楽しみにしている日だ。
練習は嫌と言うほどやったんだから、後は本番で結果を出すだけじゃないか。
テレビを見ている人たち全員を幸せに出来たらいいな、僕たちの歌で。
℃-uteのメンバーだけじゃなく、ハロプロ皆でいいステージを作り上げていけたらいいな。
本番前にそれぞれのリラックス方法で出番を待つメンバーたち。
もう出番まで後わずか・・・
緊張がピークに達する中、僕らはとうとう紅白のステージに立ち、もてる力の全てを出し切ってきた。
何がなんだかよく覚えていないけれど、とにかく最高のパフォーマンスをみせられたとは思う。
これが2007年最後の大仕事になった。
来年始まってすぐにあるハロプロの中野のコンサート、そこから2008年はスタートする。
僕は今、ラジオのブースに入り、愛理の隣に座って向かいの席に座る舞美ちゃんの話を聞いている。
この秋からえりかちゃんと舞美ちゃんでやっていたラジオに、僕と愛理が交代して出演することになった。
詳しい事情はよくわからないのだけれど、今まで夜更かしして聞いていたラジオを今度は自分がやることになるのは不思議だった。
それまでは舞美ちゃんの声が聞けるからとラジオにじっと耳をすませ、どんな事も聞き逃さないようにしていた。
えりかちゃんと舞美ちゃんのかけあいが面白くて、つい笑い声をもらして隣で寝ていた妹や弟を起こしたこともあった。
そんな時は決まって、お母さんに怒られたんだ、『録音でもしておいてあげるから早く寝なさい』って。
もう怒られてラジオを聴くこともないんだと思うと、ちょっぴり寂しくもあったけれどそれ以上に嬉しい。
ブースに入れば、目の前に大好きな舞美ちゃんがいるんだから当然だよ。
舞美ちゃんはいっつも無意識に天然な発言をするから、僕も愛理も面白くてそこをいじりたくなってしまう。
そうすると、『皆も同じでしょ』と同意を求めることがあって、その度に僕らは否定した。
否定をしたら、『えぇ~』とか『うそぉ~』と騒ぐ姿をみていると、本当に幸せな気分になれる。
えりかちゃんには悪いとは思いつつも、僕はラジオのお仕事が出来て最高の気分だ。
「ちっさー、ラジオが始まってからは最高の笑顔だよ。いいことあった?」
「え、や、やだなぁ~そんなの聞かなくてもわかるだろ。何で聞くのさ」
「ん~ラジオは面白いよね。私もえりがいなくなって寂しかったけど、二人と話してるとそんなの吹っ飛んじゃう」
「えへへへ、そうかなぁ。でもね、僕がラジオが面白いのは舞美ちゃんの発言が笑えるからだよ」
「何でよぉ~普通でしょ。別に変なこと言ってないよ」
舞美ちゃんはすぐに顔を赤くして慌てるから、からかわれやすい僕でもついからかってしまう。
悪いくせとはわかっていても未だにやめられない僕は、告白する前とこんなとこは進歩していない。
からかうことは出来ても、少しでも男らしく振舞うことが出来ていないのが悔しい。
せっかく告白したのにこれじゃ台無しな気がするな。
「でもさ、ちっさーはそれでいいと思うよ。告白したからって意識して行動されるよりは舞美ちゃんも接しやすいよ」
「そ、そうかなぁ。僕としては男らしくしたいんだけど、照れちゃってからかっちゃうんだよ」
「今のままでいいんだって。無理して好きになってもらおうとしても、うまくはいかないよ」
「わからないな。自分ではカッコイイ僕をみてほしいはずなのに」
「大丈夫、急がなくても舞美ちゃんは君をみてくれてるから。この間もメールくれたんだけど、ちっさーカッコよくなったかもって」
「う、う、嘘だあぁぁぁ。だ、だ、だって、舞美ちゃんはそんな事ちっとも言ってくれないよ」
「君にすんなり言うわけないじゃないか~舞美ちゃんだって照れ屋なんだぞ」
何だかんだで結局、僕はまたも愛理に恋の相談に乗ってもらっている。
都合がいいとは思うけれど、なっきぃには舞美ちゃんが好きだとは言えずにいる。
なっきぃも言えば相談に乗ってくれるのはわかってるんだ、ただ、メンバー皆に筒抜けになるのが怖い。
特に舞ちゃんに知られるのだけはどうしてもさけたい。
そうなると、やっぱり頼れるのは愛理だけになってしまう。
「この後、紅白あるのにそんなんじゃダメじゃない。まだ返事をもらうには早いと思うよ」
「うん、そうだね。これからだよね」
「そうそう。そんなに私に怯えなくてもいいから。お礼だっていって、迫らないから安心しなよ」
「う・・・」
「わかってるぞ、君の考えそうなことは。私もお礼がしてもらいたい時は人の出入りが多い場所は選らないから」
「うん・・・でも、そのお礼制度はどうにかならないの?」
「だって~」
どうやら愛理はお礼ばっかりはやめてくれそうにないみたいだ。
半分諦めてはいたけれど、これで完全に諦めなくてはいけない。
でも、愛理にはお世話になっているわけだし、愛理の好奇心につきあうのも仕方ないのかもしれない。
「ちっさー、本番頑張ろう。ね」
そうだった、今日は待ちに待った紅白の日だ。
前の日に取ったレコード大賞の最優秀新人賞、あれの余韻を残したままのステージになる。
レコード大賞に出られるだけでも名誉なのに、僕らはつんく♂さんも予想していなかった新人賞までもらった。
あの時、僕らは七人でやってきた中で最高の日になったね、って皆で話した。
僕なんか涙もろいからボロボロ泣いてしまったのに、舞ちゃんだけは他のメンバーも泣く中で泣かないでいた。
強いよな、舞ちゃんって。
でも、恋愛の事になるとそうもいかなくなるのかもな、と僕はふと考えた。
紅白出場が発表された日の顔、あれはすごく切なそうだった。
「また余計な事考えてるでしょ。今はステージに集中してね」
「気持ちの切り替えって思ったよりもずっと難しいよ。でも、やらないとなんだもんね」
「そうだよ、紅白で今年は終わるんだから」
僕らメンバーたちだけじゃなく、事務所の人もうちの家族もファンの人たち、皆が楽しみにしている日だ。
練習は嫌と言うほどやったんだから、後は本番で結果を出すだけじゃないか。
テレビを見ている人たち全員を幸せに出来たらいいな、僕たちの歌で。
℃-uteのメンバーだけじゃなく、ハロプロ皆でいいステージを作り上げていけたらいいな。
本番前にそれぞれのリラックス方法で出番を待つメンバーたち。
もう出番まで後わずか・・・
緊張がピークに達する中、僕らはとうとう紅白のステージに立ち、もてる力の全てを出し切ってきた。
何がなんだかよく覚えていないけれど、とにかく最高のパフォーマンスをみせられたとは思う。
これが2007年最後の大仕事になった。
来年始まってすぐにあるハロプロの中野のコンサート、そこから2008年はスタートする。
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