「桃ちゃん編 3」(2008/09/23 (火) 01:32:07) の最新版変更点
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とにかく最高のライブだった。
僕は聴きこんだアルバムの曲を唄ってもらえたこともあって、ファンの人たちと一緒になって踊った。
ライブが始まるとこんな調子だったから、舞美ちゃんたちがどうやってライブを楽しんでいるかなんて気にならなかった。
アテロビが続いていても、こんな風にライブが出来たかは怪しいから、羨ましい気持ちもなくはない。
それでも楽しめたのはBuono!の三人からも楽しいオーラが伝わってきたからだ。
愛理、雅ちゃん、桃ちゃん、最高のパフォーマンスをありがとう。
昼と夜の公演が終わり、僕は桃ちゃんに言われた通りに楽屋に向かおうと裏口に回った。
裏口では機材を運びだすスタッフさんが大勢いて、まさに今終わったんだなと実感してしまった。
さっきまでは僕も横浜BLITZの中ではしゃいでいたはずなのに、今ここにいるのはいまいちピンとこない。
まだライブが終わって後すぐとなって、体が飛び出しそうな興奮がある。
今なら何だって出来そうな気分になった僕は、帽子を目深に被ったまま警備員さんの前を通った。
当然のことながら呼びとめられ、ここから先は関係者以外禁止と機械がインプットされた言葉しか話さない印象しかない。
僕は仕方なしに帽子をとり、岡井千聖であることを証明する。
たまたま警備員さんが僕の顔を覚えていてくれたから、案外あっさりと通してもらえた。
中に入っても、後片付けをするスタッフさんの忙しさは変わらず、慌ただしく動き回っている。
スタッフさんを見ていたら、自分だけ完全にプライベートで遊びで来ていることを思って恥ずかしくなる。
手に握っていた帽子を目深に被り直して、楽屋まで走った。
Buono!の楽屋前までくるとドアをノックをしようとした手が止まった。
中からはBuono!の三人の声以外に、千奈美ちゃんや舞美ちゃんの声が混じっている。
そうか、舞美ちゃんたちが来ていることをすっかり忘れていた。
このまま、僕がノックしていいんだろうか?
ふとこんな疑問が出てきてしまったのだけれど、どうしようか。
スタッフさんのこともあって恥ずかしさはあったから、急きょ桃ちゃんをメールで呼び出すことにした。
『件名:ちょっと楽屋前まで来て よm(。・ω・。)mろm(。-_-。)mしm(_ _)mく
楽屋の前まで来ているから、悪いんだけど出てきてもらえないかな?
皆には内緒ね 千聖』
中からは桃ちゃんがトイレ行ってくると言いだす声が聞こえてきた。
どうやらメールをすぐに確認してくれたみたいで、楽屋の前まで出てくれるらしい。
楽屋のドアが開き、中からきょろきょろと周りを確認する桃ちゃんの頭がみえる。
僕は桃ちゃんに最低限聞こえる声でこっちまで来てと呼びかけた。
声を聞き、桃ちゃんは僕の居場所を発見して小指を立てながら走ってきた。
「もう、普通に楽屋に来ればいいじゃん。中には舞美たちもいるんだからさ」
「僕だけ遊びで来てるようなものだから、気まずいかなぁ~と思ってさ。そうそう、ライブ招待してくれてありがとう」
「うん、そうそう、まずはそこだよ。どうだった?」
最初は呼び出されて面倒そうだった桃ちゃんも、ライブのことになると目を輝かせて食いついてきた。
ライブを見に呼んだのだから、感想は気になって仕方なかったはずだ。
僕はありのままに桃ちゃんに感想をぶつけていた。
聞いていた桃ちゃんは最高の一言を聞き、「照れるじゃん」と照れ臭そうに笑い出した。
やっぱり桃ちゃんは笑顔が最高に可愛いなぁ。
「千聖がそう言ってくれるとはねぇ~お姉さん、とっても嬉しいかも」
「桃ちゃんが僕にお姉さんって言うの聞いたのは久々だ。そう言えば、そんなこともあったかなって感じがするよ」
「もぉ~私はキッズに入った時から、あんたのお姉さんだと思ってたよ。世話のかかる弟が増えたなって」
「世話がかかるとか言うけど、ベリーズのメンバーからみたら桃ちゃんこそ世話のかかるお姉ちゃんだよ」
「言ってくれるねぇ~私はあんたよりもしっかりしてるつもりだけどねぇ~」
桃ちゃんはそう言って腕を組んで、片方の口をうんとつり上げて不敵に笑い出す。
僕も負けじと桃ちゃんと同じポーズをして、鼻についた笑い方をして「どこが」と一言返す。
「あらあら、お姉さんは何でもお見通しなんですからね。舞美のことを好きなんだって千聖?」
「どこで聞いたのか知らないけど、それがどうかしたの?」
舞美ちゃんのことを話題に上げられるのはすごく勘弁してほしい。
それで怖気づいたら桃ちゃんの思うつぼなので、僕はゲキハロで培った演技力をフルに発揮させて見得をはる。
「それがどうかした? 面白いこというじゃない、ぼうや。私は舞美があんたをどう思ってるかも知ってるんだから」
「へぇ~じゃあ教えてもらいたいな」
「教えてあげてもいいけど、あんたがショック受けそうだからやめておくね」
「本当かな? 知らないくせにそう言って僕を騙そうとしているんじゃないの?」
「本当に知ってるから言ってるの。舞美は私の友達でもあるんだから、知ってて当然じゃない」
桃ちゃんが舞美ちゃんと仲がいいとは初耳だ。
確かにちょくちょくみかけていたけれど、友達にはあんまりみえなかったな。
いっつも桃ちゃんが一方的に舞美ちゃんに話しかけている場面しかみていないせいかもしれないけど。
「友達の桃ちゃんは何を知っているって言うのかな?」
「舞美があんたを好きってことよ・・・はっ、しまった・・・内緒にしておくはずだったのに」
自分で言った後、事の重大さに気づいた桃ちゃんは口を手で塞いでその場で地団駄を踏みはじめた。
「迂闊だったわ、あんた姑息ね」
「いや、ただ単に桃ちゃんが馬鹿なだけだと思うけど・・・」
「まぁいいわ。あんたも成長したってことで褒めてあげるから」
精一杯の強がりをみせる桃ちゃんは、これはこれで可愛いのでほおっておく。
「私がライブに呼んだっていうのも、それに関連したことっていえば関連したことなんだけどね」
「あ、そう言えばどうして僕を呼んだのかははっきりしてなかったもんね」
「あんたをね、舞美に相応しい男かどうか試してあげる」
桃ちゃんはまた腕を組んで偉そうにこう言うのだった。
とにかく最高のライブだった。
僕は聴きこんだアルバムの曲を唄ってもらえたこともあって、ファンの人たちと一緒になって踊った。
ライブが始まるとこんな調子だったから、舞美ちゃんたちがどうやってライブを楽しんでいるかなんて気にならなかった。
アテロビが続いていても、こんな風にライブが出来たかは怪しいから、羨ましい気持ちもなくはない。
それでも楽しめたのはBuono!の三人からも楽しいオーラが伝わってきたからだ。
愛理、雅ちゃん、桃ちゃん、最高のパフォーマンスをありがとう。
昼と夜の公演が終わり、僕は桃ちゃんに言われた通りに楽屋に向かおうと裏口に回った。
裏口では機材を運びだすスタッフさんが大勢いて、まさに今終わったんだなと実感してしまった。
さっきまでは僕も横浜BLITZの中ではしゃいでいたはずなのに、今ここにいるのはいまいちピンとこない。
まだライブが終わって後すぐとなって、体が飛び出しそうな興奮がある。
今なら何だって出来そうな気分になった僕は、帽子を目深に被ったまま警備員さんの前を通った。
当然のことながら呼びとめられ、ここから先は関係者以外禁止と機械がインプットされた言葉しか話さない印象しかない。
僕は仕方なしに帽子をとり、岡井千聖であることを証明する。
たまたま警備員さんが僕の顔を覚えていてくれたから、案外あっさりと通してもらえた。
中に入っても、後片付けをするスタッフさんの忙しさは変わらず、慌ただしく動き回っている。
スタッフさんを見ていたら、自分だけ完全にプライベートで遊びで来ていることを思って恥ずかしくなる。
手に握っていた帽子を目深に被り直して、楽屋まで走った。
Buono!の楽屋前までくるとドアをノックをしようとした手が止まった。
中からはBuono!の三人の声以外に、千奈美ちゃんや舞美ちゃんの声が混じっている。
そうか、舞美ちゃんたちが来ていることをすっかり忘れていた。
このまま、僕がノックしていいんだろうか?
ふとこんな疑問が出てきてしまったのだけれど、どうしようか。
スタッフさんのこともあって恥ずかしさはあったから、急きょ桃ちゃんをメールで呼び出すことにした。
『件名:ちょっと楽屋前まで来て よm(。・ω・。)mろm(。-_-。)mしm(_ _)mく
楽屋の前まで来ているから、悪いんだけど出てきてもらえないかな?
皆には内緒ね 千聖』
中からは桃ちゃんがトイレ行ってくると言いだす声が聞こえてきた。
どうやらメールをすぐに確認してくれたみたいで、楽屋の前まで出てくれるらしい。
楽屋のドアが開き、中からきょろきょろと周りを確認する桃ちゃんの頭がみえる。
僕は桃ちゃんに最低限聞こえる声でこっちまで来てと呼びかけた。
声を聞き、桃ちゃんは僕の居場所を発見して小指を立てながら走ってきた。
「もう、普通に楽屋に来ればいいじゃん。中には舞美たちもいるんだからさ」
「僕だけ遊びで来てるようなものだから、気まずいかなぁ~と思ってさ。そうそう、ライブ招待してくれてありがとう」
「うん、そうそう、まずはそこだよ。どうだった?」
最初は呼び出されて面倒そうだった桃ちゃんも、ライブのことになると目を輝かせて食いついてきた。
ライブを見に呼んだのだから、感想は気になって仕方なかったはずだ。
僕はありのままに桃ちゃんに感想をぶつけていた。
聞いていた桃ちゃんは最高の一言を聞き、「照れるじゃん」と照れ臭そうに笑い出した。
やっぱり桃ちゃんは笑顔が最高に可愛いなぁ。
「千聖がそう言ってくれるとはねぇ~お姉さん、とっても嬉しいかも」
「桃ちゃんが僕にお姉さんって言うの聞いたのは久々だ。そう言えば、そんなこともあったかなって感じがするよ」
「もぉ~私はキッズに入った時から、あんたのお姉さんだと思ってたよ。世話のかかる弟が増えたなって」
「世話がかかるとか言うけど、ベリーズのメンバーからみたら桃ちゃんこそ世話のかかるお姉ちゃんだよ」
「言ってくれるねぇ~私はあんたよりもしっかりしてるつもりだけどねぇ~」
桃ちゃんはそう言って腕を組んで、片方の口をうんとつり上げて不敵に笑い出す。
僕も負けじと桃ちゃんと同じポーズをして、鼻についた笑い方をして「どこが」と一言返す。
「あらあら、お姉さんは何でもお見通しなんですからね。舞美のことを好きなんだって千聖?」
「どこで聞いたのか知らないけど、それがどうかしたの?」
舞美ちゃんのことを話題に上げられるのはすごく勘弁してほしい。
それで怖気づいたら桃ちゃんの思うつぼなので、僕はゲキハロで培った演技力をフルに発揮させて見得をはる。
「それがどうかした? 面白いこというじゃない、ぼうや。私は舞美があんたをどう思ってるかも知ってるんだから」
「へぇ~じゃあ教えてもらいたいな」
「教えてあげてもいいけど、あんたがショック受けそうだからやめておくね」
「本当かな? 知らないくせにそう言って僕を騙そうとしているんじゃないの?」
「本当に知ってるから言ってるの。舞美は私の友達でもあるんだから、知ってて当然じゃない」
桃ちゃんが舞美ちゃんと仲がいいとは初耳だ。
確かにちょくちょくみかけていたけれど、友達にはあんまりみえなかったな。
いっつも桃ちゃんが一方的に舞美ちゃんに話しかけている場面しかみていないせいかもしれないけど。
「友達の桃ちゃんは何を知っているって言うのかな?」
「舞美があんたを好きってことよ・・・はっ、しまった・・・内緒にしておくはずだったのに」
自分で言った後、事の重大さに気づいた桃ちゃんは口を手で塞いでその場で地団駄を踏みはじめた。
「迂闊だったわ、あんた姑息ね」
「いや、ただ単に桃ちゃんが馬鹿なだけだと思うけど・・・」
「まぁいいわ。あんたも成長したってことで褒めてあげるから」
精一杯の強がりをみせる桃ちゃんは、これはこれで可愛いのでほおっておく。
「私がライブに呼んだっていうのも、それに関連したことっていえば関連したことなんだけどね」
「あ、そう言えばどうして僕を呼んだのかははっきりしてなかったもんね」
「あんたをね、舞美に相応しい男かどうか試してあげる」
桃ちゃんはまた腕を組んで偉そうにこう言うのだった。
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