「紅の出会い」(2008/03/07 (金) 10:51:10) の最新版変更点
追加された行は緑色になります。
削除された行は赤色になります。
**紅の出会い ◆c92qFeyVpE
「セイン……嘘だろ?」
赤毛の少女、ノーヴェは学校のある教室の中で呆然と呟いた。
自分と同じ戦闘機人の一人、正直苦手な部分もあったが、それでも自分の姉に違いなかったセインが呆気なく死んでいった光景を思い出し、ノーヴェは口元を抑える。
彼女が死というものを見るのは初めてだった、
かつて時空管理局の地上本部を壊滅に追い込んだ時も、「できる限り殺さない」という自分を作り出したドクターの言う通りにしていたため、死とは無縁の人生だったのだ。
そして今、ノーヴェは死と真正面から向き合うこととなった、自分の姉の死という形で。
「や、だ……チンク姉……!」
震えながら、思わず自分が最も慕う姉の名を呼び……慌てて側に置いてあったPDAを操作して名簿を開く。
「やっぱり、チンク姉も参加させられてる……それに、あの二人も……」
チンク、そしてスバルとギンガの名前を見つけてノーヴェは思案する。
ナカジマ姉妹は魔法が使えるから自分達よりは戦闘力はあるはずだ、
問題は自分とチンクの二人、ノーヴェのISは武装をはずされてしまっては威力が半減するし、チンクもそのたびに金属を調達しなくてはならない。
「……守らなきゃ、チンク姉は、私が守るんだ」
言い聞かせるように何度か呟く。
だんだんと震えが治まり、再びPDAを操作して支給品を確認する。
「これ……質量兵器?」
転送したリボルバー式の銃を手に取り、その実体を確かめるように呟く。
データでしか見たことがなかったが、基本的な使い方は知っている。引き金を引くだけで弾が出て相手を殺せる。
子供でも簡単に人を殺せる兵器、先ほど治まった震えが再びぶり返しそうになった。
「だけど、これなら戦える……」
銃を強く握りしめ教室から出ていく、
そのまま玄関まで来たところで、背後から迫る気配に振り返り銃を――
「っ!?」
構える前に振るわれた野太刀が銃を弾く、それでも銃を放さなかったのは戦闘機人の力のおかげだろう。
野太刀を振るい体勢が崩れている相手の頭部目がけて左足で蹴りこむが、赤いアーマーを着たその男は自ら倒れこんでそれを回避する。
倒れた状態から器用に振るわれた太刀が軸足に迫り、ノーヴェはその太刀を狙って銃の引き金を引く。
「うわっ!?」
「何!?」
ノーヴェにとって幸運だったのは、銃声が響いた瞬間男が太刀を引いたことだろう。
でなければ、銃の反動によって倒れた彼女は無残にも切り裂かれていたに違いない。
「ってぇ……か、火薬の反動って、こんなにあるのかよ……」
「お前何者なんだ? 戦い方は素人じゃないのに、まるで素人みたいなミスだ」
慌てて顔をあげると、男はノーヴェに向けって野太刀の切っ先を突き付けていた。
自分が敗北したことを悟り、表情を歪ませる。
「ぅっせぇ……質量兵器なんて使ったことがないんだよ」
「バスタータイプのレプリロイドなのか……? だとするとエックスのバスターも……」
「レプリ……? どうでもいいけど、殺すならさっさと殺せよ」
諦めたように目を閉じるが、男は動こうとせずに、しばらく考え口を開く。
「お前、仮に俺が見逃したらこの壊し合いに乗るつもりはあるか?」
「……? 絶対にない」
「それを証明できる手段は?」
意図の掴めない男の質問に苛立ちながら、ノーヴェは考える。
この状況下で証明する方法など――あった。
「……シグマとかいう奴に殺されたの……私の、姉だ」
「――っ、そうか」
苦い顔で言うノーヴェに、男は刃を納める。
「……殺さないのか?」
「俺はこんなゲームに乗ってはいない。無駄な殺戮なんてゴメンだな」
「じゃあ、何でいきなり襲ってきたんだよ」
「……銃を握りしめて『戦える……』なんて低い声で呟いてる奴に――」
「いや、いい、私が悪かった」
頭を押さえながら男の言葉を遮る。
そんな前から見られていたのに気づかなかったとは、どうやら自分の動揺は相当なものらしい。
――こんな様じゃ、チンク姉を守るなんて言えないな。
大きく溜息を吐くノーヴェを見て、男は思い出したように声をかけた。
「そういえば、まだ名乗ってなかったな。俺はゼロ、イレギュラーハンターだ」
「……ノーヴェ、時空管理局の所属だ」
「時空? 聞いたことがないな」
「ぁー、説明すると長くなるんだよな……」
「そうか……なら、どこかその辺の部屋で情報交換とでもいこう」
――あれ、なんか私流されっぱなしじゃないか?
そんな事を一瞬考えるが、さっさと手頃な教室に入っていってしまうゼロを慌てて追いかけていく。
【C-5 学校、一階玄関近くの教室/一日目 深夜】
【ノーヴェ@魔法少女リリカルなのはStrikerS】
[状態]:健康・わずかに動揺
[装備]:スタームルガー レッドホーク、装弾数5/6@ターミネーター2
[道具]:支給品一式 不明支給品1~2(未確認)
[思考・状況]
基本:チンク姉を守る、シグマを倒す
1:ゼロと情報交換
2:チンクを探して合流……まぁ、スバルとギンガも見つけたらな、見つけたら……
3:自分の武器を取り戻したい
※本編終了後の参戦です。
【ゼロ@ロックマンX】
[状態]:健康
[装備]:野太刀「夕凪」@魔法先生ネギま!
[道具]:支給品一式 不明支給品1~2(未確認)
[思考・状況]
基本:シグマを倒す
1:ノーヴェと情報交換
2:エックスを探す
3:シグマ、何を企んでる?
※ノーヴェをレプリロイドだと思っています。
*時系列順で読む
Back:[[突っ走れ]] Next:[[ギンガ幻影]]
*投下順で読む
Back:[[突っ走れ]] Next:[[ギンガ幻影]]
|&color(cyan){GAME START}|ノーヴェ| |
|000:[[オープニング]]|ゼロ| |
**紅の出会い ◆c92qFeyVpE
「セイン……嘘だろ?」
赤毛の少女、ノーヴェは学校のある教室の中で呆然と呟いた。
自分と同じ戦闘機人の一人、正直苦手な部分もあったが、それでも自分の姉に違いなかったセインが呆気なく死んでいった光景を思い出し、ノーヴェは口元を抑える。
彼女が死というものを見るのは初めてだった、
かつて時空管理局の地上本部を壊滅に追い込んだ時も、「できる限り殺さない」という自分を作り出したドクターの言う通りにしていたため、死とは無縁の人生だったのだ。
そして今、ノーヴェは死と真正面から向き合うこととなった、自分の姉の死という形で。
「や、だ……チンク姉……!」
震えながら、思わず自分が最も慕う姉の名を呼び……慌てて側に置いてあったPDAを操作して名簿を開く。
「やっぱり、チンク姉も参加させられてる……それに、あの二人も……」
チンク、そしてスバルとギンガの名前を見つけてノーヴェは思案する。
ナカジマ姉妹は魔法が使えるから自分達よりは戦闘力はあるはずだ、
問題は自分とチンクの二人、ノーヴェのISは武装をはずされてしまっては威力が半減するし、チンクもそのたびに金属を調達しなくてはならない。
「……守らなきゃ、チンク姉は、私が守るんだ」
言い聞かせるように何度か呟く。
だんだんと震えが治まり、再びPDAを操作して支給品を確認する。
「これ……質量兵器?」
転送したリボルバー式の銃を手に取り、その実体を確かめるように呟く。
データでしか見たことがなかったが、基本的な使い方は知っている。引き金を引くだけで弾が出て相手を殺せる。
子供でも簡単に人を殺せる兵器、先ほど治まった震えが再びぶり返しそうになった。
「だけど、これなら戦える……」
銃を強く握りしめ教室から出ていく、
そのまま玄関まで来たところで、背後から迫る気配に振り返り銃を――
「っ!?」
構える前に振るわれた野太刀が銃を弾く、それでも銃を放さなかったのは戦闘機人の力のおかげだろう。
野太刀を振るい体勢が崩れている相手の頭部目がけて左足で蹴りこむが、赤いアーマーを着たその男は自ら倒れこんでそれを回避する。
倒れた状態から器用に振るわれた太刀が軸足に迫り、ノーヴェはその太刀を狙って銃の引き金を引く。
「うわっ!?」
「何!?」
ノーヴェにとって幸運だったのは、銃声が響いた瞬間男が太刀を引いたことだろう。
でなければ、銃の反動によって倒れた彼女は無残にも切り裂かれていたに違いない。
「ってぇ……か、火薬の反動って、こんなにあるのかよ……」
「お前何者なんだ? 戦い方は素人じゃないのに、まるで素人みたいなミスだ」
慌てて顔をあげると、男はノーヴェに向けって野太刀の切っ先を突き付けていた。
自分が敗北したことを悟り、表情を歪ませる。
「ぅっせぇ……質量兵器なんて使ったことがないんだよ」
「バスタータイプのレプリロイドなのか……? だとするとエックスのバスターも……」
「レプリ……? どうでもいいけど、殺すならさっさと殺せよ」
諦めたように目を閉じるが、男は動こうとせずに、しばらく考え口を開く。
「お前、仮に俺が見逃したらこの壊し合いに乗るつもりはあるか?」
「……? 絶対にない」
「それを証明できる手段は?」
意図の掴めない男の質問に苛立ちながら、ノーヴェは考える。
この状況下で証明する方法など――あった。
「……シグマとかいう奴に殺されたの……私の、姉だ」
「――っ、そうか」
苦い顔で言うノーヴェに、男は刃を納める。
「……殺さないのか?」
「俺はこんなゲームに乗ってはいない。無駄な殺戮なんてゴメンだな」
「じゃあ、何でいきなり襲ってきたんだよ」
「……銃を握りしめて『戦える……』なんて低い声で呟いてる奴に――」
「いや、いい、私が悪かった」
頭を押さえながら男の言葉を遮る。
そんな前から見られていたのに気づかなかったとは、どうやら自分の動揺は相当なものらしい。
――こんな様じゃ、チンク姉を守るなんて言えないな。
大きく溜息を吐くノーヴェを見て、男は思い出したように声をかけた。
「そういえば、まだ名乗ってなかったな。俺はゼロ、イレギュラーハンターだ」
「……ノーヴェ、時空管理局の所属だ」
「時空? 聞いたことがないな」
「ぁー、説明すると長くなるんだよな……」
「そうか……なら、どこかその辺の部屋で情報交換とでもいこう」
――あれ、なんか私流されっぱなしじゃないか?
そんな事を一瞬考えるが、さっさと手頃な教室に入っていってしまうゼロを慌てて追いかけていく。
【C-5 学校、一階玄関近くの教室/一日目 深夜】
【ノーヴェ@魔法少女リリカルなのはStrikerS】
[状態]:健康・わずかに動揺
[装備]:スタームルガー レッドホーク、装弾数5/6@ターミネーター2
[道具]:支給品一式 不明支給品1~2(未確認)
[思考・状況]
基本:チンク姉を守る、シグマを倒す
1:ゼロと情報交換
2:チンクを探して合流……まぁ、スバルとギンガも見つけたらな、見つけたら……
3:自分の武器を取り戻したい
※本編終了後の参戦です。
【ゼロ@ロックマンX】
[状態]:健康
[装備]:野太刀「夕凪」@魔法先生ネギま!
[道具]:支給品一式 不明支給品1~2(未確認)
[思考・状況]
基本:シグマを倒す
1:ノーヴェと情報交換
2:エックスを探す
3:シグマ、何を企んでる?
※ノーヴェをレプリロイドだと思っています。
*時系列順で読む
Back:[[突っ走れ]] Next:[[ギンガ幻影]]
*投下順で読む
Back:[[突っ走れ]] Next:[[ギンガ幻影]]
|&color(cyan){GAME START}|ノーヴェ|045:[[Take me higher!(前編)]]|
|000:[[オープニング]]|ゼロ|045:[[Take me higher!(前編)]]|
表示オプション
横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: