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448 :名無しさん@ピンキー:2008/12/13(土) 21:49:20 ID:ZQJNCVUL 『 弟のご主人さま 』 ------------------------------------------- 【  1  】 「ご主人様、お帰りなさいませ! お風呂とメシと俺と、どれにする?」  先月4年生に上がったばかりの弟の出迎えに、俺は靴を脱ぐのも忘れてその眼を点にさせる。 「なんだよアニキ、早く上がれよ。ハラへってんだろ? 風呂も沸いてるぞ」  一張羅のTシャツと半ズボンの上に、学校給食のかっぽう着を着こんだ弟はそう言って俺の手を引く。  そうしてそんな帰宅を果たしながら、 「何やってんだ、お前?」  ようやく俺はその行動の真意を弟に訪ねていた。 「なにって、『メイド』じゃん。見て判んない?」  俺のカバンを胸に抱いた弟は、背中からの問いに振り向きながら答えてみせる。 「いや、普通に『給食当番』にしか見えないよ。どういう遊びだ、これは?」 「なんだよッ。メイドカフェに行きたいって言いだしたのはアニキだろ!」  ついには完全に振り返って、何やら憤慨した様子で俺を見上げてくる弟に―― 「あぁ、アレか」  俺もようやく、こいつのやりたいことを理解した。  2~3日前のことだったと思う。  たしか夕食後にテレビを見ていた俺は、偶然そこに映し出された秋葉原のメイドカフェに、『メイドカフェって面白いのか?』的なことをこの弟と話したのであった。  しかしながら、よもやその時の会話が今日のこれに繋がるとは思ってもおらなんだ。ただただ俺は、かっぽう着姿をメイドと言い張る弟の滑稽さに苦笑いするばかりであった。 「笑うなー! 俺だって恥ずかしいんだぞ! でもアニキ、今日が誕生日だろ? 俺カネねーし、こんなことぐらいしかしてやれないもん」 「覚えてたか、それを」  会話しながらに奴を追い越してリビングに入ると、俺は深いため息といっしょにソファへと座り込んだ。 「気持ちは嬉しいけどな、そういうのは本当に『気持ち』だけでいいんだぜ? 子供が変に気を遣うなよ」  そうして後についてその隣に座る弟の頭を、ワシワシと俺も荒くなでる。正直、悪い気持ちはしなかった。こうした家族の思いやりというものは、得てして何よりも嬉しいものだったりする。――特に、俺達のように『複雑』な家庭環境を持つ者達にとっては。 「だけど……俺だって、アニキに感謝してるんだもん」  すっかりその気をそがれてしまい、どこか拗ねたように両肩をすくめて体を小さくさせる弟。 「とーちゃん、かーちゃんがいなくなってから、ずっとアニキが俺の面倒見てくれてるじゃん。俺だって、なにか恩返しがしたいよ。……アニキの面倒をみてやりたい」  それで『メイド』か――思わず頷く。あながち、思い付きだけの行動でもなさそうだった。  弟の言う通り、俺たち兄弟に両親はいない。  今から少し前――父母が交通事故で他界して以来俺は、大学を中退して働く傍らこの弟の世話をみているのだ。  加えて言うなら、この弟も実の兄弟ではなかったりもする。再婚相手であった義母さんの連れ子が誰でもないコイツであった。それゆえに、「俺の世話になる」ということに対してもこのヤンチャっ子は、人並ならぬ感情を抱いているのであるのだろう。  そう考えると、途端に今の弟が不憫に思えてきた。  奴なりに考えての行動なのだ。それを「必要ない」と無碍に断ってしまっては、コイツの想いの行き場がなくなる。差し出した愛情を否定されることほど子供にとって辛いものはないだろう。  そう思ったから―― 「よしよし、判ったわかった。じゃあ、ひとつ頼もうとするか」  俺は弟の提案を――この弟プロデュースによる『メイドカフェ』を満喫することに決めた。 「ホント? いいのッ?」 「おうさ、よろしく頼もうか? じゃ、適当に見繕ってくれるか」 「あいよッ、よろこんでー♪ メイドの活きの良いのが入ってるよッ♪」  もはや『メイドカフェ』の原型など微塵も残されていないやり取りを以て、弟の『メイドカフェ』はここにオープンしたのだった。 451 :弟のご主人さま・2:2008/12/14(日) 07:22:19 ID:5UzLfM9h 【  2-1  】 「じゃあ、まずはお風呂ね」 「おいおい、『カフェ』じゃないのか?」 「え、ダメ? 『ご飯』の方が先がいい?」  先程の出迎えの時といい、どこか『新婚さん』とごっちゃになっている。しかしながら水を差してしまうのも悪い と思い、ここは弟のコースに従うことにした。  更衣室から湯船の様子を確認すると、俺はその日一日の汗と疲れにまみれたワイシャツを脱ぎ捨てる。そしてそんな 俺の傍らで――弟もまたかっぽう着やら何やらを脱ぎだしていた。 「おい、お前も入るのか?」 「あったりまえだろ。そうでなきゃ『サービス』できねーじゃん」 「サービスぅ?」  なにやらキナ臭くなってきた。  そうして互い全裸になると、弟は駆け込むよう俺の一歩前に進んで浴室へと入る。そして後から入ってくる俺に 対して振り返り、両膝を折って三つ指突いたかと思うと―― 「いらっしゃいませ~♪」  まるでソープ嬢よろしくに、俺へと会釈してくるのだった。 「お前……どこで覚えてきやがった」 「なにが? だって「こーゆー」風にするんだろ、メイドは?」  憮然として鼻を鳴らす俺の手を引くと、弟は何を注意されているのかも判らないといった様子で俺を浴室のイスに座らせる。 「ケンタのところの兄ちゃんが言ってたぞ。『アキバ系の風呂屋に行ってきた』って。これも同んなじメイドだろ?」 「アキバ系の風呂屋って……お前、いったい何を教わってきた? それは完全に――」  思わぬ言葉に俺は両肩を跳ねあがらせる。そして勘違いも甚だしい弟の間違いを正そうとしたその時であった。  生暖かくもボディーソープの冷たさを帯びたそれが、 「うぉッ!? な、なんだオイ!」 ぬるりつるりと俺の背中に触れた。  その感触に思わず声を上げる俺。  依然として俺の背を走りつづけるそれ。つるりとした感触の中に二つ、ちいさな突起物がコリコリと背を掻く肌触りが 何とも心地よい。そしてさらには腰の下――腰椎のその上に触れた、ひときわ柔らかくふくよかな弾力を持ったその感触 に、俺は自分の背中にて行われていることを理解する。  それこそは、 「お前ッ、『泡踊り』してやがんな!」 「え? これ、そーゆー名前なの?」  首だけ振り返らせるそこには全身泡だらけになって俺の背中に抱きついている弟の姿。自分の前面をスポンジ代わりに 俺の背を流していたのである。……つまりは先ほど背に当たっていた二つの突起物は奴の乳首、そしてあの大きく柔らかい 感触は紛う方なきコイツのチンコとタマに間違いなかった。 452 :弟のご主人さま・2:2008/12/14(日) 07:23:12 ID:5UzLfM9h 【 2-2 】 「どこで覚えてきやがる、ませガキ! この!」 「いってぇー! なにすんだよぉ!」  完全に振り返り、そのド頭にゲンコツをお見舞いする俺を、弟はどこか恨めしそうな顔で見上げた。 「お前なぁ、少し悪ふざけが過ぎるぞ」 「だって、アニキだって喜んでくれてたんじゃないのかよ?」  そうして説教モードに突入しようとしている俺に、弟も思わぬ反撃をしてくる。 「喜ぶわけねぇだろ。だいたいだな――」 「じゃあ、なんでそんなにチンコビンビンにしてんだよ!」 「はぁ?」  言われて俺も弟の視線を追い自分の股間へと目を落とす。二人が見つめるその先には――赤剥けた亀頭をこれ以上になく 充血させた凶悪極まりない俺のが、まるで目の前の弟目指して伸びるかのよう高く硬く屹立しているのであった。  その一瞬、何が自分のなかで起こっているのか判らなかった。  どうしてこんなにも、痛々しいほどにまで俺は勃起してしまっているのだろう?  たしかにあの柔肌の感触は女のそれに通じるものがあった。そこから異性を意識し、勃起にまで直結してしまったと考える ことも出来るかもしれないが――それにしてもこの怒張の仕方は異常だ。  気がつけば亀頭は、内出血からむず痒さを感じるほどにまで充血して硬くなっている。たかが『女の体を思い出した』程度 で片付けられるような状態ではない。 ――なんでこんなに硬くなってんだ? こんなの最近でも無かったのに……。  ただただ戸惑いつづける俺は、 「ア、アニキのチンコ……すごいね」  そんな弟の声へ我に返る。 「ば、バカ! まじまじと見てんなよ!」 「あー、隠さないでよッ。もうちょっとだけ」  どぎまぎしながらタオルでそこを隠す俺に、弟も名残惜しげな声を上げる。  すっかり叱りつけてやる気が萎えてしまった。(……チンコは依然とビンビンなわけだが) 「と、とにかくそのサービスはいいからッ。もうやるなよ?」 「はーい。……ちぇ、つまんないの」  再び背を向けてかけられる俺の声に、弟も後ろ頭に手を組み、興醒めた様子で返事を返す。  その後はいつもと変わりなく体を洗い、弟とそろって湯船に浸かる。そうして一息つく頃には、俺のあの屹立したイチモツも ようやく元通りの姿へと戻っていた。 ――溜まってる、か? 週末は本当に『風呂屋』にでも行くかな……。  湯船の中、タオルの湯遊びに熱中している弟を両膝の間に収めながら俺はそんなことを考える。  そうしてふと巡らせた視線の先に――俺は弟のうなじを見つめて息をのむ。  真っ黒に、夏のブドウのよう黒く艶やかに日焼けしたそんな弟のうなじを見つめたまま、俺は再び胸中に湧き上がる情欲を ため息とともに吐き出すのであった。 457 :弟のご主人さま・3:2008/12/14(日) 22:42:47 ID:5UzLfM9h 【 3-1 】    どうにも今日の俺はおかしい――。  湯上りの体を浴衣のそでに通し、その熱に蒸れた頭をタオルで擦りながら俺は考えていた。  先の浴場にて、欲情してしまったことについてである。  洒落ではない。シャレじゃ済まない。よりにもよってその相手は『弟』なのだ。  言うまでもなく、俺に同性愛の趣味などは微塵もない。また小児愛などといった特殊な性癖とて然りだ。  とはいえ先程の俺は、こともあろうに弟へ対して欲情していた。  熱気こもる浴室の中で本当に俺は、今にもアイツをその背中から抱きしめて、そのうなじに歯を立てようとすら追い込まれて いたのである。  しかしながらそれも、『夕食の準備があるから』と先に弟が風呂を出てくれたおかげで何とか未遂に納まった。……助かった のだ、アイツは。そして俺も。  弟は、今の俺にとってかけがえのない存在であった。  今より数年前、初めてこの家を訪れた義母の背後で、隠れるようにそこから俺を見上げていたアイツの顔は今でも覚えている。  下唇をくわえこんで恐れながらもどこか恥ずかしげに、新たな兄弟となる俺を見上げてくるその視線を俺はたまらなく愛しく 思ったものだった。  そうして兄弟となれた俺達は、互い一人っ子であったという環境もあってかすぐに仲良くなった。  家族以外の誰かを『愛した』、初めての相手であった。 「ん? 愛してる?」  自分の考えに俺は頭を拭いていた手を止める。  その言葉――『愛している』の言葉に、俺の疑問は真理へと導かれようとしていた。 「愛してるのか? 愛しているのなら……でも、そんな――」  そして俺の中でその結論が結ばれようとしたその時、 『アニキ~、何してるのーッ? メシ、冷めちゃうよーッ』  不意に台所から響いた弟の声に、そんな俺の思考は断たれた。  同時に我へも返り、 「……何考えてんだッ、俺は!」  強く頭を振ると乱れた髪を両手ですくい上げ、俺は更衣室を後にした。 ――俺は、アイツを愛してる。ただし『家族』としてだ。ただ、それだけだ。  そう、自分の中で結論付ける。 「週末はソープだな。120分掛けて、たっぷり抜いてきてやる」  そうして俺は台所を抜けると、食卓のある居間へと歩を進める。 458 :弟のご主人さま・3:2008/12/14(日) 22:43:55 ID:5UzLfM9h 【 3-2 】  居間にはその真ん中にちゃぶ台が一つ。  その上の中央には何やら鍋と、そしてそれぞれが座る席の前には本日のメインとなるウナギのかば焼きとレバニラ炒めが用意 されていた。  そしてそれを見下ろす俺へと、 「ご主人さま! 今日の献立はうなぎにレバニラスッポン鍋だぜ! いっぱい食ってくれよな!」  再びかっぽう着姿に身を包んだ弟が、茶碗へ大盛りによそったご飯を俺へと差し出してくれているのだった。  そんな弟を――俺は顔を寄せて正面からまじまじとみつめる。 「な、なんだよ? なぁに?」  その俺の真剣なまなざしに当の弟も紅潮する。しかし俺は、 「――よしッ」  俺は一人頷いて大きく安堵のため息をついた。  こうして再び弟を前にしても、あの風呂場のような衝動に駆られることはなかった。完全に俺は自分を取り戻していた。 ――そのことに安堵したのである。 「やっぱり、俺の勘違いだったな」 「何が?」  あぐらをかいて座ってる弟のその隣に、俺も呟きながら腰を下ろす。 「なんでもないよ。それよりもスゲーおかずだな、今日は。じゃあビールも出してくれよ、メイドさん」 「変なのー。じゃあ、持ってくるね」  そうして立ち上がり台所へとパタパタ走り出す弟。同時にちゃぶ台の上に鍋を取り分ける小皿がないことに気づき、俺は追加して それを持って来てもらおうと振り返る。 「おーい、ついでに小皿を――」  しかしその瞬間、俺は完全に固まってしまう。 「えー、なぁにー?」  立ち止まり首だけ振り返らせて俺を見る弟――そんな弟は、いま着ているかっぽう着以外、何一つ纏ってはいなかった。  裸エプロンならぬ、『裸かっぽう着』姿の弟――黒く日焼けした背面の中、その尻周りだけが日焼けを逃れ、白く無垢な殿部を俺 の前にさらしていた。 「………………」  それを前にして、もはや俺は何も言わずに立ち上がる。 「え? どーしたの、アニキ?」  そして近づいてくる俺を見上げて小首を傾げる弟。そんな弟を肩に担ぎ上げると、 「もういい……犯す!」 「え? えぇ? えーッ?」  俺は独りごちるようそれだけを告げて歩き出した。  もはやそのこと以外に何も考えられなくなっていた。弟の尻を前にしたあの瞬間、何かが俺の中で『切れた』ことを感じた。  ただ再び怒張してしまった陰茎を納めたくて、そしてただただコイツを思いの限りに犯してやりたくて――そんな想いにだけ駆られて、 俺は弟を自室へと運ぶのであった。   -[[:『 弟のご主人さま・4~6 』]]
448 :名無しさん@ピンキー:2008/12/13(土) 21:49:20 ID:ZQJNCVUL 『 弟のご主人さま 』 ------------------------------------------- 【  1  】 「ご主人様、お帰りなさいませ! お風呂とメシと俺と、どれにする?」  先月4年生に上がったばかりの弟の出迎えに、俺は靴を脱ぐのも忘れてその眼を点にさせる。 「なんだよアニキ、早く上がれよ。ハラへってんだろ? 風呂も沸いてるぞ」  一張羅のTシャツと半ズボンの上に、学校給食のかっぽう着を着こんだ弟はそう言って俺の手を引く。  そうしてそんな帰宅を果たしながら、 「何やってんだ、お前?」  ようやく俺はその行動の真意を弟に訪ねていた。 「なにって、『メイド』じゃん。見て判んない?」  俺のカバンを胸に抱いた弟は、背中からの問いに振り向きながら答えてみせる。 「いや、普通に『給食当番』にしか見えないよ。どういう遊びだ、これは?」 「なんだよッ。メイドカフェに行きたいって言いだしたのはアニキだろ!」  ついには完全に振り返って、何やら憤慨した様子で俺を見上げてくる弟に―― 「あぁ、アレか」  俺もようやく、こいつのやりたいことを理解した。  2~3日前のことだったと思う。  たしか夕食後にテレビを見ていた俺は、偶然そこに映し出された秋葉原のメイドカフェに、『メイドカフェって面白いのか?』的なことをこの弟と話したのであった。  しかしながら、よもやその時の会話が今日のこれに繋がるとは思ってもおらなんだ。ただただ俺は、かっぽう着姿をメイドと言い張る弟の滑稽さに苦笑いするばかりであった。 「笑うなー! 俺だって恥ずかしいんだぞ! でもアニキ、今日が誕生日だろ? 俺カネねーし、こんなことぐらいしかしてやれないもん」 「覚えてたか、それを」  会話しながらに奴を追い越してリビングに入ると、俺は深いため息といっしょにソファへと座り込んだ。 「気持ちは嬉しいけどな、そういうのは本当に『気持ち』だけでいいんだぜ? 子供が変に気を遣うなよ」  そうして後についてその隣に座る弟の頭を、ワシワシと俺も荒くなでる。正直、悪い気持ちはしなかった。こうした家族の思いやりというものは、得てして何よりも嬉しいものだったりする。――特に、俺達のように『複雑』な家庭環境を持つ者達にとっては。 「だけど……俺だって、アニキに感謝してるんだもん」  すっかりその気をそがれてしまい、どこか拗ねたように両肩をすくめて体を小さくさせる弟。 「とーちゃん、かーちゃんがいなくなってから、ずっとアニキが俺の面倒見てくれてるじゃん。俺だって、なにか恩返しがしたいよ。……アニキの面倒をみてやりたい」  それで『メイド』か――思わず頷く。あながち、思い付きだけの行動でもなさそうだった。  弟の言う通り、俺たち兄弟に両親はいない。  今から少し前――父母が交通事故で他界して以来俺は、大学を中退して働く傍らこの弟の世話をみているのだ。  加えて言うなら、この弟も実の兄弟ではなかったりもする。再婚相手であった義母さんの連れ子が誰でもないコイツであった。それゆえに、「俺の世話になる」ということに対してもこのヤンチャっ子は、人並ならぬ感情を抱いているのであるのだろう。  そう考えると、途端に今の弟が不憫に思えてきた。  奴なりに考えての行動なのだ。それを「必要ない」と無碍に断ってしまっては、コイツの想いの行き場がなくなる。差し出した愛情を否定されることほど子供にとって辛いものはないだろう。  そう思ったから―― 「よしよし、判ったわかった。じゃあ、ひとつ頼もうとするか」  俺は弟の提案を――この弟プロデュースによる『メイドカフェ』を満喫することに決めた。 「ホント? いいのッ?」 「おうさ、よろしく頼もうか? じゃ、適当に見繕ってくれるか」 「あいよッ、よろこんでー♪ メイドの活きの良いのが入ってるよッ♪」  もはや『メイドカフェ』の原型など微塵も残されていないやり取りを以て、弟の『メイドカフェ』はここにオープンしたのだった。 451 :弟のご主人さま・2:2008/12/14(日) 07:22:19 ID:5UzLfM9h 【  2-1  】 「じゃあ、まずはお風呂ね」 「おいおい、『カフェ』じゃないのか?」 「え、ダメ? 『ご飯』の方が先がいい?」  先程の出迎えの時といい、どこか『新婚さん』とごっちゃになっている。しかしながら水を差してしまうのも悪い と思い、ここは弟のコースに従うことにした。  更衣室から湯船の様子を確認すると、俺はその日一日の汗と疲れにまみれたワイシャツを脱ぎ捨てる。そしてそんな 俺の傍らで――弟もまたかっぽう着やら何やらを脱ぎだしていた。 「おい、お前も入るのか?」 「あったりまえだろ。そうでなきゃ『サービス』できねーじゃん」 「サービスぅ?」  なにやらキナ臭くなってきた。  そうして互い全裸になると、弟は駆け込むよう俺の一歩前に進んで浴室へと入る。そして後から入ってくる俺に 対して振り返り、両膝を折って三つ指突いたかと思うと―― 「いらっしゃいませ~♪」  まるでソープ嬢よろしくに、俺へと会釈してくるのだった。 「お前……どこで覚えてきやがった」 「なにが? だって「こーゆー」風にするんだろ、メイドは?」  憮然として鼻を鳴らす俺の手を引くと、弟は何を注意されているのかも判らないといった様子で俺を浴室のイスに座らせる。 「ケンタのところの兄ちゃんが言ってたぞ。『アキバ系の風呂屋に行ってきた』って。これも同んなじメイドだろ?」 「アキバ系の風呂屋って……お前、いったい何を教わってきた? それは完全に――」  思わぬ言葉に俺は両肩を跳ねあがらせる。そして勘違いも甚だしい弟の間違いを正そうとしたその時であった。  生暖かくもボディーソープの冷たさを帯びたそれが、 「うぉッ!? な、なんだオイ!」 ぬるりつるりと俺の背中に触れた。  その感触に思わず声を上げる俺。  依然として俺の背を走りつづけるそれ。つるりとした感触の中に二つ、ちいさな突起物がコリコリと背を掻く肌触りが 何とも心地よい。そしてさらには腰の下――腰椎のその上に触れた、ひときわ柔らかくふくよかな弾力を持ったその感触 に、俺は自分の背中にて行われていることを理解する。  それこそは、 「お前ッ、『泡踊り』してやがんな!」 「え? これ、そーゆー名前なの?」  首だけ振り返らせるそこには全身泡だらけになって俺の背中に抱きついている弟の姿。自分の前面をスポンジ代わりに 俺の背を流していたのである。……つまりは先ほど背に当たっていた二つの突起物は奴の乳首、そしてあの大きく柔らかい 感触は紛う方なきコイツのチンコとタマに間違いなかった。 452 :弟のご主人さま・2:2008/12/14(日) 07:23:12 ID:5UzLfM9h 【 2-2 】 「どこで覚えてきやがる、ませガキ! この!」 「いってぇー! なにすんだよぉ!」  完全に振り返り、そのド頭にゲンコツをお見舞いする俺を、弟はどこか恨めしそうな顔で見上げた。 「お前なぁ、少し悪ふざけが過ぎるぞ」 「だって、アニキだって喜んでくれてたんじゃないのかよ?」  そうして説教モードに突入しようとしている俺に、弟も思わぬ反撃をしてくる。 「喜ぶわけねぇだろ。だいたいだな――」 「じゃあ、なんでそんなにチンコビンビンにしてんだよ!」 「はぁ?」  言われて俺も弟の視線を追い自分の股間へと目を落とす。二人が見つめるその先には――赤剥けた亀頭をこれ以上になく 充血させた凶悪極まりない俺のが、まるで目の前の弟目指して伸びるかのよう高く硬く屹立しているのであった。  その一瞬、何が自分のなかで起こっているのか判らなかった。  どうしてこんなにも、痛々しいほどにまで俺は勃起してしまっているのだろう?  たしかにあの柔肌の感触は女のそれに通じるものがあった。そこから異性を意識し、勃起にまで直結してしまったと考える ことも出来るかもしれないが――それにしてもこの怒張の仕方は異常だ。  気がつけば亀頭は、内出血からむず痒さを感じるほどにまで充血して硬くなっている。たかが『女の体を思い出した』程度 で片付けられるような状態ではない。 ――なんでこんなに硬くなってんだ? こんなの最近でも無かったのに……。  ただただ戸惑いつづける俺は、 「ア、アニキのチンコ……すごいね」  そんな弟の声へ我に返る。 「ば、バカ! まじまじと見てんなよ!」 「あー、隠さないでよッ。もうちょっとだけ」  どぎまぎしながらタオルでそこを隠す俺に、弟も名残惜しげな声を上げる。  すっかり叱りつけてやる気が萎えてしまった。(……チンコは依然とビンビンなわけだが) 「と、とにかくそのサービスはいいからッ。もうやるなよ?」 「はーい。……ちぇ、つまんないの」  再び背を向けてかけられる俺の声に、弟も後ろ頭に手を組み、興醒めた様子で返事を返す。  その後はいつもと変わりなく体を洗い、弟とそろって湯船に浸かる。そうして一息つく頃には、俺のあの屹立したイチモツも ようやく元通りの姿へと戻っていた。 ――溜まってる、か? 週末は本当に『風呂屋』にでも行くかな……。  湯船の中、タオルの湯遊びに熱中している弟を両膝の間に収めながら俺はそんなことを考える。  そうしてふと巡らせた視線の先に――俺は弟のうなじを見つめて息をのむ。  真っ黒に、夏のブドウのよう黒く艶やかに日焼けしたそんな弟のうなじを見つめたまま、俺は再び胸中に湧き上がる情欲を ため息とともに吐き出すのであった。 457 :弟のご主人さま・3:2008/12/14(日) 22:42:47 ID:5UzLfM9h 【 3-1 】    どうにも今日の俺はおかしい――。  湯上りの体を浴衣のそでに通し、その熱に蒸れた頭をタオルで擦りながら俺は考えていた。  先の浴場にて、欲情してしまったことについてである。  洒落ではない。シャレじゃ済まない。よりにもよってその相手は『弟』なのだ。  言うまでもなく、俺に同性愛の趣味などは微塵もない。また小児愛などといった特殊な性癖とて然りだ。  とはいえ先程の俺は、こともあろうに弟へ対して欲情していた。  熱気こもる浴室の中で本当に俺は、今にもアイツをその背中から抱きしめて、そのうなじに歯を立てようとすら追い込まれて いたのである。  しかしながらそれも、『夕食の準備があるから』と先に弟が風呂を出てくれたおかげで何とか未遂に納まった。……助かった のだ、アイツは。そして俺も。  弟は、今の俺にとってかけがえのない存在であった。  今より数年前、初めてこの家を訪れた義母の背後で、隠れるようにそこから俺を見上げていたアイツの顔は今でも覚えている。  下唇をくわえこんで恐れながらもどこか恥ずかしげに、新たな兄弟となる俺を見上げてくるその視線を俺はたまらなく愛しく 思ったものだった。  そうして兄弟となれた俺達は、互い一人っ子であったという環境もあってかすぐに仲良くなった。  家族以外の誰かを『愛した』、初めての相手であった。 「ん? 愛してる?」  自分の考えに俺は頭を拭いていた手を止める。  その言葉――『愛している』の言葉に、俺の疑問は真理へと導かれようとしていた。 「愛してるのか? 愛しているのなら……でも、そんな――」  そして俺の中でその結論が結ばれようとしたその時、 『アニキ~、何してるのーッ? メシ、冷めちゃうよーッ』  不意に台所から響いた弟の声に、そんな俺の思考は断たれた。  同時に我へも返り、 「……何考えてんだッ、俺は!」  強く頭を振ると乱れた髪を両手ですくい上げ、俺は更衣室を後にした。 ――俺は、アイツを愛してる。ただし『家族』としてだ。ただ、それだけだ。  そう、自分の中で結論付ける。 「週末はソープだな。120分掛けて、たっぷり抜いてきてやる」  そうして俺は台所を抜けると、食卓のある居間へと歩を進める。 458 :弟のご主人さま・3:2008/12/14(日) 22:43:55 ID:5UzLfM9h 【 3-2 】  居間にはその真ん中にちゃぶ台が一つ。  その上の中央には何やら鍋と、そしてそれぞれが座る席の前には本日のメインとなるウナギのかば焼きとレバニラ炒めが用意 されていた。  そしてそれを見下ろす俺へと、 「ご主人さま! 今日の献立はうなぎにレバニラスッポン鍋だぜ! いっぱい食ってくれよな!」  再びかっぽう着姿に身を包んだ弟が、茶碗へ大盛りによそったご飯を俺へと差し出してくれているのだった。  そんな弟を――俺は顔を寄せて正面からまじまじとみつめる。 「な、なんだよ? なぁに?」  その俺の真剣なまなざしに当の弟も紅潮する。しかし俺は、 「――よしッ」  俺は一人頷いて大きく安堵のため息をついた。  こうして再び弟を前にしても、あの風呂場のような衝動に駆られることはなかった。完全に俺は自分を取り戻していた。 ――そのことに安堵したのである。 「やっぱり、俺の勘違いだったな」 「何が?」  あぐらをかいて座ってる弟のその隣に、俺も呟きながら腰を下ろす。 「なんでもないよ。それよりもスゲーおかずだな、今日は。じゃあビールも出してくれよ、メイドさん」 「変なのー。じゃあ、持ってくるね」  そうして立ち上がり台所へとパタパタ走り出す弟。同時にちゃぶ台の上に鍋を取り分ける小皿がないことに気づき、俺は追加して それを持って来てもらおうと振り返る。 「おーい、ついでに小皿を――」  しかしその瞬間、俺は完全に固まってしまう。 「えー、なぁにー?」  立ち止まり首だけ振り返らせて俺を見る弟――そんな弟は、いま着ているかっぽう着以外、何一つ纏ってはいなかった。  裸エプロンならぬ、『裸かっぽう着』姿の弟――黒く日焼けした背面の中、その尻周りだけが日焼けを逃れ、白く無垢な殿部を俺 の前にさらしていた。 「………………」  それを前にして、もはや俺は何も言わずに立ち上がる。 「え? どーしたの、アニキ?」  そして近づいてくる俺を見上げて小首を傾げる弟。そんな弟を肩に担ぎ上げると、 「もういい……犯す!」 「え? えぇ? えーッ?」  俺は独りごちるようそれだけを告げて歩き出した。  もはやそのこと以外に何も考えられなくなっていた。弟の尻を前にしたあの瞬間、何かが俺の中で『切れた』ことを感じた。  ただ再び怒張してしまった陰茎を納めたくて、そしてただただコイツを思いの限りに犯してやりたくて――そんな想いにだけ駆られて、 俺は弟を自室へと運ぶのであった。   -[[:『 弟のご主人さま・4~6 』]]

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