SPIRITS/魂の群れ(後編)  ◆40jGqg6Boc



「うーん不味いかもしれない」

エリアD-7で二人の参加者がほぼ縦一列に疾走する。
時折跳躍を混ぜて、KOS-MOSとラミアから逃走し続けるのはR。
理由は簡単。わざわざ自分が不利な条件でゲームに臨む必要もないからだ。
しかも先程銃を撃ってきたKOS-MOSは風貌からかなり手の込んだ参加者のようだ。
恐らくとてつもない力を秘めているに違いない。
反撃は完全に捨て去り、Rは逃げる事だけに集中している。
その事が幸いしてか、未だKOS-MOSに追いつかれてはいないが除々に距離は縮んでいるような気がRにはした。

「警告。私のカタログスペック、そして貴方の推定されるそれには明確な差があります。
計算では私が貴方に追いつくに要する時間は約30秒、直ちに停止及び武装の全面解除を推奨します」

ブロー二ングを構えながらコンクリートで舗装された道路を駆け走るKOS-MOS。
表情を変える事なく、Rを一心に追い続けるその姿は見る者に威圧感を与えるかもしれない。
事実、時々後ろを振り向いたRはKOS-MOSの形相を見て、更に速度を速めていた。
距離が詰められているかもしれないという不安は見事に的中しているにも関わらずに。
無表情というのも逆に気味が悪いものである。
KOS-MOSに捕まってしまえばこのゲームに脱落してしまうと強い気持ちに駆られていただろう。
自分よりも更に無機質な感じを匂わすKOS-MOSに対し、Rは反射的に逃げという選択を取る。
だが、このままではKOS-MOSの言う通り追いつかれてしまうだろう。
どうせならもう少し良い成績でこのゲームを終えたい。
ならば、どうすればいいか――Rは思案し、一つの考えが閃く。

「他に何かなかったかな」

PDAを操作しながらRは画面に目を配る。
Rに支給されたものはグロスフスMG42とNIKU・Q・マックスの二つ。
参加者には一個以上、三個以下の装備が支給されるのがこの殺し合いのルール。
元より忘れっぽい性格も災いし、Rは一度確認したにも関わらず自分にもう一つの品が支給されているのをすっかり忘れていた。
そのため、走りながらではあるがRは支給品のデータを呼び出す。
一際大きな跳躍を入れて、宙に浮いた瞬間にRははっきりと確認する。
其処に記されていた最後の一つのマニュアルを見て、Rは思わず眼を見張った。

「これは……凄い」

地に降り立った後も未だRはマニュアルから眼を放せていない。
それほどまでにもそこに表示されていた内容は眼を引くものだったのだろうか。
だが、いつまでもモタモタしているわけにもいかず、Rは前方に足を踏み込む。
そんな時、ふいにRの足元で金属が弾けるような音が響き、彼は思わず気を取られた。

「警告の拒絶を確認。これより貴方の命の保証は、完全には出来ません」

それは更に距離を詰めたKOS-MOSが放った銃弾によるもの。
発するメッセージはRへの最終通告に等しい旨を伝える。
正確な射撃でRの足元に撃ち込めた事からかなり距離は近い。
ざっと数十メートル程のものだろう。

「ようやく追いついたか……!」

更に今のRからは見えないが、ラミアも彼ら二人に対しかなり近づいていた。
コエカタマリンの残り回数は二回。
Glock 19やM18クレイモアなどの重火器も十分にあり、バロットから譲り受けた支給品もある。
そこにKOS-MOSの戦力が加われば当にRにとっては八方塞がり。
最早、Rの運は既に尽きたとしか思えないこの状況。
だが、銃弾に驚いた事により、思わず前のめりになりかけたRの身体は崩れ――はしなかった。

「危ないところだった」

寸前のところで片足を突き出すように踏みしめ、その足一本で跳躍。
きりもみとまではいかないまでも不安定な体勢で再びRの身体が宙に舞う。
そしてRは素早く右手を動かす。
地面に投げ出されるような形になっても懸命に――只、PDAを操作した。
目的は只一つ、最後の支給品を転送するために。
やがて転がるように地面に降り立ったR、そして彼を追っていたKOS-MOSの間に変化が生じる。
何もない空間が風に吹かれた蝋燭の火の如くゆらぎ、唐突に地面に張り付く様に円盤状の形をした物体が現れた。

「何だ、あれは……?」
「データ不明、警戒モードに移行します」

思わず警戒するKOS-MOSは勿論のことようやく追いついたバロットも身構える。
そしてそんな二人の反応には眼もくれず、Rはその円盤の中心点に降り立つように跳んだ。
反射的に銃を構えるKOS-MOSとラミアの二人。
だが、そんな時目の前の円盤から青白い粒子が上方へ放出された事に気を取られ、照準がずれる事となる。
そう。故にRは降り立つ事が出来た。
その円盤状の支給品――転送装置から転送した全長5メートル程の戦闘用ロボット。
レプリロイドによる軍隊、レプリフォースが正式に採用したライドアーマーにRは乗り込む。
頭部はなく、コクピットブロックは剥き出しになっており、その操縦はこの殺し合いのために極限まで簡略化されている。
背中には空中での移動すらも可能な可変翼とジェットパック、右腕に備えられたものは大型のエネルギーバスター。
青を基調としたボディを持つそのライドアーマーはイーグルという開発コードを与えられた機体。

「さぁ、そろそろ反撃といこうかな」

コクピットシートに持たれた瞬間、Rは何故だか操縦方法が頭に流れ込んだような心地がした。
両の口角をさりげなく上げて、Rは彼女達二人に向かって言葉を投げ掛ける。
その表情にあるものはかすかに、ほんの少しだが無邪気な笑み。
そして、破壊の時間が静かに始まりを告げる。

【D-6 道路/一日目・午前】
【KOS-MOS@ゼノサーガシリーズ】
[状態]:ダメージ(微)
[装備]:なし
[道具]:支給品一式、闇夜の鎌@クロノトリガー、仙桃x3@封神演義、
    FN ブローニング・ハイパワー(5/13)@攻殻機動隊、マガジン(13/13 9mmパラベラム弾)x2
[思考・状況]
基本思考:自身の「生還」を前提とし、状況に応じたその時点で「最も」適切な行動を取る。
1:ラミアと協力し、目の前のRを破壊する。その後フランシーヌ人形、バロットと合流。
2:他参加者と接触を試みる。
3:施設、支給品など情報を収集する。
4:我々は“可能な限り”殺さない。殺されない。殺させない。
  ただし自身の「生還」の障害となるものは、積極的に排除する。
[備考]
※KOS-MOSの躯体はver.4です(Ep3後半の姿)
※参戦時期は改修後からT-elosとの融合前までの間。
※各種武装(R-BLADE、G-SHOT、DRAGON-TOOTHなど)はU.M.N.ネットワークの問題で転送不可。
 少なくとも内蔵兵器であるX・BUSTERは使用可能。エンセフェロンダイブ、ヒルベルトエフェクトなども一応使用可能。
※ゲジヒトの考察を有力な仮説と認識しています。
※ゲジヒトとバロットの方針に「基本的には」賛同。

【ラミア・ラヴレス@スーパーロボット大戦OG外伝】
[状態]:健康。
[装備]:Glock 19(CCR仕様、弾数10/15)@パワプロクンポケット8、
[道具]:支給品一式、M18クレイモア×4、麻帆良学園の制服(両袖がない)@魔法先生ネギま!、コエカタマリン(残りニ回)@ドラえもん、予備マガジン3、不明支給品2~3個(確認済み、一つは少なくともラミアから見て戦闘には役に立たない模様。残り1~2個はバロットから譲り受けたため、確認しているか不明)
[思考・状況]
基本思考。打倒シグマ。必要なら誰かと共闘する。晴海の人間拉致の黒幕について疑問
1:KOS-MOSと協力し、目の前のRを破壊する。その後フランシーヌ人形、バロットと合流。
2:本郷、ミーとテレビ局で合流。
3:シグマや壊し合いについての情報を得るため、エックスと接触する
4:壊し合いに乗っていない個体と接触し、情報を得る。
5:壊し合いに乗った個体を排除する。
6:敬語?を使うのを止めようか迷っている。
※参戦時期はOG外伝第11話での拉致後です。
※シグマはパーソナルトルーパー等の人型機動兵器を有している可能性が高いと考えています。
※気持ち程度に言語機能が悪化しているようです。敬語を用いらない喋り方には影響ありません。

【R・田中一郎@究極超人あ~る】
[状態]:左腕に軽度の火傷 、ライドアーマーに搭乗中
[装備]:グロスフスMG42(予備弾数小:本人も未確認だが、まだ十分あると認識)
    NIKU・Q・マックス@サイボーグクロちゃん ライドアーマー“イーグル”@ロックマンX4。
[道具]:支給品一式
[思考・状況]
基本思考:他のプレーヤーを探して攻撃、最後の一人を目指す。
1:取り敢えずこの状況を切り抜ける。
2:今日のゲームが終ったら、ごはんを食べに湖の小島へ帰る。皆も誘う。
[備考]
※原作3巻終了時からの登場です。
※この事件を3巻冒頭のサバイバルゲームのようなものだと勘違いしています。故に、誰も死なないと思っている。
※サバイバルゲームがHP制だと思っています。HPがゼロになるまでは攻撃を受けても平気だと思っています。


エリアC-6の民家周辺。
其処に一人の男が居た。それはついさっきフランシーヌ人形に想われた人物。
決して恋愛感情には至らない思慕。
只、ある仮定に基づいた時どんな行動を取ってくれるか……その程度にしか過ぎないもの。
そして当の男は、本郷猛は少し予想外な出来事に襲われていた。

「ムゥ……ついていないな」

屈むように何かを見つめる本郷。
無骨な表情には小さな困惑のような色が見える。
本郷が見つめるもの、それはライドチェイサー・シリウス。
ホバー機能を持ち、高い性能を誇るライドチェイサーの機動力はこの場では重要な足となる。
だが、突然のマシントラブルに苛まれ、本郷はその場に留まっていた。
修理しようにも手持ちには碌な工具もなく、周囲の民家で探索した事に先ず手間を掛けられた。
参加者が全く武器を得られなかった場合を見越してなのだろうか。
嫌にナイフや包丁などの刃物類は多く目についたが、工具類はなかなか見つからなかった。
だが、ようやく見つけ出したがそれで終わりというわけにもいかない。

「やはり俺の世界の物とは違う……この技術はBADANすらも超えている」

ライドチェイサーはこの殺し合いの主催者、シグマの世界から持ち出された代物。
ロボットが一般化された社会でありその技術体系は言うまでもなく高い水準を誇る。
改造人間など、BADANが保有する技術もさる事ながら流石にこちらの方に軍配が上がるだろう。
そのためライドチェイサーの修理はそうそう直ぐに出来る事でもなく、またも予定外の時間を浪費する事になる。
だが、元々レーシングクラブに所属している事もあったせいか、本郷がバイクの一種であるライドチェイサーに対する興味は高い。
故にオイルの匂いに塗れながら作業する本郷の表情には心なしか、充実感を噛みしめたような色が浮かんでいた。
かといっていつまでも時間を潰すわけにはいかない。
約束の時間は大分過ぎ去っているため、急ぐ必要があるからだ。
ようやく修理し終えたライドチェイサーに跨り、本郷は目的のTV局を目指そうとするが――

「キサマが仮面ライダー1号……本郷猛か!?」

唐突に声を掛けられた本郷。
エンジン音からして既に振り向いていたため、突然の接触に対しあまり驚きはない。
だが、あまり表情に変化の起伏がない本郷といえども今この瞬間には確かな驚きがあった。

「そうだ。俺の名を、仮面ライダーを知っているとは……お前は何者だ?」

それは目の前の男が自分の名前だけでなく、仮面ライダーであるという事実すらも知っている事について。
そう。漆黒の衣装で身を包み、首に巻きつけし黄のマフラーが僅かに揺れて、額にはゴーグルを掛けた男。
全く面識がない人物が何故自分の事を知っているのか。
その謎について考える本郷をよそに男は更に口を開く。

「何故なら俺は殺したからだ……そう。お前の仲間、仮面ライダーZXを!」
「――ッ!」

告げられた内容に衝撃を覚え、本郷の表情が曇り出す。
確かに仮面ライダーZXこと村雨良の名は放送で呼ばれていた。
目の前にはその村雨を殺したと告げる男が一人。
自然と本郷の表情に厳しさが色濃く現れ、無言で男を見つめる。
幾ら冷静沈着な性格といえども、動じられずにはいられなかったのだろう。
己の気持ちを必死に整理させているのかもしれない。
ようやく復讐に固執する事を忘れ、仮面ライダーの名を名乗ったZX。
本郷が受けたショックは計り知れないものだろう。
大切な仲間の死を今一度実感させられて本郷は沈黙をつき通す。
只、男の意図を探るような目つきで凝視するのみだ。



「俺が憎いか? 憎い筈だろう……そして俺を放っておけば更に次の放送で呼ばれる名前が増える。
無抵抗の女や子供だろうと見逃すつもりはない。お前はそれでもいいのか、仮面ライダー1号! 俺がこれからやる事を……果たしてキサマには我慢が出来るのか!?
出来る筈がない、お前たちはそういう男だ……ならば俺と闘え! 俺という悪をここで塵一つ残さず破壊してみせろ、仮面ライダー1号!!」

漆黒の男、サブローが言う言葉には確かな嘘が潜んでいる。
サブローは無力な女性や子供と闘うつもりはなく、無抵抗の相手を殺すなど特に興味はない。
寧ろ、そんな卑怯な手段を嫌う気質があるのが事実。
だが、サブローは自分の本意とは逆の意を含ませて本郷に決闘を申し込む。
その真意は只、本郷との闘いを望む事から生まれたもの。
仮面ライダーは弱者のため、人間のために闘う戦士。
ならば敢えて自分が吐き気を催す程の悪と認識させれば仮面ライダーは、本郷は本気で自分と闘ってくれるだろう。
以前仮面ライダーV3―一風見志郎に闘いを断られた苦い経験も乗じて、サブローが本郷との勝負に対する執念は高い。
故に其処には自分がいかなる存在と思われようなどと考える余地すらもなかった。
そんなものはサブローのとっては強者との闘いに較べれば取るに足らないものであるからだ。

(そうだ。たとえ俺が悪と言われようとも、奴らが正義を謳っても……闘えればそれで良い。
それ以上は望まん……いや、望めるものか。
仮面ライダーZX、ゼロ、獅子王凱……こんな奴らとの闘い以上に望むものなどない)

脳裏に浮かぶのは今まで闘った強敵の面影。
そして未だ見ぬライダー一号の姿を思い浮かべる度にサブローの全身が疼く。
自分の身体がまるで意思を持ったように激しく囃し立てるような感覚。
嫌な感じはしない。寧ろ心地良さを覚えるほどのざわめき。
自分の回路が完全に身体を一つになったような一体感に思わず酔いすらも覚えそうになる。

「そう。俺はサブロー……いや、俺の名は――」

やがてサブローは左手に取り出したナイフをクルクルと回し、逆手に持ち換え目の前に翳す。
対して右手は腰の高さまで引き、サブローは構える。
ナイフの刃に日の光が差し込み、大きく煌めいた瞬間。
サブローの身体が一瞬で変化を遂げた。

「俺はハカイダー! 俺の望むものは只一つ……仮面ライダー1号、キサマとの闘いだ!!」

漆黒のボディ、ガラス越しに透けている人間の脳は彼が異能者である事の現れ。
変身を終えたサブローは本郷へナイフを向けて、叫ぶ。
姿を変えたハカイダーに一瞬本郷の表情に変化が生じるが大きな動揺はなかった。
ハカイダーの様子から彼を自分達と同じような改造人間だと思っていたのだろう。
無骨な表情は変えずに無言で本郷はハカイダーの誘いに応えようと、軽く両脚を開く。
本郷にハカイダーを見逃す理由はない。
何故ならこの先、無抵抗な人間すらも襲うと宣言しているからだ。
また、ハカイダーの方も本郷の意図を理解したに違いない。
満足げな様子を漂わせながら更に言葉を本郷へ告げる。

「嬉しいぞ、仮面ライダー1号。そして、言っておく。仮面ライダーZX……村雨良がお前達、仮面ライダーに託した言葉をな」
「村雨がだと……」

今まで無言を貫いてきた本郷がふいに声を上げる。
未だ日は浅いが10号ライダーであった村雨。
彼の最期の言葉は一体何なのか――本郷は気になったのだろう。
仮面ライダーとして闘う事を誓った後の村雨とはあまり面識はない。
以前、一度は本気で闘い合い、そしてもう一度は村雨が未だ己の道を見出せなかった時に共に闘った程度の接触。
だが、本郷が興味を見せないわけもない。
村雨は正真正銘の――本郷の後輩なのだから。


「『バダンをぶっ潰してください』……あいつはそう言っていた。確かに伝えたぞ、これで心置きなく闘える……!
俺と闘い、そして死んだあいつの願いはこれで叶えた」

そしてハカイダーは村雨の言葉を本郷へ伝える。
戦士として死んだ村雨に対する敬意から考えれば、当然の行為。
ハカイダーはナイフを左脚に装着、戦闘の準備は全て整ったと言わんばかりに本郷と向き合う。
しかし、本郷は直ぐには動かない。
やがて、数秒……本郷にとっては数分にも感じたかもしれない時間が経った時、本郷が口を開いた。

「そういうコトか……すまんな。お前にはもっと教えたいコトがあったが……遅すぎた。だからゆっくりと休め、村雨。
姉さんと一緒にな……」

ハカイダ―に向かって言うのとは違う。
意外にもどこか優しげな、それでいて力強さを醸し出す本郷の表情からは怒りは感じられない。
まるで今は亡き村雨が大空に浮かんでいるかのように、本郷は顔を見上げてそう呟く。
そんな光景を果てしなく広がる大空、気を失いそうな程の青空に本郷は誓いを立てているかのようにハカイダーは見えた。
やがて本郷は向き直る。
先程までに浮かべていた顔を再び、戦士のそれに移り変わらせながら――

彼はハカイダーと真正面に向かい合う。


「村雨は……最後まで仮面ライダーZXとして闘ったに違いない、 仮面ライダーとして生きるコトを誓ったあいつが……みすみす死ぬわけがない。
そうだろう、ハカイダー!」
「ああ、勿論だ! 断言しよう……仮面ライダーZXは偉大な男だった! あいつと闘えたコトを俺は誇りに思うぞッ!!」
「ならば……全ては決まっているッ!!」

本郷が浮かべる瞳には不屈の意志。
今まで数多くの悪を捉え、彼らの断末魔を見届けた両の眼。
その瞳が鋭い眼光で眼前のハカイダーを睨む。


「俺が村雨の無念を、見つけ出した正義も引き継ごう。それがたった一人の後輩すらも救えなかった……俺のやれるコトだ」


かつて最悪の記憶を刻んだ村雨に新たな記憶を見せた本郷。
示すは――只、一心に望んだ正義。
既にこの世を去った後輩の面影を浮かべながら、本郷は構える。


「BADANは潰す、シグマという男も倒す……そしてハカイダー、お前も止めてみせる!」


溢れ出す気迫はBADAN、シグマを倒すまで死ぬわけにはいかないという意志の現れ。
計り知れない闘気は目の前のハカイダーに対して、未だ折れぬ闘志が健在である事を見せつける。
そして本郷は叫ぶ。
全てを、幾度もなく怪人どもを打ち倒した己の全てを――“誇り”とも言うべき姿へ成るために。
そう。それこそが――


変身。


「ライダアアアアアアアアアアア――――変身ッ!!」


右腕を斜め上へ突き出し、左腕を腰の高さまで引く。
いつの間にか本郷に巻かれたものは中心に赤い風車がついたベルト。
やがて右腕を廻し――そのまま入れ替えるように右の腕は引き、左腕を突き出す。
廻り、何度も廻り続ける風車が風を呼ぶかのように勢いを見せる。
赤い、赤いマフラー。緑のボディとマスク、そして真紅の複眼を持った異形の戦士。
禍々しい形相にも関わらず、安らぎを与える程の力強さを嫌でも感じさせる戦士が其処に居た。


「そうだ! それこそ俺が望んでいたもの……改めてお前の口から訊かせろ! お前の目的、そしてお前の……名前を!
俺を満たしてくれる……お前の名を俺に刻みつけろッ!!」


食い入るように見つめるハカイダー。
変化が生じるものならば、きっとその表情は喜びで染まっていただろう。
そして叫んだ言葉の内容は当前本郷に対してのもの。
既にわかりきっている事。
だが、どうしても本郷の口から訊いておきたい。
どちらが勝つかなどハカイダーが知った事ではない。
これから雌雄を決する相手の誇り高き名を――永遠に記憶するために。


「正義、そして人類の平和。そう。俺の名は――」


固く握りしめた両のグローブが軋むような音を捻り出す。
それこそがこれから飛び込む闘いへの全ての用意が完了した合図。
闘う力を持たない存在を魔の手から守るために、只一つの正義を抱き闘い続ける存在。
そう。彼こそ最古の――1号というべきに相応しい男。


「仮面ライダー1号ッ!!」


仮面ライダー1号となり、本郷は遂にハカイダーと対峙する。
男と男の闘いを止める者は誰一人として居ない。
二人の男が今、この場で一際己の魂を――“SPIRIT”を熱く滾らせる。
言うなれば魂の群れ。
そう。そんな彼らを止められる者など一人も居る筈がない――


魂の群れ――“SPIRITS”が熱く燃えているのだから。


【C-6 民家周辺/一日目・午前】

【本郷猛@仮面ライダーSPIRITS】
[状態]:全身に軽度の火傷、変身中
[装備]:ライドチェイサー『シリウス』@ロックマンXシリーズ
[道具]:支給品一式、トマト×97@THEビッグオー
[思考・状況]
基本思考:殺し合いには乗らない、打倒主催
1:村雨を倒した男、ハカイダーと闘う。その後テレビ局でフランシーヌ人形達と合流し、C-5でミーと合流。
2:殺し合いに乗っていない者の保護、及び合流。
3:風見、敬介、茂と合流。
4:アルレッキーノ、コロンビーヌにフランシーヌ人形のことを伝える。
5:パンタローネを倒した者を見つけ出し、この手で倒す。
6:シグマに関する情報を集めたい。
※原作8巻(第32話 称号)から参戦。
※アルレッキーノ、パンタローネ、コロンビーヌの特徴を知りましたが、コロンビーヌの格好を旧式のものと勘違いしています。
※茂は殺し合いに乗ってしまった相手を、止む無く殺してしまったと判断しています。
※A-5に、トマトを三個お供えしています
※ミーと情報交換をしました。
 ただし、彼をサイボーグにした剛が世界制服を一時期目論んでいた事。
 クロが己と同様の理由でサイボーグとなった事は知りません。
※この会場には、異世界の者達も呼ばれたのではないかと推測しています。
※シグマは参加者達に使われている技術・参加者達の構造そのものに興味があるのではと思っています。

【ハカイダー@人造人間キカイダー】
[状態]:損傷軽微。エネルギー八割回復。
[装備]:スズキ・GSX750S3 KATANA@仮面ライダーSPIRITS
[道具]:ハカイダーのPDA(支給品一式)、風見志郎のPDA(支給品一式)バタフライナイフ@現地調達(左足に収納中)
[思考・状況]
基本思考:元の世界へ帰ってキカイダーと決着をつける。
1:目の前の仮面ライダー1号と闘う。
2:V3以外の仮面ライダーを探す。
3:村雨良の遺言を伝える。そのため、仮面ライダーに会い、破壊する。
4:空港に向かい、左下の市街コロニーへと向かう。
5:参加者を全て破壊する(ただし、女子供、弱者には興味が薄い)
6:日付の変わる頃(二日目00:00)にゼロ、V3、凱と決着をつけため、スクラップ工場に再度向かう。
7:シグマを破壊する。
8:キカイダーに迫る、戦士に敬意。
※参戦時期は原作死亡後(42話「変身不能!? ハカイダー大反逆!」後)です。
※血液交換が必要のない身体に改造されています。




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SPIRITS/魂の群れ ラミア・ラヴレス 105:鬼【イレギュラー】(前編)
SPIRITS/魂の群れ R・田中一郎 105:鬼【イレギュラー】(前編)
SPIRITS/魂の群れ KOS-MOS 105:鬼【イレギュラー】(前編)
098:DRAMATIC IRONY ハカイダー 105:鬼【イレギュラー】(前編)
086:怪人タイプゼロ C-6ブロックの決斗! 本郷猛 105:鬼【イレギュラー】(前編)





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