電波、届いた? ◆ZJTBOvEGT.



サテライトサービスへ接続。
………失敗。接続先が発見できず。

再試行。
………失敗。接続先が発見できず。

再試行。
………失敗。接続先が発見できず。


「……」

シャトル発着管制室から外の景色…宇宙を見上げながら、
内蔵の無線を用いて外へ連絡を取ろうと試みたのは、HMX-13、通称セリオであった。
この地に降り立って最初に目の当たりにしたのが、暗黒の只中に浮かぶ宇宙要塞。
あまりにも現実離れした光景に、まず彼女が疑ったのは自らにエラーが発生している可能性である。
自分は次世代メイドロボの試作型。量産型への叩き台なのだ。
自分が稼動しているのは、ひとえに問題点を洗い出すためのはず。
量産型ほどの安定性が自らに望めないのは当然の帰結だろう。
確か、ここに来る前、自分は定期メンテナンスでセーフモードに移行していた。
その間に何かが起こったか。それとも、すでに起こっていた何事かが顕在化したのか。
この可能性が、一番『現実』的だ。
少なくとも、このような存在するはずのないものが目の前にあるよりも。

「……」

だとすれば、今まで見ていた中で、どこからどこまでが幻覚なのだ。
エラーは早急に修復されねばならないが、どこからどこまでがエラーなのだ。
自分の記憶(メモリー)の、どこから、どこまで?
今まで、自分が『現実』として見ていたものがエラーではない保証が、どこにあるというのだ。
長瀬主任の記憶がエラーではないという保証は? 来栖川綾香の記憶がエラーではないという保証は?

「……」

だから、彼女は探したのだ。『現実』との接点を。
ない保証では悪魔の証明であるから、ここは『現実である』保証を探したのだ。
来栖川のサテライトサービスは、あらゆるデータをリアルタイムで提供し、自分の機能を拡張する。
地球上にいさえすれば、どこででも受けられるサービス。
『現実』にいるのなら、これと繋がらないはずはない…


再試行。
………失敗。接続先が発見できず。
再試行。
………失敗。接続先が発見できず。
再試行。
………失敗。接続先が発見できず。
再試行。
………失敗。接続先が発見できず。
再試行。
………失敗。接続先が発見できず。
再試行。
………失敗。接続先が発見できず。

「……」

電波障害でも発生しているのだろうか。
それとも、人工衛星に故障が発生しているのだろうか。
代替の人工衛星も含めて、全部一斉に。
…前者の方が、はるかに『現実』的だ。
『現実』にいるのなら、繋がらないはずがない…

「電波状態のいい場所に行きましょう」

セリオは、自らの決定を口に出した。
自らの耳で、自らの声を確認した。
だが、そうして感覚器官に捉えたそれもまたエラーではないという保証はどこにある?
今、見ている全てがエラーならば。

「……」

逃げるように走り出す。
電波状態のいい場所に行き着かなければ。
サテライトサービスの存在を確認しなければ。

(確認したところで、それがエラーでないという保証は…)

彼女は、思考の停止を決定した。
電波状態がよくなる、その時まで。

だが、そんな彼女にも、実はまだ思考の奥底でひとつだけすがるものがある。
見間違いでなければ、最初に集められた広間…そこに、自分の姉妹機がいたのだ。
HMX-12、マルチが。
もし、それが間違いでないのなら。

(会わなければ…)

今はただ、走ることしかできない。
他には、何もないのだから。


【F-5 飛行場・シャトル発着管制室/一日目・深夜】
【セリオ@ToHeart】
[状態]:健康、恐慌状態
[装備]:
[道具]:支給品一式、不明支給品×1~3
[思考・状況]
基本思考:『現実』との接点を見つける
1:電波状態のいい場所に着くまで移動を続ける
2:3の思考を停止する
3:自分の認識全てがエラーなのではないか?
4:マルチに会いたい

※地図も支給品も確認していません。
 どちらに向かったかは次の書き手さんにお任せします。


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GAME START セリオ 041:真夜中のサーカス





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