missing you true ◆ZqUTZ8BqI6


雪原の真っただ中をタンクローリーが走り続ける。
3つの正義と1つの巨悪を乗せたその乗り物は、白一色しかない中で酷く目立っていた。

「ねえ、結局向こうに行ってどうするの? 待つって言ったけど、結局何もしないでそこにいるだけ?」
紫に近い青のゴシックロリータの衣装に身を包んだ少年が、隣にいるロボットに話しかける。

「ソウですね……ですが、しばらく待つ価値はあるはずデス」
大きく、どことなく楕円形のフォルムをした古めかしいロボットは、少し考える様子で答えて見せた。

「じっとするのは、正直おちつかねぇな。まあ、俺にはいい考えも、うかばねぇ」
運転席で、茶筒を大型化したようなドラム缶に酷似した男の声がする。

「チンク姉、スバル……待ってろ、全部必ず解決してやる……!」
決意に満ち溢れた声で、体のラインを浮き出させるようなボディスーツを着た赤髪の少女の呟き。

4人を乗せて、タンクローリーは行く。そう、4人を乗せてだ。
その時、雪の下に段差があったのか、少しタンクローリーが浮き上がる。
転倒するようなものでもなく、気にするまでもない段差だった。

しかし、

「ああもう、どこ触ってるんだよ、ブサイク!?」
「うるせえ! それよりそのひらひらした服をどけろ! 前が見えねぇ!」
「いくらなんでもきつすぎだろ!?」
「シカタないですことですがコレは……」

段差のせいで、四人横並びに整列するように乗っていたのがぐちゃぐちゃになる。
きちんと横並びに体を縮めれば、乗れないこともないが何かあるとこうなってしまうのだ。
よく考えてほしいが、タンクローリーは人間の運搬にはむいてない。
日本産と違いビックサイズのアメリカンタンクとはいえガテン系の兄ちゃん2名乗ればそれなりに一杯になる。
(注 ハンドルは本来左ハンドルだがシグマの気配りで右ハンドルなので、メカ沢でも運転可)

だと言うのに、このメンバーの体格表を見てほしい。
小柄の少女と、いわゆる一般的な女性のドラスとノーヴェは問題ない。
だが残り二人は言い訳不可能だろう。
かたや、背が低い代わり実に円柱形で明らかに成人男性よりはるかに幅をとる茶筒日本男児。
かたや、わかりやすく無骨でメカメカしい幅広のロボット。

正直、この男2人で、「気にならない、問題ないレベル」のギリギリなのだ。
それに、女子供を詰めこればどうなるかは現状を見れば一目瞭然。

「っと……あぶねぇぇっ!!」

ドラスのスカートのため視界不良で雪にタイヤを取られそうになり、慌てた様子でメカ沢が車を停止させる。
しかし、雪のため少し流されて車は止まった。

「あいたた……もう少し気を使ってよ」
「やっぱ雪の上は無理があったかもな……」

大惨事を回避したことに流石のメカ沢も安堵の息を吐く。
別にメカ沢の運転技術が低いわけではない。むしろ、ただの(?)高校生としては高いくらいだ。
だが、慣れない雪道でいきなりこんな大型車を転がすのは、やはり難しい。
少し腕を組み、その後体をペタペタと触るメカ沢。

「何してんの?」
「そうだったな。タバコも没収されてんだったな」

若干肩を落とし、運転席からメカ沢が下りる。
ドアを閉める時に、車内ではスペースが広がったことで余裕が出たのをいいことに、ドラスとノーヴェは体を広げているのが見えた。
やはり、乗ってから2人とも文句は言わなかったが、狭いのは色々とつらいのだろう。

「ロボ、ちょっといいか?」
「ナンですカ?」

反対側からロボも車を降りると、車の前を通ってメカ沢のサイドに移動する。
そこには、タイヤを凝視する視線をロボに移すと、メカ沢は話を切り出した
「溝はまだ充分だがスノータイヤじゃねぇみたいなんだよな……チェーンがどこにあるのか知ってるか?」
そう言って、車の下を覗き込み始めるメカ沢に、ロボが答える。
「ワタシの過去の車はあまり詳しくないのですが、車体の下にあるのデスか?」
「いや俺の国じゃそうなんだよ。これはアメ産だからどうだろうな……」
やはりアメリカ産だけあって、横になればメカ沢も入ることができなくもない。

しかし……車の下から足のついた筒が伸びる姿は、ものすごくシュールな光景だったが幸いそれを言うものはここにはいなかった。

「下に入るのはちょっと無理だろ。車の周りを調べてくれ」
ガシャガシャとロボが車の周りを歩く音が聞こえてくる。どうやら、向こうも探してくれているようだ。

出会ってから今まで、本当にロボには世話になっている。
帰ったらクロ高の連中と一緒に飲み屋にでも連れていければな、少し本気でメカ沢は思う。

何しろ、ゴリラだってみんなに交じって打ち解けているのだ。
多少の体の仕組みなどまったく問題ない、気のいい馬鹿ばかり。

「そのためにも、さっさと帰らなきゃな」

メカ沢には車の仕組みがわからないが、無骨な金属管がむき出しの車体の下で鎖を探す。
確かに暗いが、雪の白が光を照り返してくれるおかげで思った以上に明るくて、輪郭程度ははっきりわかる。
さっきまで動いて熱のある部分は、雪が溶けだしていることを見て気をつけながら、少しずつ潜り込んでいく。


正直、寒い。


背中に雪を擦りつけながら、じわじわと進むのだ。想像以上に冷える仕事だ。
「……俺しかできないなら仕方がねぇな」
くしゃみが出そうなのを抑え、寒さをごまかすためにも指先の感覚を集中させる。
女子供にこんな仕事させるなんてクロ高の風上にも……いや風下にも置けないようなことをやれば男がすたる。

「おおーい、ロボ! そっちはあったか!?」

声を張り上げて、もう一人雪の上で探してくれる仲間に呼びかける。
「もうちょっと待ってろー! 今探してる!」
向こうからも、大声で……女の声。ノーヴェの声だった。
「お姉ちゃん、あっちはなかったよ。次はどうするの?」
今度は……ドラスの声まで聞こえてくる。
それに交じって、ロボの動き回る音も。よく耳を澄ませば、3人がそろって探す声と音がする。

「お前ら……、ガキや女が体を冷やすもんじゃねぇだろ、車に戻ってろ!」
「急ぐんだから全員でやるのは当たり前じゃないの? ほら、ブサイクもさっさと見つけて出てきなよ」
生意気なドラスの声。

溶けた雪の水蒸気が目にしみる。

「まったく……わかったから、戻ってろ、すぐに……」

その時、目の前に、変わった形の金属の輪郭があった。触ると。ジャラリと鎖型の金属特有の擦れる音。


「ほら、見つけたぜ!」

…………
……

「おつかれさまデス。コレ、ダストシュートの中にありましタヨ」
「お、悪いな」

結局、その後チェーンをつけるのは細かい方法のわかっていたメカ沢だけでできてしまった。
メカ沢は、ロボから差し出されたタオルでオイルと溶けた雪で汚れた服と体をふく。
姿とは裏腹にどこまでもその動きは人間臭く、驚くばかりだ。

「じゃあ、行こうよ。ゆっくりする暇はないでしょ?」

ドラスの提案に、3人がうなずく。

「そうだな、じゃあ行くか!」

メカ沢は運転席に。ロボは、その隣に。ノーヴェは2人の真ん中。ドラスはノーヴェの膝の上。
こうすれば、3人分の場所で4人が座れるため、いくらかましだ。

先ほどと違い、雪を噛みしめ、タイヤがうなる。力強く、またタンクローリーが動き出す。
流れていく風景。窓から見える凹凸や自然樹が、すごい速さで流れていく。
段違いのスピードで進むタンクローリーが、シャトル基地につくのは、わずか5分後のことだった。


それは、彼ら4人の心が曇るのが5分後だったということだ。

―   ―    ―

「な……んだよ、これ」

呻くようなノーヴェの声。
残りの3人は無言で、目の前に広がるものを凝視する。
基地も、全面にコンクリートが敷き詰められているわけではない。ところどころ、切れ目のように雪原もある。
まず、基地に誰かいないかを確認するため、車を駐車場に置き、基地外部を調べていた時のことだ。


――目の前の光景を目の当たりにしたのは。


そこらに広がる金属のひしゃげ、粉砕された断片。そこだけ、ぽっかりと抉られた雪。
常日頃なら、工場のゴミがぶちまけられただけと思うこともできるかもしれない。
だが、この会場ではまるで違う意味をもつ。

「――これ、髪だよ」

よくよく見ると金属片に混じって緑色の何かがある。
ドラスはそれを無造作に拾い上げじっと眺めると、無感情な声で分かったことを他の3人に伝えた。
さらに、すぐ側にあったPDAを手の中で転がすようにいじる。

「……なんだろ、これ」

金属片の中に、まったく異質な断片を見つけ、それも拾ってみる。
金色に輝く3cm程度の立方体だ。ほかのものが歪んでいるにも関わらず、それだけは完璧な形を保っていた。

ロボット同士の壊し合いという特異な環境。
極度に清潔な状態であった会場に違和感を残す金属片。
そしてその場に残された一人一つずつ渡された道具。

間違いなくここは、「死亡現場」――いや「殺害現場」なのだ。

「ここにいるのは、まずいかもね」

雪は、絶え間なく振り続けている。だというのに、ここはあまり雪が積もってない。
つまり……ここで誰かが殺されてからあまり時間が経ってないということだ。
むろん、ここに転がっているほうが襲いかかり、迎撃で破壊された可能性もあるが、こんな場所で楽観的な予測はただただ危険。
殺人者がまだ側に、それこそ基地内に潜んでいる可能性だってある。
いや今も虎視眈々と自分たちを狙っているかもしれない。

無論、ドラスは彼らを盾に使えば済むし、自分自身も正面からぶつかり合っても負けるとは思わない。
だが、まだ彼らを失うのはあまりよろしくない。
まだまだ利用価値があり、瞬間移動など調べておきたい力を持つ彼らは手放したくないのだ。


さあ、どうするか。
殺人者はいないと信じ、当初の目的通り二手に分かれここで待つか。
殺人者がいると信じ、ここから離れるか。だとしたらどこに行くか。

ドラスはどちらでもいい。故に、どこまでも傍観する。


残る3人の結論は――――



【D-3 雪原/朝(前の話から2時間も経過していません)】
【ノーヴェ@魔法少女リリカルなのはStrikerS】
[状態]:疲労(中)
[装備]:スタームルガー レッドホーク、装弾数4/6@ターミネーター2
[道具]:支給品一式、PDA(ノーヴェ):不明支給品0~1(未確認)
[思考・状況]
基本:チンク姉と会って話をする
1:ドラスを守る! チンク姉を救う! ゼロを助ける! スバルを救う! 全部達成する!
2:メカ沢、ロボを信頼。
[備考]
※本編終了後の参戦です。
※ゼロからゼロの世界及びシグマに関する知識を得ました
※メカ沢の力を瞬間移動と誤解しています。
※大分落ち着きました。

【メカ沢新一@魁!クロマティ高校】
[状態]:全身打撲。疲労小 。
[装備]:液体窒素入りのタンクローリー@ターミネーター2 、タイムストッパー@ロックマン2in体内
[道具]: 無し
[思考・状況]
基本思考:シグマにヤキ入れる!
1:これっておい……
2:ゼロとか言うキザな金髪男を助けに行く
3:チンクに軽い失望。だが、正気に戻させる!
4: さすがダブリの平井さん、そこに痺れ(ry
[備考]
※携帯端末の使い方を全く理解していません。よって未だに参加者、支給品を把握していません
※メカ沢の携帯端末が修理工場内のどこかに落ちています。
※タイムストッパーは使用できるようです。ただし本人は使えることに気付いていません。 そもそも火事場の馬鹿力の類と誤解しています。
※タイムストッパーの副作用として目まいと頭痛が起こる模様です。使用回数が増えると悪化するかどうかは分かりません。


【ロボ@クロノトリガー】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:支給品一式、PDA×3(ロボ、アラレ、シュトロハイム)、ぎんのいし@クロノトリガー
    HARLEY-DAVIDSON:FAT BOY@ターミネーター2(E-3道路に放置):ロボのPDA
    はちゅねミクのネギ@VOCALOID2(E-3道路に放置)メッセージ大砲@ドラえもん(E-3道路に
    放置)、アタッチメント@仮面ライダーSPIRITS(シュトロハイムの右腕)拡声器@現実(E-3
    道路に放置):アラレ、及びシュトロハイムのPDA。転送可能
[思考・状況]
基本思考:打倒シグマ。
1:ドラスと、現状周囲を警戒
2:メカ沢、ノーヴェと共に行く
3:協力できればストライクスピンが撃てるかも……
[備考]
※少なくともクロノ復活以降からの参戦です。
※現在位置、参加者名簿を確認しましたがメカ沢も把握済みだと思い伝えていません。
※メカ沢が携帯端末を失くしたことを知りません。
※ロックマンの武器チップの使い方を誤認しています。
※メカ沢の力を瞬間移動と誤解しています。
※色々とメカ沢の言動に慣れました。


【ドラス@仮面ライダーZO】
[状態]:健康 右腕がスバルのもの。
[装備]:荷電磁ナイフ@マルドゥックスクランブル、ラトゥーニのゴスロリ服@スーパーロボット大戦OG
    セインを四、五歳幼くした状態に擬態。ただし、生えている(両方ついているかは、お任せします)
[道具]:支給品一式、PDA(ドラス) (マルチ) 謎の金属片を所持
[思考・状況]
基本思考:自爆装置とリミッターを外す。その後参加者を全員殺す。優勝したあとシグマも殺す。
1:今は無力な存在のふりをして付いていく。ノーヴェ、メカ沢を利用し尽くす。 基本どっちでもいい
2: 怪しまれずにロボを排除する。
3:T-800の排除。悪評を広める。
4:仮面ライダーとおよぼしき参加者の排除、もしくは吸収。
5:自爆装置、リミッターの解除。
[備考]
※メカ沢の力を瞬間移動と誤解しています。


時系列順で読む


投下順で読む



075:D-1どうでしょう ノーヴェ 089:兄弟/姉弟/家族(前編)
075:D-1どうでしょう ドラス 089:兄弟/姉弟/家族(前編)
075:D-1どうでしょう メカ沢 089:兄弟/姉弟/家族(前編)
075:D-1どうでしょう ロボ 089:兄弟/姉弟/家族(前編)





| 新しいページ | 編集 | 差分 | 編集履歴 | ページ名変更 | アップロード | 検索 | ページ一覧 | タグ | RSS | ご利用ガイド | 管理者に問合せ |
@wiki - 無料レンタルウィキサービス | プライバシーポリシー