かすかにわななく薔薇色の唇を吸い、己のそれで割って真宵の中に侵入すると、奥で打ち震
えていた舌を絡め取り導き出した。
真宵は「ん……! ふ……っ」と声を漏らしながらも懸命に成歩堂に応えようと舌を絡め、
唾液を交換する。
二人の動きに合わせて水音が立つ。
伏し目がちの真宵の頬には睫毛が長い影を落とし、桃色の紅を引いた唇の端からは、どちら
のものとも分からない唾液がつと一筋零れ落ちた。

予想外に扇情的な表情をする真宵に、成歩堂の男の部分は早くも熱くたぎり、ズボンに不自
然な膨らみを作っていた。

左の乳房を遠慮がちに、そして今度は両手で二つの山を揉みしだく。
手のひらに当たる突起を親指で下から上へと擦ると、真宵は眉根に皺を寄せて「あっ」と喘
いだ。
慌てたように口元に手を当てたが、わずかに開いた口から漏れる熱い吐息と喘ぎは抑えきれ
なかった。

装束の胸元から手を忍ばせると硬い感触のものが触れて成歩堂は手を止めた。
真宵の体温で温まったそれは、彼女の首から革の紐で繋がっていた。

「あ。それ、紋章の護符……」

真宵はそっと首から紐を外すと胸元から朱色の護符を引き出した。

真宵の手に握られたそれは、成歩堂にも見覚えがあった。
倉院流霊媒道家元の身分を証明する護符。
七年前に娘の真宵を守って死んだ先代家元・綾里舞子の形見でもある。

真宵は大切なそれをそっと枕元に置いて、「えへへ」とはにかんだ。

成歩堂はどこか恥ずかしそうに笑う真宵に目を細めた。
今よりも幼い19歳の頃の彼女が、記憶に鮮明に蘇る。

「真宵ちゃん。……綺麗になったね」

唇を合わせて舌を絡めながらグイと衿元を開いた。
胸元が緩み、肩、二の腕、そして乳房があらわになる。
成歩堂は吸い寄せられるように、恥ずかしげに打ち震える真宵の裸体に見入った。

きめ細かく、新雪のように真っ白な肌。
薄い肩と二の腕。
小ぶりだがお椀型に盛り上がった乳房と、その頂きに咲く桜色の蕾。

「はあ……」

成歩堂は感動と興奮のあまり、嘆息を漏らした。

初めて見る真宵の裸。
色の白さは、普段目に入る場所からも想像は出来た。
が、日の当たらない部分の白さの清らかなことと言ったら言葉に出来ないほどだ。まるで朝
日のように眩しく、思わず目を細めてしまう。
それに、華奢ではあるが、胸の盛り上がりは真宵の呼吸と共にプリンのようにふるふると震
え、見るからに柔らかそうで齧り付きたくなる。

「そ、そんなにまじまじと見ないでよ……!」

頬をぷぅと膨らませて睨んで見せた真宵の額に口づけすると、彼女の身体に手を這わせなが
ら所有のシルシを付け始めた。
幼げな表情とは裏腹に、しっかり女として発育していた真宵のカラダをゆっくり味わって行
く。

首筋、鎖骨、胸元、乳房。
純白の雪原に紅の花が咲く度に悩ましげな吐息を漏らす真宵の姿に、弥が上にも成歩堂の期
待は高まる。

これからどんな風に乱れて行くんだろう……?

真宵の喘ぎや息遣いに煽られて、成歩堂の欲望は急激に募っていく。

成歩堂の唇と指先が真宵のカラダに微弱な電流を流し、ゾクリと背筋を撫で上げた。
真宵はそれを吐息で逃して身を捩らせながら、彼のパーカーに手を差し入れて背中を抱いた。

「……なるほどくん、あったかいね……」

ひんやり冷たい真宵の指先が成歩堂の背中や脇腹を撫でる。
彼女のほっそりとした指が触れた部分が粟立ち、くすぐったさが快感へと姿を変えて下腹部
へと流れていく。

成歩堂は夢中になって乳房に唇を這わす。
あちこちに彼の花を咲かせた白いまろみは、瑞々しく弾力を持ち、真宵の呼吸に合わせてか
すかに揺れた。
成歩堂は掬い上げるように乳房を揉みながら徐々に中心に唇を近づけて行く。
片手にすっぽり収まる真宵の乳房は恐ろしく滑らかで、手のひらにぴたりと吸い付いて来る
ようだった。
敏感な蕾への刺激を欲している真宵は、無意識のうちに上体を仰け反らせて成歩堂を誘う。
だが成歩堂はそれには応えず、焦らすように蕾を避けて乳輪を舌でなぞった。

「……んっ……」

うう。なるほどくん、絶対いじわるしてるよ……!

胸に顔を埋めている成歩堂は、しきりに柔らかい部分に口づけの雨を降らせてくれるが、本
当に欲しいところには触れようとしない。
思わず成歩堂のとげとげしい髪の中に手を潜り込ませて、鷲づかみしてしまった。
真宵はありったけの恨めしさを込めて、成歩堂を見た。
案の定、意地悪そうな笑みを浮かべていた成歩堂と目が合った。
彼は半身をわずかに起こすと、真宵を見つめながら両手で乳房を揉みしだき始めた。
成歩堂の骨ばった手に包まれて、フニフニと形を変えている乳房はなんだか卑猥で、普段か
ら見慣れている自分のものではないようだ。
彼の指や唇の触れる場所にポッと熱が生まれて、次第にカラダが熱くなっていく。
成歩堂は放っておけばいつまででも飽きることなくこのままなのではないかと思うほど、熱
心に乳房を揉み回していた。
明らかに意図的に敏感な部分を避けているのを、端正な顔に浮かべた薄い笑みと柔肌に食い
込む手つきが物語っていた。

銀世界の中に一輪だけ咲く花のように色づく真宵のそこは、じんじんと熱を持って咲き誇り、
愛でられるのをひたすら待ち侘びている。
たまらなくなった真宵は、吐息混じりに唇を震わせた。

「ね……」

視線を上げた成歩堂の心臓が、ドクンと跳ねた。

う、わ……。
真宵ちゃん、なんて顔してんだよ……。

吐息を弾ませ、熱っぽく見つめている真宵と視線が交わる。
眉根に皺を寄せ、懇願の色を濃く映している瞳。
半分ほど開いた唇からは真珠のように愛らしい歯をのぞかせ、甘く乱れた呼吸がこぼれてい
た。
つややかに濡れた唇は、成歩堂に卑猥な連想をさせ、性欲を煽った。

「なるほどくん……ッ」

長い髪が汗で濡れる頬に貼りつき、その向こうから物欲しげな瞳が長い睫毛をわななかせて
切なげに見つめている。
この子もこんな顔をするのかと、新発見の感激を噛みしめながら真宵の願いを受け入れた。
揉みしだかれるうちにじっとりと汗ばんで行くまろみを絞るようにして握ると、半ば立ち上
がって突出した蕾を口に含んだ。

「はぁ……」

真宵は待ち望んだ刺激に身を震わせて悦んだ。
舌でつつき、わざと歯を立て、そうかと思えば慰めるように優しく舐め上げ、舌で転がす。
すると蕾はますます屹立し、充血して赤みが濃くなったようだ。

舌や唇の柔らかい愛撫に加えて、もう片方の突起を指で摘まみ、引っ張られて真宵は喘いだ。
乳房の中心に、痛みとも痒みとも思える疼きが少しずつ溜まり、それにつれてカラダの中心
も熱を帯びていく。

「ん……っ、あぁ……っ」

舌と唇と左手で乳房にイタズラを加えつつ、片手で帯を解き、装束を乱しながら空いた手を
するすると滑り下ろしていく。
真宵の素肌は汗でしっとりと湿っているが、それがむしろ成歩堂の欲望をそそる。
彼女の柔肌を傷つけないように、細心の注意を払いながら真宵を生まれたままの姿にしてい
き、やがてあらわになったカラダを彼は改めて嘆息混じりに眺めた。

余分な脂肪が付いているわけではないのに柔らかいお腹。
キュッと締まった腰。
太ももにかけてなだらかなラインを描いて広がる尻は、淡いピンク色のレースをあしらった
白いショーツに包まれている。
純白のショーツから薄く透ける茂みは、嫌でも大人の女性を感じさせた。

あどけない少女だった真宵が、成歩堂の与り知らぬところですっかりカラダを成熟させ、熱
っぽく彼を求めている。
恥じらうように身をくねらせるそのさまは、予想外に艶やかで、媚薬のように彼の理性を奪
っていく。
成歩堂は迷うことなく下着の上から真宵の中心を制圧した。

「──あっ」

真宵は一際高い声を上げてびくりと腰を跳ね上げた。

柔らかい狭間に指を踊らせる。
真宵自身を覆う布地は滲み出た蜜で色を変え、うっすら透けて中の花弁すらも映していた。
下着が隠す真宵の秘密を想像して指先に神経を集中させる。
くいと中指を狭間に押し込むと、ふにふにと柔らかい襞の感触に触れ、更にそれを割るよう
に指を潜らせると、下着越しだというのにじわりと指先が湿った。
声を漏らさぬように手の甲を口元に押し当てている真宵だが、初々しいその仕草とは裏腹に
すっかりそこは熱と潤いを湛えている。
成歩堂は胸の先端を吸い上げ口の中で転がしながら、中指の腹で下半身の核を撫でた。

「あ……あ……ッ……! や、んっ、あっ」

優しく花芯を愛でるように指を往復させる度に真宵は腰を躍らせる。
爪を立てるように掻いてやると、イヤイヤと髪を乱してかぶりを振るが、右足をわずかに開
いて腰を押し付けるような仕草を見せた。
物欲しそうに見惚れている瞳と視線が交わる。
真宵はパッと頬を赤らめて慌てて目を逸らしたが、成歩堂は真宵のその艶っぽい表情に思わ
ず生唾を飲み込んだ。

たまらないな……。

溜め息にも似た吐息を漏らしながら、下着の中に手を差し入れる。
細くて柔らかい恥毛に指を絡めて感触を存分に楽しんでから、切れ込みに指を侵入させて行
くと、蜜をたっぷり溢れさせたそこは、既に溶けそうなほどに熱くなっていた。
芯を包皮の上から捏ねると皮の中の真珠は一層硬さを増す。
成歩堂は欲情して硬く立ち上がっている突起のコリコリした感触を、指先で存分に楽しんだ。
更に奥へと進んで淫らな汁を溢れさせている秘穴に指先を沈めて、敏感な入り口をチュクチ
ュクと音を立てて掻き回す。
その指の動きに反応して真宵は更に蜜をこぼすので、それを指にたっぷりすくい取って真珠
にまぶすと、硬さと熱さを確かめるようにそっと撫でた。
普段は薄い皮に守られ身を隠しているであろう芽は、いやらしく勃起して包皮から恥ずかし
げに顔を出していた。

「真宵ちゃん、ここ、気持ちイイ?」
「んっ、あ、ああっ、あんっ、あ……!」

艶かしい声を抑えることも、彼の問いかけに答えることも出来なくて、代わりに真宵はかぶ
りを振った。

自分のカラダがどんな反応を示しているのかは分かっていた。だけどそれを認めたら、その
瞬間に我を忘れて性感に呑まれてしまいそうで……。
乱れてしまうかもしれない自分を成歩堂に見せるのが怖かった。だから真宵は認められなか
った。

葛藤する真宵の表情は実に扇情的だった。
そんな真宵に成歩堂の嗜虐心は刺激されて、つい意地の悪いことを朱に染まった耳元で囁い
た。

「気持ち良くないの? こんなに硬くなってるのに?」
「や、あ……っ、ぅ、んっ」
「じゃあ、やめよっか」

成歩堂は指を止めた。
指先は、わずかにひくついている陰核に触れるか触れないかのところで留めている。
真宵はたまらずに腰を突き出した。

「あっ! あ、あ、あ……! そんな、やぁ……ん……っ!」
「気持ち良いんでしょ? 嘘はいけないな」

羞恥と屈辱に顔を歪めて悩ましげに成歩堂を見つめた真宵は、泣きそうになりながら小さく
頷いた。
尖った真珠をくすぐるように小刻みに擦ってやると、真宵は跳ね上げた腰をゆらゆらと揺ら
めかせながらよがる。
成歩堂の手は手首まで真宵の蜜でびしょびしょに濡れていた。
幼い外見とは裏腹に、敏感な体質なのだろう。真宵のカラダはとても良く反応して、嬉しく
なるほど愛蜜を溢れさせていた。
成歩堂が下着に手を掛けると真宵は腰を上げた。協力を得ながらするすると膝まで降ろすと、
真宵は自ら左足を下着から抜いた。

真宵は羞恥に頬を染め、顔を背けて明後日の方へと視線を泳がせている。
十年の付き合いがある相手に、今まで隠して来た大切な場所を見せるのだと思うと、消え入
りたいほどに恥ずかしかった。

うわあ……、なるほどくん見てる、よね……。
ど、どんな顔してるんだろ……気になる……。
けど、怖くて見れない……!

引き締まった右足首に掛かった下着は、クロッチから臀部にかけてたっぷり蜜を吸って重た
くなっていた。
成歩堂はあらわになった脚の付け根を数度撫でると太ももを大きく割った。
真宵は瞬間的に、彼の視線に晒されるのを拒むように内腿に力を入れたが、乳首を甘噛みさ
れるとあっさり抵抗をやめた。

乳房から腹部へとキスの雨を降らせながら、成歩堂は顔を降ろして行く。

真宵は目眩がしそうなほどの羞恥を覚えたが、それ以上に身体が成歩堂を求めていて抵抗す
る気にはなれず、彼の動きを固唾を呑んで見守った。

はたして、いよいよ下腹部に成歩堂の吐息を感じるほどまでに彼の顔が下がると、真宵はギ
ュッと目を閉じた。
目を閉じているのに恥部に強烈な視線を感じるのは気のせいではなかった。

割り開かれた内腿は成歩堂に手でしっかり押さえられている上に、彼の頭が脚の間にあるた
めに、膝を閉じようとする真宵の無意識の抵抗は全くの無駄骨に終わった。
真宵の大切な場所に、生温かい吐息がかかる。

み、見られてる……!

真宵は口元に当てていた手を無意識のうちにギュッと握っていた。
そうでもしないと恥ずかしくて心臓がどうにかなってしまいそうだった。

成歩堂は真宵の太ももを抱え込み、秘所へと顔を近づけた。

柔らかい肉の丘を覆う淡い恥毛は真宵の中から滲み出したいやらしい液体で湿り、顔を近付
けるとほのかに発情したメスの香りが漂った。
指で切れ込みをそっと割り開くと、くすみない綺麗なピンク色の柔肉が現れた。
昂りのせいか、いくぶん赤みが強い。
型崩れしていない二枚の襞が合わさった上部には、普段よりも大きく存在を主張している真
珠。
あとからあとからいやらしい汁を溢れさせている蜜壷は、その口をヒクヒクとわななかせて
成歩堂を誘っていた。

痛いほどの視線を局部に感じながら、真宵は声を震わせた。

「そ、そんなに見ないでよ……!」

見ると真宵は眉を八の字にして赤面し、困ったような顔で視線を泳がせている。
成歩堂は身体を起こすと真宵の耳朶を食みながら囁いた。

「なんで? こんなに綺麗なのに……」

その間も秘芯を弄ばれ、真宵の身体は良いように跳ねてしまう。

「それに……熱くなってるし……」

成歩堂はわざと音を立てるように秘裂を掻き回してから、吐息が耳にかかるように言った。

「凄く濡れてる……」
「あ……!」

真宵の耳にも確かに卑猥な水音が聴こえた。

「知らなかったなあ。真宵ちゃんって敏感なんだね。顔に似合わず、エッチなんだ? 人は見
かけに寄らずと言うけど、アレは本当なんだなあ」
「や……あ……っ」

真宵の困惑混ざりの痴れ顔は成歩堂の嗜虐心を煽り、思わず羞恥を煽るような言葉を囁きた
くなってしまう。
面白いように反応するものだから、成歩堂は愉快で、そして愛しくてたまらなかった。

「真宵ちゃん、すごく、可愛い……」
「なる……ほど、く……ん……!」

陶然と、うわ言のように名を呼び嬉しそうに笑んだ真宵の手が、そっと成歩堂のパーカーの
中に潜り込んで来た。
冷たかった指先はすっかり温かくなっており、背中から脇腹を優しく撫でる。
真宵の指を追うように、触れられた部分の肌にゾワゾワと鳥肌が立つ。くすぐったいような
甘さが成歩堂を支配する。
いとおしげに脇腹と腰の辺りを往復していた真宵の手が、やがておずおずとトランクスの中
へ侵入して来て成歩堂の尻を撫でた。

……え。

思わず組み敷いた真宵をまじまじと見つめてしまった。
頬を赤らめながらトランクスの中で手を遊ばせる真宵。
彼の腰骨にそって撫で、その手をそのまま太ももの方へと手を伸ばしては尻へと戻す。
形の良い成歩堂のそこは、柔らかな自分のそれとは違って、引き締まった筋肉で出来ていた。
つい今しがた、成歩堂が彼女にしたように、真宵もまた、成歩堂が触れて欲しいという場所
には手を触れなかった。
恥ずかしげながらもうっとりと成歩堂の肌を楽しんでいる真宵の姿に、成歩堂の心は不安定
に揺れた。

真宵ちゃん……結構積極的だなあ。
っていうか、妙に手馴れてるような……。

真宵は昔から恋愛だとか性に関して疎いところがある少女だった。
他人の心の機微に関しては敏感なのに、自分が関わることになると途端に口数が減る。
証人にからかわれて、頬を染めてうろたえたこともあった。
そんな純情な少女だったのだから、当然のごとく男性経験など無いだろうと思っていた。
そしてこの七年、真宵の口からそのような経験をしたという話は聞いたことがなかった。

そんなウブな真宵だから、27歳になった今でも或いは処女かもしれない。
いや、むしろ限りなくその可能性が高いだろうと成歩堂は思っていた。

願わくば、彼女の初めての男でありますように。
そんな期待を持っていたことは否定しない。

だが、成歩堂の尻を撫でながら、指の動き一つで身体を踊らせ愛撫に身悶える真宵を眺めて
いれば、期待は疑念に変わり、どこかに抱えていた淡い希望が立ち消えて行く。

よくよく考えれば、そういう経験をしたからって真宵ちゃんが話してくれるとは限らないか。
ぼくだったらどうだ?
……男友達ならともかく、年の離れた異性の友達になんて話さないんじゃないか……?
もしかしたら……。
考えたくないけど、ぼくがもたもたしてる間に、まっさらだった真宵ちゃんを抱いた男がい
る……?

──あ、アイツ……!

不意に夕方、門ですれ違った男の顔が脳裏に浮かんだ。
品定めするように送られた視線。
どこか得意気に映ったのは気のせいだろうか……?

真宵の白磁の肌は羞恥と悦楽で桃色に染まっている。
身体をくねらせて乱れて行く真宵の姿は妖艶としか言いようがなかった。
こんなに妖艶な処女がいたらお目にかかりたいものだった。

「──……真宵ちゃん」

掠れた声で呼ばれて、真宵はうっとりと成歩堂を見つめた。

聞いてどうする?
後悔するかもしれないんだぞ……?
本当に良いのか?
真宵ちゃんがどう答えようとも受け止める覚悟はあるのか?

ほんの一瞬だったが、成歩堂の頭の中は目まぐるしく回転した。
ぐるぐると螺旋を描くように次から次へと生まれる疑問と、それを追いかけるように湧き出
る答え。

七年の間、ああだこうだと言い訳しながら、関係を進展させることに躊躇していたのは自分
だ。
そもそも真宵の処女を好きになったわけではない。
そんな、プライドにも似た気持ちが彼にはあった。
だから、大丈夫。
覚悟を、決めた。

「真宵ちゃんってさ。……オトコ、知ってるの……?」

──聞いてしまった。
覚悟をしたはずなのに、口元がわずかに引き攣っているのが分かった。
心臓がドキドキと破裂してしまうんじゃないかと思うほど大きく打ち、背中と手には嫌な汗
が滲み出ていた。

真宵は一瞬目を大きく見開き、驚きの色を浮かべた。
恥ずかしげにおどおどと目を逸らしながら真宵は呟いた。

「し、知ってる、けど……?」

成歩堂の身体からスーッと何かが引いて行き、脱力感が全身を包む。
それでも真宵が心配そうに見ていたから、成歩堂は無理矢理笑みを作った。

「そうなんだ。……変なコト、聞いてごめんね」
「……?」

特に約束をしていたわけではなかった。
だけど、なんとなく、二人とも同じ気持ちでいるのではないかと思っていた。
そう。“思っていた”
ただ、それだけのコト。約束なんてしていなかった。
だから真宵が自分の知らないトコロで男女の甘い行為を知ったのだとしても。そして、それ
を話してくれなかったからといっても。
彼女を責める権利なんてあるはずもなかった。

だけど、胸が痛かった。
初々しい真宵のカラダに男を教え込み、瑞々しい果実を貪った相手の男を考えると嫉妬で胸
が焼き付きそうだった。

聞かなきゃ良かった……。

どんな答えでも受け止める。
そんな崇高な決意は、あっという間に木っ端微塵になって、初めから存在などしなかったか
のように跡形も無く吹き飛んだ。
まっすぐに見つめて来る真宵を眺めていると、胸の痛みがどんどん酷くなって行く気がした。
ジリジリと、やけどをしたような痛み。
心は理屈では割りきれなかった。

“なんにも知りません”なんてコドモみたいな顔して、実はそうでもなかったとはねえ……。

胸の中で燃え盛る炎が、やがて、自分以外の男に身体を許した真宵に向かい始めた。
欲情に溺れている表情も、淫らに濡れるカラダも、全ては自分以外の男に開発されたもの。

そこまで思い至った成歩堂は、無意識のうちに真宵の太ももに爪を立てていた。
真宵の顔が苦痛に歪む。

──他人のものだったのならば、今度は身も心もぼくのものにしてしまえば良い。

むくむくと湧き立った征服欲に追い立てられた成歩堂は、荒々しく真宵の股を割ると、半ば
強引に秘裂にむしゃぶりついた。

「え。ちょ……や……っ、ぁ……!」

ずず……と音を立てて溢れる蜜を啜り、胎内へと舌を潜り込ませて不安げに震えている襞を
解きほぐすように抜き挿ししてやる。

「あっ、や、ああっ」

突然人が変わったように乱暴な愛撫を始めた成歩堂に真宵は戸惑い、股間に顔を埋める彼を
突き放そうと彼の頭を懸命に押し返した。

「ん、ああっ、や、やんっ! なるほどくん……っ!」

だが、充血して敏感になっている陰核に吸い付かれ、舌先で舐め上げられただけで、真宵は
抗う力を奪われ、成歩堂の思い通りになってしまう。 成歩堂は真宵の膝裏に手
を差し入れて下肢を体幹の方へと折り曲げた。
腰は浮き、真宵の大切な部分は成歩堂の顔の前にあらわになる。
全体的に身体に見合って小作りだったが、陰核だけは既に剥いてやらなくても良いような状
態にまで勃起していた。
成歩堂は更にそこを指で剥き出しにすると、露出した肉の芽にしゃぶりついた。

「ああっ!」

真宵は甲高い嬌声をあげて仰け反った。

軽く歯を立てたり舌でこそぐようにねぶる度に真宵はカラダを踊らせる。
皮の上から優しく愛でられるのとは違い、剥き出しにされた核は酷く敏感で、直接弄られる
と快感が鋭く激しい電流になって下肢へと抜けて行く。それに耐えるように真宵
の足先はくるりと丸まり、成歩堂の肩の上で小刻みに痙攣する。
成歩堂は真宵の真珠を熱心に愛しながら、シーツに染みを作るほど蜜を溢れさせている蜜壷
に指を侵入させた。
潤滑油を豊富過ぎるほどに湛えたそこは、成歩堂の骨ばった指を一本、そして二本と難なく
飲み込んで行く。
成歩堂の愛撫に合わせてクッと締め付ける内部は、既にどろどろに溶けきっていた。

「あ、あぁ……っ! ……はぁ……んっ!」
「凄いな、キミのここ。締め付けてくるよ」

真宵の膣は、その言葉にすら素直に反応して指を締め付けた。
内側の襞を一枚一枚探るように指を抜き挿しし壁を擦ってやると、桃色に染めた裸身を淫ら
にくねらせ悶える。
成歩堂の手は真宵の蜜にまみれ、動く度に充血して濃いピンク色を呈した粘膜とぶつかりぐ
ちょぐちょと卑猥な音を響かせた。

「ん、ああっ、あんっ……」

真宵は抽送よりも掻き回されるのを好むようだった。
指を奥まで入れて最奥のコリコリした部分をクルクルとくすぐると、真宵は眉間に皺を寄せ
て一際高い声をあげてよがった。
十年目にして初めて耳にした真宵のかぼそい喘ぎはハチミツのように甘く可憐で、成歩堂は
その甘さに酔い痴れる。
もっと聴きたい。もっと鳴かせたい。

真宵に性体験があることを聞いた時にはショックで軽い目眩すら感じたが、発想を逆転させ
て処女への気遣いをしなくて良いと思えば、それもまた気楽で良かった。
真宵が処女だろうが非処女だろうが、気持ちに変わりはないのだから。
何よりあれだけ欲していた真宵をモノに出来る喜びは何物にもかえがたかった。
そこには三割ほど強がりが含まれていたが、成歩堂はそう自分に言い聞かせて真宵の痴態を
楽しむことにした。

成歩堂が指を抜くと、空洞を満たしていたものを失った真宵の秘穴は名残惜しげにヒクヒク
わななき、真宵は「あ……」と蚊の鳴くような声を漏らした。
肩で大きく息をする真宵をヒラリと裏返すと、四つん這いにさせた。
細いウエストから逆ハート型に広がる尻を、感嘆の溜め息混じりに撫でたり揉みしだきなが
ら、成歩堂は白桃のような美尻の狭間の果実を両手で割った。
真宵が溢れさせた蜜は尻の谷間を伝い、後ろまでぐっしょりと濡らしていた。
恥ずかしい部分が全て成歩堂の視線に晒されて、真宵は尻を揺すって身を捩るが力の入らな
い身体では抗うことも出来ない。

成歩堂は再び蜜壷へ二本の指を沈めて行くと、内壁の前面を探り出した。
女体の敏感な部分がそこにあるからだ。

「あっ、あっ」

胎内で蠢きながらカラダを探る成歩堂の指の動きに、真宵の口は切ない喘ぎをこぼす。
全てをさらけ出すのは相当な勇気と羞恥が必要だったが、成歩堂が与える甘美な感覚は真宵
に全てを忘れさせる力があった。

成歩堂は真宵の中を掻き回しながら、指先に意識を集中させていた。
こんこんと湧き出る泉に指を浸しながら、目的の場所を探す。

そこはすぐに見つかった。

「あんっ」

ザラザラした内壁に指先が触れた時、真宵が身体をビクリと仰け反らせて艶めいた声を響か
せたので、成歩堂はいよいよ確信を持ってそこを攻め始めた。
狭い範囲ではあるがそのポイントは強烈な快感を真宵にもたらす。
成歩堂が指先で執拗に擦ったり圧迫する部分が熱く熱を帯び、真宵の身体の奥深くから全身
へと広がって行く。
真宵はどうしようもないほど切なくて甘い疼きを艶のある喘ぎで成歩堂に伝えるほかなく、
成歩堂はそんな真宵をますます乱れさせたくて秘所をあやしながら乳房の突起を
も摘まみゆっくりと転がした。

真宵はとうとう身体を支えきれなくなり、肩で体重を支えて腰を高く突き出した姿勢にヘナ
ヘナと崩れ落ちた。
汗で湿った手は掴むものを求めてさまよい、乱された装束の一部を顔の横でギュッと握る。
そうでもしなければ、快感の波に呑まれて消えてしまいそうだった。
下腹部がどんどん熱くなり、熱の塊が真宵をカラダの中から支配しようとしていた。

「あ……あ……、ん……っ、あっ、ん……っ! なるほどくんっ……なるほどく、ん……、あ
たし……っ!」

切迫した呼吸の下で真宵は成歩堂を呼ぶ。

「どうした……?」

真っ赤になった耳たぶを食み、舌でなぞり吐息混じりに答えてやると、真宵はゾクリと肌を
粟立てた。
真宵は堪えきれずに腰を揺らしながら装束を手繰り寄せる。

「イキそう?」

その刹那、真宵は答えるかわりに装束を握った手にを力を込めた。
真宵の小さな頭が、かすかに頷いたように見えた。
それを見逃さなかった成歩堂は、胎内を探る指の抽送を一層速めた。

「あ、あ、あ、あ……いや、いやぁ……っ! ……んああああっ!」

その刹那、背筋をピンと仰け反らせて真宵の裸体が大きく二度三度跳ねた。
熱く蠕動する蜜壷は、咥え込んだ指をキュウと食い千切らんばかりに締め付けて来る。

「ぁ……ぁ……」

身体を硬直させた真宵は、酸素を求めるように口をわななかせ、やがて小さく息を吐くと、
糸が切れたように弛緩して倒れ込んだ。

「……大丈夫?」

成歩堂は自身の昂りを抑えて真宵を覗き込んだ。
息を弾ませ、くったりと瞳を閉じている。半開きの唇が震えていた。
汗を掻いて桃色に染まった頬に貼り付いた一筋の髪を払ってやると、真宵は涙を滲ませた瞳
をうっすらと開けた。

「なるほどく……なるほどくん……ぁ、ん……っ」

成歩堂に仰向けにされると、真宵は絶頂の余韻で身を震わせながら、助けを求めるように夢
中で成歩堂に抱きついて来た。
真宵の方から唇を求めて来たので成歩堂は驚いた。
舌を絡ませ唾液を交換する。
色香漂う真宵の熱っぽく潤んだ瞳と視線が交わる。

限界だった。

 

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最終更新:2010年03月26日 22:46