ナルマヨにおけるバレンタインの変遷

1の頃
「メリーバレンタイン!はい、なるほど君」
「クリスマスと混ざってるぞ。まあ、それはともかくありがとう。
 ……真宵ちゃんこのトノサマンチョコウェハース、全部袋が開いてるんだけど?」
「食べやすいように開けておいてあげたよ!」
「中のトノサマンシール、全部抜かれてるんだけど?」
「邪魔にならないようによけておいてあげたよ!」
「異議あり!どう見てもシール目当てで買った残りだろ!
 どうするんだよこのダンボールの山……ぼくこんなに食べられないぞ」
「大丈夫!みつるぎ検事とイトノコ刑事とヤッパリさんも呼んであるから!」
「いや、そういう問題じゃないだろ……」

2の頃
「おかえりー。お疲れ様なるほど君。はい、どうぞ」
「ん、ただい……真宵ちゃん?これ、もしかしてチョコ?」
「うん、まあね。あれだよ、今日はバレンタインだからね!」
「あーそうだね。うん……普通のチョコだね」
「普通のチョコだよ」
「大きいし、高級そうだし、ちゃんと包装してあって袋も開いてないし」
「開いてたら贈り物じゃないじゃない」
「去年の自分の行動覚えてる?
 あ、ってことはこれ御剣と矢張とイトノコ刑事の分も入ってるのか」
「ち、違うよ。これはなるほど君だけのチョコだよ」
「え?でも他の三人の分は?」
「な、ないの……。その、思ったよりチョコが高くて。
 今年はその、なるほど君だけ……」
「そ、そうなんだ……ありがとう。その、なんていうか、う、嬉しいよ……」
「あ、……うん。喜んでもらえると、あたしも贈ったかいがあるよ。
 ほら、なるほど君には一番お世話になってるからね!
 それにイトノコ刑事はともかく、みつるぎ検事とヤッパリさんは他にチョコ貰えるだろうし」
「……それ遠まわしにぼくがモテないって言ってるんだけど」

3の頃
「なるほど君、去年一年ありがとう。今年もよろしくね」
「年始の挨拶じゃないんだから。でもありがとう。
 ……今年は手作りなんだね」
「はみちゃんがね、『愛する殿方に渡すならやっぱり手作りチョコです!』って」
「そうなんだ。うん、確かに嬉しいよ。ありがとう。
 ……味噌とか入ってないよね?」
「うん。思ったより美味しくなかったから入れるのやめたよ」
「試したのか……。 他の奴には渡してないよね?」
「う、うん。今年は本当になるほど君だけだよ」
「……ま、真宵ちゃん!」
「きゃわわ!ちょっとなるほど君!駄目だよここ事務所……ッ!」

4の頃
「お、今年は鍋か」
「もーなるほど君、これはチョコフォンデュって言うんだよ。
 はい、好きな具材にチョコをつけて食べてね」
「好きな具材……ねぇ」
「……!ちょ、ちょっと!どこに手を入れて……ッ!」
「いや、どうせならミルクチョコにしようかなって」
「やっ、そこは……駄目っ!そんなトコ……んんッ!」
「んー、ミルク出ないなあ。去年の今頃はあんなに出てたのに」
「授乳が終わると出なくなるの!も、もう止めてってば……ひッ!
 吸っちゃ……駄目……ッ!」
「……真宵ちゃん。来年の今頃にさ、ミルクチョコが楽しめるように
 今頑張ろうと思うんだけどいいかな?」
「ちょ、ちょっと!なるほど君!何言って……んんん!」
「ぼく一人っ子だし兄弟に憧れるんだよね。
 だからあの子にも弟か妹がいる方がいいと思うんだよ」
「ふぁ……あ……!んっ……あぅ……ッ!」
「来年のバレンタインが楽しみだね」
「なるほど君の、ばかぁ……!」
最終更新:2011年02月19日 19:32