壊れ真宵


元ネタ>>887で壊れ真宵書いたので置いてく。
巌徒とちなみ凌辱話の設定を引き継いでるので鬼畜傾向、ガンマヨとナルチヒとナルマヨと
NTRがあるので苦手な人はスルーよろ。


*****


──例えば。後になってカレの行動を責める者がいたとしてもおかしくはない。何故抵抗
しなかった、何故カノジョを助けなかった、何故見ている“だけ”だった──誰が責めず
とも、カレ自身が自責を続けることも想像に難くない。
──しかし。彼を擁護する声もまた上がるに違いない。薬物の強制投与により思考能力
は著しく低下していた、長時間に渡る性行為で疲労困憊し脱水症状すら起こしかけていた。
気づけば。薬物と性交による興奮と高揚から抜け出しようやっと周囲の状況を把握して
みたところ、性交の相手は尊敬する師でもありカレに懐いていた幼い少女でもある女性で
──ムジュンする表現だが、事実だ。どちらも“こんな間違い”を犯してはならない相手
だった──、彼女は殆ど死んだようになっていて、カレを咥え込んだ場所だけがひくひく
震えて、肛門から突っ込まれたバイブレーターはとうの昔に電気切れを起こし沈黙して
いて、カレの呼吸は大分落ち着いてきていて、だからこの部屋はとても静かな、はず、
なのに。
音。
声。
喘ぎ声。快楽を訴える嬌声、空気を求め上擦る呼吸、「ひっ、や、──は──あ──」
声。意味を為さない声、音。「──、──く、ん」音。唯の音、「なるほど──くん──」
唯の音でないものが混じる。
だからカレはその“音”を“言葉”として認識してしまう。

「なるほどくん」
綾里真宵が成歩堂龍一を呼ぶ声を、聞いてしまう。

のろのろと、ぎこちなく身を起こす。成歩堂の下で、千尋の姿をした春美の肉体がびくり
と震える。二人分の体液に塗れ厚ぼったく腫れた秘所が、萎えた男根を名残り惜しげに
手放した。
成歩堂はその様子を見ていない。首をねじ曲げ凝視するのは、自分の名前を呼ぶ少女
だった。
「なる、ほど、くん」
綾里真宵が笑う。嬉しそうに。成歩堂と目を合わせ、それはそれは幸せそうに。
真宵から、目が、離せない。
真宵の上気した白い裸体から、目を離せない。
小柄で、年齢不相応に華奢なカラダは、全てが曝け出されていた。椅子に腰掛ける体勢
で真宵は身体を揺らす。その度に小ぶりな乳房が揺れる。汗に濡れた乳房は肉が少なくて
それでも下を向けば歪に垂れて、そのやわらかさを主張する。色づく頂きだけがカタそうだ。
白い腹は、不安になるほど薄い。あれのドコに大盛りみそラーメンが入るんだろう──
場違いな疑問は、「ふ──あ──あ──!」甲高い嬌声と仰け反り痙攣する腹とに殺される。
逃避は出来ない。クスリは切れた。何処にも逃げ場はなかった。大きく開かされた脚が
何度も何度も跳ねていて、それがどうやら真宵の上げる嬌声に連動しているコトからも、
真宵が快楽の声を上げ身悶えているジジツからも。脚の間。太腿の付け根。薄い、濡れ
そぼった茂みの向こうで、真宵のやわらかな肉を割り赤黒い太い肉がゆっくりと行き来し、
てらてら光るその身を真宵の中に埋めている様からも。
萎えた全身を無理矢理持ち上げ、成歩堂は唯呆然と見ていた。

頭が働かなかった。
頭が働かないから、という理由で、逃げ出してしまいたかった。
──後ろから真宵を抱くオトコが、低く笑った。

真宵の華奢な首に黒い手が絡みつく。太い指がぞっとするような繊細さで首筋を撫で、
真っ赤な頬を慰めるように滑り、涎の垂れる顎を押さえる。
真宵の頭が固定される。成歩堂を真直ぐ見る位置に。その耳元に、抱くオトコが口を
寄せやすい位置に。
オトコが何事かを囁く。
真宵は口を半開きにしたまま背後のオトコに身を預け。
成歩堂を見て。
「うん」
笑った。
投げ出されていた真宵の右腕がゆるりと動く。華奢な手が自身の、オトコを収めた下腹
を滑り落ち結合部に辿り着く。小柄な身体がぴくんと跳ねる。手は繋がった部分を這い回り
体液に濡れてゆく。白い指が赤黒い肉から透明な液体をこそげ落とし粘る水音を立てた。
まるでオトコを愛撫しているようだった。
微かな。鼻にかかった喘ぎ声と。重い水をかき回す音だけが響いている。
しかし静かなのはホンの一時だった。
「ひゃ、あ、あ!」
黒い指が白い手に添えられる。真宵の細い指が押し曲げられ、指先が導かれる。
向かう先は、カタく勃ちあがった秘芯だった。
真宵が仰け反る。薄い胸を反らし、ナカの男根を締めつける──外から見て分かるはず
もないのに、成歩堂にははっきりと分かった。
声が止まない。
黒い手が華奢な身体を移動する。オトコの腕とほぼ同じ太さではないかと思えてしまう
ほどかぼそく頼りない太腿の裏に回り、持ち上げる。脚が、成歩堂の眼前で、大きく割り
開かれる。秘芯を弄る真宵の指が、真宵を貫く肉が、他人の肉を呑み込みひくつき蜜を
垂らす真宵の肉が、灯りの元に、成歩堂の前に晒される。
ぐじゅり、と音がして、赤黒い肉が僅かに覗き、「ふあ──あ──!」先程よりも深く
沈む。嬌声が止まない。秘芯を擦り押し潰す、指の動きが止まらない。男根に絡みつく襞
の動きが。貫かれたまま身体をよじらせ上下に揺れて、カタい肉に自らの体内を抉らせ奥
を突かせ悦楽を得ようとする真宵の動きが、止まらない。
秘芯を指の腹で擦る度、真宵の腹がのたうつ。咥え込んだ男根をどろどろに解けたナカ
で締めつける。背後のオトコに体重を預けるのは、先端がドコか狙った場所に当たるよう
調整しているからだろう。その証拠に、オトコが僅かに突き上げただけで面白いように
腰が跳ねた。
「ひぐっ、う、ふあ、あ!」
貫かれ、突かれるだけでなく、自らも腰を揺らし外からの刺激を加える。
成歩堂の目の前で。
成歩堂を見て。
成歩堂に笑いかける真宵は、カンペキに溺れていた。

耐えられなかった。

歯を食い縛り顔を背ける。目を閉じると残り少ない水分を振り絞るようにして涙が溢れて
きた。どろりと重く、塩辛い涙だった。
「なるほど、くん?」
声がまとわりつく。不思議そうな声。真宵の声。あんなに元気いっぱいだったのに、今
は枯れて掠れている。オトコに嬲られているから? 違う。散々嬌声を上げたから? 違う。
「なるほどくん、なるほどくん」
泣き声。
真宵はずっと泣いていた。泣いて、叫んでいた。姉にヒドいことをしないでと。春美を
解放してくれと。──成歩堂を、かえしてあげて、と。
成歩堂と千尋が交わる前で、唯一正気を保たされてしまった真宵はずっと泣き叫んで
いたのだ。
「ど、して」
成歩堂を助けるために壊れてしまった真宵は、ずっと泣いていたのだ。
「なるほどくん! なるほどく──っ、あ、ああっ!」
呼ぶ声が途切れる。肉を大きく打つ音と、粘る水が弾ける音が重なる。「ひぐっ、んっ、
やあ──っ!」悲鳴にも似た絶叫。塞いだはずの瞼の裏に、全身を震わせカラダの奥まで
他人の肉を咥え締めつける真宵の姿が浮かぶ。

“ごめんね”

抵抗も叶わぬカラダを突き上げられてまた押し上げられる真宵を、成歩堂は何もせずに
出来ずに見ているだけだった。
今も。
「なるほど、くんっ」
大きく晒された秘所を、赤黒い肉が何度も突き上げる。ぐちょぐちょ肉と肉とが擦れて
粘液が飛び散る。収縮するナカを激しく擦られ弱い場所を抉られ望まぬ絶頂を迎える真宵
を、成歩堂は見ていた。
見ていたから。
成歩堂が、見ていたから。
真宵は、壊れた。
だから、「ダメなの、」今は、「やっぱり、」せめて今だけは真宵を見ないように──
「あたしじゃ、ダメなの──?!」──それが単なる言い訳だと気づくより先に、悲痛な
叫びに思わず目を開けていた。
細い脚が痛々しく開かれていた。中心にある秘裂は限界までひらかれていた。その上で
膨れる秘芯は二本の指で押し潰されんばかりに挟まれていた。
どん、、と、鈍い音がして。小さな真宵のカラダに、太い肉が根元まで見えなくなるまで
真宵のナカに他人の肉が全部無理矢理収められた。
「ひ──っぐ、あああああああッ!」
断末魔の痙攣めいて全身を硬直させる真宵。膨れあがった男根で最奥を押し潰され、
もう声も出ない。
その。露わになった朱い肉が赤黒い肉に強く絡みつき奥へ奥へと収縮しそれでも収め
きれなかった白濁液がごぼりと滴った瞬間。
何事かを喚きオトコに殴りかかろうと跳ね起きたところで、成歩堂の意識は無様にも
途切れる。幸い──と言っていいのかどうかは分からないが。真宵は、成歩堂の滑稽な姿
を見てはいなかった。
胎からどろどろと零れ落ちるものの温かさに身を震わす真宵は、もう何処も見てはいな
かった。





「キミも。オンナだったんだねえ」
巌徒はくつくつ笑い、真宵の髪を撫ぜる。
真宵が壊れてどのくらいの時間が経っただろう。数時間、数日、数十日。真宵には時間
の感覚は残っておらず、把握している人間も真宵に教える気がないので、全ては分からず
仕舞いだ。
壊れても、新しく覚えたことはいくつかある。このオトコは気まぐれではあるが概ね
優しいコト、横で呆れた顔をするオンナよりも真宵を気持ち好くしてくれるコト、黒手袋
の指は真宵自身よりも真宵のカラダを知っているコト、等々。
「……散々ヤッっておいて今更ソレですの?」
ちなみの疑問に、巌徒は笑って答える。「カラダじゃなくて。ココロの方」
「お姉サンに、ナルホドちゃんを取られたくない。って、さ。……オンナだよ。キミは」
真宵は巌徒を見上げる。真宵に様々なものを与えてくれるオトコの言葉を待つ。
巌徒はにっこり笑って。
「今日はヒトリで行っておいで」
「あたし、だけ?」
「そう。マヨイちゃん、ヒトリで」
虚ろな瞳に不安を浮かべた真宵を、巌徒は優しく抱き寄せた。「ん」真宵がちいさく身
をよじる。不快からではなく、擦り込まれた快楽の疼きに耐えかねて。
「ダイジョーブ」
真宵の耳元で巌徒が囁く。
「マヨイちゃんなら、キット出来るよ。……お姉サンよりも。ナルホドちゃんと、“仲良く”
なれるよ」
「……うん」
真宵は微笑む。虚ろに。純真に。
「おねえちゃんよりもえっちなコトしたら、なるほどくん、あたしも好きになってくれる
んだよね」
「そうだね。言ったね」
「あたし、おっぱい小さいし、おねえちゃんみたいにビジンじゃないけど……なるほどくん
が好きになってくれたら、うれしいな」
「そうだね。……じゃ。行っておいで」
とん、と軽く肩を押すと、真宵の身体がふらふら離れる。覚束ない足取りで廊下の向こう
へと消える後ろ姿へと、巌徒はそれはそれは愉しげに手を振った。
「ねえ、巌徒海慈」
それまで小馬鹿にした様子で遣り取りを眺めていたちなみが、手持無沙汰を紛らわす
ように訊ねる。「他のオトコの名前を呼ぶオンナを抱く、って、どんな気持ち?」
「──」
短い。嘲笑を含んだ沈黙があって。
「──ワルくないね」
「ヘンタイね」
「オトコって、そんなモノだよ」
ふうんとちなみは相槌を打ち、それきり話を打ち切った。

静かな時間。
そこに誰かの嬌声と誰かの泣く声と誰かの慙愧が混じっても、静謐は揺るがないだろう。

 

最終更新:2011年07月07日 19:57