カーテンを閉め切った室内が薄暗くなった夕方の事、私は彼女を抱きしめていた。
“突起物”を弄っている。傷まないように指先を器用に滑らかに動かす。
実は敏感な“アンテナ”だったのだろう、彼女――綾里真宵は不安げな表情ながら息を軽く荒げた。
そして良くも悪くも幼げといえるその顔を次第に紅潮させてゆくのがわかる。
このような遊びを私はこれまでしたことがなかった。おそらく彼女に出会わなければ――私は勝手に彼女を運命の女性と
決めているのだが――経験することなどなく人生を終えたかもしれない。いや、そうに違いない。
正直私自身にとってそれほど楽しい遊びではない。だが彼女の可愛らしい反応、つまり喘ぎ声や表情、思わず体を
ピクと動かしてしまうサマに興奮する。性的興奮なのか?彼女はどうなのだろう。

「はぁはぁ・・・もっと・・・いい?」

アンコールのようだ。私は了解と告げて他の刺激の与え方を考えてみた。
そして顔をぬっと近づける。舌で突起部分、頂上のあたり、を舐め回すのだ。

「いやぁ・・・あぁ・・・あぁっん!」

彼女はこれまで以上の喘ぎ声を出して華奢な体躯で全身をビクッビクッと震わせた。
それと先ほどから気になっているのだが彼女に湿り気をうっすらと感じていた。
私の愛撫に応えて噴出したのならそれは人間の生理反応上の科学物質だろうと“愛液”と呼んでいいはずだ。

「はぁ・・・ん・・・ふう・・・・・・・」

彼女は疲れてぐったりしていた。私は一休みしようかと提案し彼女はベッドに寝転がった。
口の中に毛が入り込んでいる。やりすぎてしまったか?傷んでいなければいいが・・・。

「疲れちゃったよ。すっかり汗もかいちゃった!」

「真宵ちゃん。それにしても見事なモノだね。友達からもよく言われるだろう?」

私は彼女の“突起物”に対して素直な感想を述べた。
彼女は一度天井を見上げ呆れるような微笑を浮かべて言った。

「それがひどいんだよ。イトノコ刑事なんか“ちょんまげ”って言うんだよ!」

その刑事のことはよく知らないが、間違いない、と私は心の中で彼に同意し鼻を鳴らした。
最終更新:2010年04月16日 00:07