「おどろいた…。あなたの能力って【残留思念感知(オブジェクトリーディング;object reading)】じゃなかったの御嬢ちゃん?」
空を見上げたまま、譜久村はポケットから何かを取り出した。
その小さな何かを片手で器用にめくる。
四角く白く小さな何か。
文房具?…
かわいらしいキャラクターの表紙の付いた、どこにでもあるようなそれは…単語帳だ。
「このカードは、あと、二枚か…」
残留思念を物体から物体へコピーする力へ…、
※譜久村聖の能力設定(暫定版)
譜久村聖【能力複写(リプロデュスエディション;reproduce addition)】
物品や自分自身、他の生物などに他者の能力を付与する。
「もしかして、オマエは他の人間のチカラを複写できるのか」
「でも、もうカードもなくなってしまいました」
「そう、それはよかった。でも、なんでこの子、絵里と同じ力を持っているんだろう。」
「それはたぶん、絵里の能力を写し取ったんだと思うの。」
「どういうこと?」
「実はこの子、ジュンジュンにもあったことあるみたい。」
譜久村聖:【能力複写(リプロデュスエディション;reproduce addition)】
物品や自分自身、他の生物などに他者の能力を付与する。
■付与される能力の強度・精度
付与された物品や生物を【付与物】と仮称する。
基本的にはオリジナルの5割程度
同じ人物由来の能力を使い続ける(【付与物】から能力を開放)ことで、
その人物の持つ能力の威力、強度の再現度が上がっていく。(オリジナルを超えることもありえる)
■複写から付与までの作業における制限
コピー元の能力者とは付与作業の間、接触し続けている必要がある。
コピー先の相手や物品とも同様に接触し続けている必要がある。
完了までの時間は慣れと相性によって様々。条件が悪ければ数時間、良ければ数分、最速ならばそれ以下の時間で済む。
本人の気力体力の消耗も、慣れと対象との相性に大きく左右される。
回数にすると一日数回から、数十回程度まで、幅がある(一回の時間を仮に2分とすれば1時間に30個の【付与物】が出来上がる事になる)。
慣れない要素が増えれば一回の作業で疲れきることもありえる。
途中で集中が乱されると失敗する。たわいのない内容であれば会話ぐらいは可能。
逆に極限の集中状態であれば、通常ではありえない速さで完了できる場合もあるかもしれない。
■付与する対象への制限
ひとつの対象に一人の能力を一回分付与できる。(例えば二重能力者ならば全部の能力を)
自分自身の能力、つまり【能力複写】を付与することは出来ない。
■付与された物品や生物を使っての能力発動
【付与物】の能力発動にあたっての発動権は『ある程度以上の知能を有する接触者』の中で心理的に「最弱」の者に与えられる。
大人と子供ならば通常は子供に、兄と妹なら妹に、といった具合。
旦那と奥さんだとして、旦那がボクシング世界ランカーだったとしてもカカア天下な家庭ならば旦那に発動権が渡る。
仮に完全拮抗している場合ならば、原則を無視し、同時に複数発動する事になるが、そんな例外はまずありえない。
最初から接触者が一人ならば、問題なくその一人に発動権が渡る。
発動する能力の強度はおおむね聖の練度が基準となる(何割かは接触者の精神的強度が影響)が、
それによる消耗は発動者が受ける(何割かは軽減される)。
■ セットドキュメントミズキ -譜久村聖- ■より引用
|